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高齢者の『てんかん』その2

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
前回、高齢発症の「てんかん」患者さんが、認知症として治療されることがあるということを書きました。今回は、最近、老年医学や認知症診療の専門家の間で話題になっている、もっと分かりづらい、本人はもちろん、そばで見ている家族にも分からない「発作」について書きます。「一過性てんかん性健忘」と呼ばれているものです。主に初老期以降に発症し、短時間から数日にわたって、繰り返し記憶の抜け落ちを示す病気です。この記憶が途切れている期間、患者さんは正常な行動をします。例えば、友人と普通にゴルフをしたのに、後日、その記憶が抜けていることに気付くというものです。しばしば「今日は何曜日?」というような質問を繰り返します。発作が持続する(非けいれん性発作重積と言います)と、記憶のない期間は数日に及ぶこともあります。正常な時と、発作の時とのギャップや、目覚めの頃に発作を起こすことが多いことから、睡眠時に行動異常を起こすことがあるレビー小体型認知症に間違われる恐れがありますが、MRIなどの画像検査や、通常の認知機能検査(記憶力の検査など)では、異常が見られません。そのため、認知症の前段階(MCIと呼んだりします)とされることもあります。脳波検査で側頭葉に異常な波を見つけることが診断の決定打になります。治療は、他の高齢者の「てんかん」と同じように、抗てんかん薬が有効とされています。途切れた記憶が戻ることはありませんが、発作が抑えられれば、記憶が抜けてしまうことは避けられます。ちょっと変わった「てんかん」について書きましたが、アルツハイマー病などの認知症に、「てんかん」が合併することもあります。認知症を疑ったら、認知機能検査やMRIなどの画像検査だけでなく、脳波検査も必要です。
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男性の性(3)

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
前回は、なぜオトコは股間にあのようなものをブラブラさせているのか?というところで終わりました。
前々回にも書きましたが、オトコにとっての性器は“急所”とも言われるように何か損傷を受ければ命に別状は無くても生殖できなくなるかもしれない大事な場所です。
陰茎は性交の時に必要だからある程度外側に突出しているのも仕方が無いけれど、睾丸はどこかの国の軍隊のようにいざという時でも後方支援だけしていればいいので、なにも身体の外側でブラブラさせないで、オンナの卵巣と同じように身体の奥にしまっておけばいいのではないか?と誰もが思うのではないでしょうか?
ところが、動物園に行けばよく分かりますが、ヒトに限らずだいたいの哺乳類のオスは股間にあのようなものをブラブラさせています。
これにはやはり深い理由があったのでした。
哺乳類では睾丸で成熟した精子が作られるためには、体温より1.5℃から2℃低い温度の陰嚢内に睾丸が収まっていることが必須なのだそうです。
つまり身体の奥にしまいこんで体温と同じ温度の場所にいては立派な精子を作ることが出来ないのだそうです。
陰嚢の表面を見てみると身体のどこの皮膚よりもシワクチャであるのは、ラジエターのように絶えず熱を放散して体温よりも低い温度に保つ必要があるからなのだそうです。
身体の他の場所の皮膚は老化とともにシワが増えますが、陰嚢の皮膚は若い時ほどしわくちゃで年をとって生殖が不要になるとシワが伸びてダラーンとしていることが多いのも、そういった理由によるのかもしれません。
昔は精力をつける為に寒布摩擦と金冷法を実践していた人も多々いたようですが、寒布摩擦はともかく金冷法は当たらずとも遠からずで、“精力”の意味を勃起能力ではなく“精子を作る能力”とすれば、理にかなった民間療法だったと言えます。
ところで“現代人のオトコは精力が低下している”とよく言われますが実際のところはどうなのでしょうか?(つづく)
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四種混合ワクチンの供給が再開になっています

Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
国内にある製薬会社が生産する血液製剤の不正の影響で、四種混合ワクチン、B型肝炎ワクチンが出荷自粛となり、子どもたちの健康を守るという観点から不安が広がりました。昨年末にも三種混合ワクチンの供給中止のため、現場が混乱しワクチン接種が滞り、他のワクチン接種に来た時に見つけて勧めることが多くありました。四種混合、三種混合ともに含まれる百日ぜきに対するワクチンは特に重要で、中止していると流行を招く苦い経験を私たちは過去にしています。百日ぜきは重症化すると、咳が強い状態が続き、低酸素脳症など脳に重大なダメージを来すことが知られ、最悪の場合には死に至ります。幸いなことに、自粛となっていた四種混合ワクチンの出荷は11月26日をもって解除となっています。また、違うメーカーの四種混合ワクチンも12月9日から発売され、供給の不安定さは解消しつつあります。出荷自粛となったワクチンの品質については、製薬会社の第三者委員会や厚生労働省とも問題がない旨を公表しておりますので、安心して接種してください。早急に、これまでワクチンをしていただいた先生に連絡を取り、接種計画を立ててください。また、自粛になったワクチンに不安を持っているという保護者の方は他社のワクチンに途中から変えても、効果が薄れたり、副反応が増えたりする事態はありませんので、その点でも安心して早期に再開するようにしてください。B型肝炎ワクチンは現在、任意接種という位置づけなので、供給量の急速な回復は望めませんが、徐々に回復傾向にあり、これもかかりつけの先生と相談しながら進めるようにしてください。子どものうちに受けるワクチンは、公費のものでも、任意のものでもとても重要なものばかりです。新しく導入されたワクチンは、いずれも接種できる年齢が限られているものが多くなっています。これを機に母子手帳を見直して、接種していないワクチンがあれば早めに接種するように心がけてください。
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『噛(か)む』ことと『食育(しょくいく)』

人間が持っている歯の形は、前歯は切るに適した肉食のための形、奥歯は、すり潰すための臼(うす)の形をしているため草食に適しております。石塚左玄が著書「食物修養論」で、人間は穀物食動物だと述べていますように、肉食獣に比べると切るための筋肉も弱く、また、草食動物の牛などに比べると、食道から直腸までの消化管の長さが、短く草食動物と言う事もできません。最近良く『食育』という言葉を耳にしますが、村井弦斎は小説「食道楽」下巻に「小児には徳育よりも知育よりも体育よりも食育が先き」とすでに書いております。食育基本法が平成十七年六月十日に成立しましたが、その内容はー一、食の大切さを知る。
二、食の現状を知る(自給率の向上)。
三、生産者と消費者の信頼関係から地域の発展を目指すーなどです。また、米国人、フレッチャーが提唱しているフレッチャーイズムのなかで、空腹を感じたときだけ食べ、十分に噛み砕き、すり潰し、唾液と混ぜることが、健康に大切であると述べています。石塚左玄、村井弦斎、フレッチャーに共通していることは、玄米など自然の食品を加工せず、丸ごと食べること、よくすり潰してから飲み込むことの重要性を唱えていることです。最近、開咬(かいこう)と呼ばれる、前歯がかみ合わない子が多くなっていると言われますが、歯並びが悪く噛む力が弱いと、口周囲の筋肉の発達が弱くなり、唇を閉じられない開咬状態になってしまいます。口が半開きになってしまい、口で呼吸し、鼻呼吸ができづらくなりアデノイドや鼻炎になりやすくなります。当然ですが、痛い虫歯があるとよく噛むことは無理ですし、よく噛める状態を作ることが、攻撃的・排他的な行動を抑制し、イライラが減ったり、キレにくくなり、ひいては、感謝の気持ちを引き起こします。顎(あご)・歯・頬(ほお)・唇・舌の正しいバランスが、食事をおいしいと感じさせ、満足感、心の豊かさを引き起こし、充実した生活を送れるようになるでしょう。『食育』の入り口は、「歯、口、噛むこと」から始まります。
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腸内細菌のお話

ヒトの腸の中には、100兆個の細菌が生きています。重さでいうと1㎏あります。いろいろな菌がいるのですが、野原によって生えている草花が違うように、ヒトによって腸内の細菌は種類が違います。「どんな菌が多いか」で、くさむらの特徴が決まるため、腸内細菌叢(ソウ=くさむら)と呼びます。便の中には、多くの種類の菌がいますが、乳酸菌、大腸菌、ビフィズス菌は、腸にいる有名な菌です。腸内細菌は、人間に寄生しているだけではなく、人体が作れない必須アミノ酸(タンパク質のもと)やビタミンを作って、栄養を与えてくれています。また、糖尿病・メタボリックシンドロームにおいても、腸内細菌が重要な役割を果たしていることがわかってきました。炎症やがんの発症に関係している菌もいます。狭心症の人では、バクテロイデス菌が減っているという報告があります。この菌は、肥満や認知症の人で減少しているとも言われています。病気を良くするタイプの菌を植え付けたり、善玉菌が産生する良い物質を薬のように作ったりすることは、将来、可能になるかもしれません。それまで、今できる体に良いことは、善玉菌を増やすように努力することです。腸内細菌叢の2割が善玉菌、1割が悪玉菌、7割が日和見(ひよりみ)菌と言われています。日和見菌が悪玉になったりして、善悪のバランスが変化します。なるべく善玉菌が多くなるように増やしたいものです。善玉菌を増やす食品は、食物繊維、植物性タンパク質、野菜果物、母乳などです。赤ちゃんが3歳になるまでの間に、母乳、兄弟の有無、住んでいる地域などの影響を受けながら、安定した腸内細菌叢のタイプが出来上がります。そうした中で、できるだけ、日和見菌を善玉に変身させたいので、納豆や根菜などを食べるとよいようです。反対に、悪玉菌を増やすのは、高脂肪食、動物性タンパク質、糖分、塩分、ストレスなどです。参考にしていただけると幸いです。
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