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糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

Text by 江口眼科病院 鈴木 裕太
近年、患者数の増加が著しい病気の一つに糖尿病があります。糖尿病の合併症の一つ、糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害受け、視力が低下する病気です。実際には糖尿病を放置している人が少なくなく、毎年多くの人が視力を失い、成人の失明原因として非常に大きな比率を占めています。ここで注意しなければならないのは、糖尿病網膜症は進行しても視力の低下などの自覚症状がほとんどないということです。放置していると、ある日突然、目の前が真っ暗になったとあわてて病院に駆け込み、糖尿病網膜症がかなり進行した段階で起きる硝子体出血や網膜剥離と診断され、失明に至ることもあります。糖尿病と診断されたら、定期的な眼科受診を忘れないでください。検査・治療を続けていれば、糖尿病が原因で失明することは、多くの場合防げるのですから。
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男性の性 31

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
(1~30は、函館医療情報のページで読むことができます)精子の話。精子はイラストやマンガでオタマジャクシのように描かれることが多いと思いますが、実際に顕微鏡で見ても、本当に丸く大きな頭部と細長い尾部からなり、採取したばかりの精子はほとんどがオタマジャクシの様に活発に動き回っています。精子の質と量(数・奇形率・運動能など)は、喫煙・飲酒・ある種の薬物・性交(射精)頻度・陰部の温度・長時間の座位や自転車等、に影響を受けることが判っていますが、最近、季節によっても精子の質と量が変動することがイスラエルからの報告で明らかになりました。考えてみれば、ほとんどの動物の繁殖には季節変動があり、“発情期”と称される時期を明確に持っている動物も少なくないので、高度に文明化した人間でも、野生動物としての精子季節変動が残っていても不思議ではありません。不妊治療を受けている6447組のカップルから得られた6455の精液サンプルを対象として検討したところ、正常精子数の男子では、精子濃度(1mℓ中の精子数)は春と冬で高く、夏と秋では低かったそうです。また、高速運動精子(元気よく活発に運動している精子)率は、秋と冬で高く、春と夏は低いそうです。正常形態精子率は冬が最も高く、夏と比べると優位に高かったようです。これらは、あくまで男性側の因子のみについての結論ですが、子供をつくりたい場合は、夏よりも冬に性交したほうが妊娠する確率が高いことになります。なお、男性不妊症の診断に用いる精液検査の方法や正常値が2010年に世界保健機構(WHO)により推奨されたことにより、一般の泌尿器科や産婦人科医院ではこの推奨通りに精液検査を行うことが難しくなり、専門の不妊症外来を持っている施設で検査を受けることが薦められています。
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動脈硬化

Text by 小笹内科医院 小笹 明
動脈硬化とは動脈壁が肥厚(ひこう)し弾性を失った状態をいいます。現在日本における死因の1位は癌の30%ですが、脳卒中は15%、心臓病も15%と心血管合併症による死亡も合計30%と癌による死亡とほぼ同じです。このため、心血管疾患の予防が重要視されています。動脈硬化は血管に炎症などの障害が起こり、悪玉コレステロールのLDLが血管内に侵入し酸化LDLとななり、マクロファージに貪色(どんしょく)され動脈硬化巣が形成されることにより起こります。動脈硬化巣が大きくなると血管の狭窄(きょうさく)を来し、胸痛が出現したり、息切れが起こります。また一見血管の狭窄のない部位の被膜が突然破れ心筋梗塞を発症することがあります。このため動脈硬化を予防することが大切です。ビタミンCやビタミンEは抗酸化物質として知られ、また喫煙によりLDLの酸化が促進されることが知られています。このため生活習慣を改善することが重要です。
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予防と早期発見

Text by 北美原クリニック 岡田 晋吾
病気は予防することができればそれに越したことはありません。高血圧や糖尿病など生活習慣病と呼ばれる疾患(しっかん)の多くは食事療法や適度な運動を行うことによって予防したり発症を遅らせたりすることができます。また最近増えている慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)や肺がんは禁煙することにより予防することができます。ガンについては食生活の欧米化に伴い乳ガン、大腸ガンが増えています。日本食にすればこれらのガンは予防することが可能かもしれませんが、逆に胃ガンが増えるとも言われています。大切なことは40歳を過ぎたら定期的にガン検診を受けることです。生活習慣病にしてもガンにしても早期発見、早期治療により生活の質を落とすことなく楽しい生活を送ることができますので、ご自分のかかりつけ医を決めて気軽に健康についての相談をしましょう。
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在宅での褥瘡(じょくそう)治療

褥瘡というのは「床ずれ」のことです。寝たきりや、それに近い状態の患者さんの体が、ベッドや車いすなどによって圧迫されて起こります。近年、在宅医療の広がりとともに在宅で褥瘡を治療するケースも多くなっています。在宅での褥瘡の治療は、困難ではありますが、可能です。しかし、いくつかの条件はあります。まず、全身の状態がよいことです。寝たきりであっても、栄養状態がよく、褥瘡を治す体力があることです。ある程度動けるような方の場合は、治る確率は格段に上昇します。また、家族の方々の協力も不可欠です。毎日の治療はたいへんで、家族の方の負担は大きなものになります。しかし、家族の方の協力が強い場合には、褥瘡は良くなることが多いと感じています。そして、どのような褥瘡であれば在宅でも治療は可能なのでしょうか。大事なのは、炎症がないことです。炎症があると、熱が出たりして全身の状態が悪くなります。こうなると点滴などの治療が必要になってしまいます。また、褥瘡の深さも重要です。浅い褥瘡であれば、適切に治療することによって比較的短時間で上皮化して(皮膚ができて)治っていきます。深い褥瘡の場合は壊死組織が付着している事も多く、このような壊死組織は外科的に除去しないと細菌の巣になってしまうこともあります。でも、壊死組織が適切に除去出来れば在宅でも治療は可能です。問題は初期の褥瘡です。浅い褥瘡も、深い褥瘡も初めは赤くなっているだけのことがあります。浅い褥瘡はそのまま赤みが取れてきます。でも、深い褥瘡は時間が経つにしたがって紫色になり、二週間くらい経つと黒くなってきます。黒い部分は皮膚が壊死してしまっているのです。初期の褥瘡を深い褥瘡か浅い褥瘡か見極めることが大事です。
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