カサカサ肌になりやすい季節を前に
暑い夏もようやく終わり、秋の気配が次第に色濃くなってきました。季節の移り変わりとともに、皮膚も変化していきます。
これからの時期は、手や足、すねなどの皮膚が乾燥でカサカサし、白い粉をふいたような状態になりやすくなります。皆さんのお肌はどうですか?
皮膚のうるおいは、次の三つの要素で決まります。それは、
(1)毛穴から分泌される皮脂(ひし)によって形成される、皮脂膜(ひしまく)
(2)皮膚の表面に存在する角質細胞(かくしつさいぼう)の間に存在する、角質細胞間脂質(セラミドなど)
(3)角質細胞内に存在する、天然保湿因子(アミノ酸など)
です。これらの三つの要素の働きで、皮膚のうるおいは保たれるのですが、その成分が減少すると、皮膚の乾燥が起こります。この状態が長く続くと、皮膚の表面がひび割れを起こします。乾燥した皮膚は非常に敏感で、かゆみや炎症を起こし湿疹になっていきます。また、かゆみによる「引っ掻く」行為はその症状を更に悪化させます。
では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?
ポイントは、皮膚を清潔に保ちながら、乾燥を防ぐケアをしていくことです。具体的には、長湯と熱いお湯での入浴を避ける。硫黄成分の入った入浴剤は使用しない。石鹸の使いすぎ、洗いすぎを避ける。ゴシゴシこする行為、ナイロンタオルの使用を控える。入浴後に保湿剤を塗る。肌着は刺激の少ない木綿製のものを使用する。室内の湿度を調節する(加湿器や濡れタオルなどを使用)。爪を短く切り、引っ掻かないようにする。飲酒や香辛料はかゆみを助長するので、控えめにする、などがあげられます。特に、お風呂に入るときにこすらなければ気持ちが悪いとか、お風呂に入った気がしないとおっしゃる方が多いのですが、ゴシゴシこする行為はいたずらに皮膚を傷つけ、皮膚の乾燥を強くするだけではなく、外部からの異物(細菌やウィルスなどを含めて)の侵入を許すことにもなりかねません。注意して下さい。普段の生活で、以上のことを実践しても、かゆみが強く、湿疹になってしまう場合は早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。