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おたふくかぜによる難聴にご用心

小児科2010/04/26

 今年に入って函館市内近郊では、おたふくかぜの大流行が見られ、その数は、過去5年間の平均の5倍以上です。 手元に資料が残っている過去20年の統計を見てみますと、今年は大流行した平成9年についで2番目の多さになっています。
平成15年、16年にも小流行がありましたが、その後はほとんど流行もなく過ぎています。 今年の流行では、小学校高学年のお子さんがおたふくかぜにかかる例が多くみられます。 おたふくかぜというと、みなさんはどんな病気と思われるでしょう。
耳の後ろの耳下腺やあごのところにある顎下(がくか)腺というところが腫れたり、大人になっておたふくにかかると重症になったり、睾丸(こうがん)炎になって不妊の原因になるというところでしょうか? おたふくかぜになって一番心配なのは、「おたふく難聴」という、片方の耳が全く聞こえなくなるという合併症です。
頻度はおたふくになった人の1万人に1人という報告から、数百人に1人という報告までまちまちですが、おたふくの中で最も注意しなければならないものなのです。
残念ながら、おたふく難聴の存在はあまり知られていません。
難聴を早期に見つけたとしても、治療によって元の聴力に回復することはあまりありませんが、早期に発見して悪くなる可能性を少しでも減らす治療がなされます。
耳鼻科の先生にお話を聞くと、函館地域でもおたふく難聴で苦しんでいるお子さんは確実にいますとのことです。 おたふくかぜの予防にはなんといっても予防接種が有効です。ワクチンで防げる病気の多くは接種することでほとんどかからなくなるものですが、おたふくかぜワクチンだけは抗体の出来る人が約80%とあまり高くはありません。
それでもワクチンをすることにより、難聴になる危険性をできるだけ少なくすることは現在でも可能と考えられています。
任意接種でお金がかかりますが、ぜひ接種して欲しいワクチンだと考えています。
新入園、新入学の時、まだおたふくに罹っていないお子さんは、これを機会に予防接種をして難聴の危険性を少しでも下げるようにしてください。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2010年4月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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