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顔面けいれんと三叉(さんさ)神経痛

脳神経外科2010/09/27

患者さんから時々耳にする言葉に「顔面神経痛」というのがあります。
昔のことは知りませんが、少なくとも私が脳外科を学び始めてからは、正式名称として、このような病気は聞いたことがありません。
一方、顔面けいれん(正しくは半側顔面けいれん)と三叉神経痛という病気があります(さらに紛らわしいものに、顔面神経麻痺というのもあります)。
おそらく、顔面神経痛という言葉は、これらの言葉が混同されて広まったのではないかと考えます。
今回は顔面けいれんと三叉神経痛についてお話します。顔面けいれんは、自分の意志とは関係なく、顔がピクピクとけいれんする病気です。
三叉神経痛は顔が痛くなる病気で、歯科治療のとき、歯の神経に触られた時の刺すような鋭い痛みが、顔に生じます。
顔面けいれんと三叉神経痛は、症状は違いますが、症状が出るメカニズムは似ています。
基本的にはどちらも、頭の中で顔面神経、三叉神経それぞれの神経を血管が圧迫しているために、刺激を受けて勝手に顔がピクついたり、顔が痛くなったりするのです。
したがって、根本的な治療は、手術でこれらの神経と血管の接触を離してやることになります。
しかし、どちらの病気も命を脅かすものではありませんので、頭の手術をためらう患者さんも多くいらっしゃいます。
そこで代わりの治療法として、飲み薬によるものや、放射線照射、注射による方法などがあります。それぞれの治療方法には長所と短所がありますので、どの治療法を選ぶかは、お医者さんと相談するとよいでしょう。
命に危険がない病気といいましたが、顔のけいれんは外見に影響するために、社会生活に大きな影響がありますし、三叉神経痛は、「歯の痛み」と同じ(歯の神経も三叉神経です)ですので、どんなに辛い痛みであるかは、すぐに想像できます。
ごく稀に脳腫瘍が原因となることもありますので、まずは脳外科でキチンと診断を受けることが治療の第一歩です。
つらい症状を我慢しないで脳外科に相談してください。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2010年9月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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