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神経性大食症

「神経性大食症」はほとんどが女性に見られ、文字通り「過食」を症状とするものです。
何かのきっかけから起こることが多く、例えば急激なダイエットから起こったり、ストレス、不安を感じている時に楽になれるということから過食になる事もあります。ある研究によって、急激なダイエットに伴う危険性が明らかになっています。
この研究は、食事の摂取量をいきなり一定期間半分に制限するとどうなるか、というものです。
結果として、次のようなことが起こることが分かりました。
食べることを考え続けるようになるため、日常行動に集中することが困難になる、台所用品やあるいは食べ物と関係の無い物も収集する、自己抑制を欠き、むちゃ食いをする、自己嫌悪、抑うつ、不安、いらつき、ごみ箱をあさる、万引きをする、社会的不適応など、様々な問題が起こることが分かったのです。
特に注意が必要なのは、急激なダイエットをすることによって、かえって食べることに注意が向き、過食を誘発してしまうということです。
そのため、過食しては自分で嘔吐し、また過食をするという繰り返しにおちいる場合も多く見られます。
また、自分の体型に対する評価が厳しすぎる場合や、自分に対する価値観を、主として体重をコントロールすることで保とうとすることもあります。残念なことに、現在の所、薬物療法はあまり効果があるとは言えません。
文献では認知行動療法などで、効果が得られるとの報告があるのですが、実際の臨床場面では困難を伴うことが多いようです。うつ病の方の多くが受診に至らないのと同じ様に、神経性大食症の方の多くが受診せず、苦しんでいるものと推定されます。
ポイントの一つは過食と嘔吐の悪循環を何とか断つ事です。
リラックスする、何か他に興味のあることで気をまぎらわす、自尊心を高める方法を見つける、前向きの考え方をする、などの工夫により、多少なりとも良い影響を期待できる場合があるものと思われます。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2010年10月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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