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顕微鏡下精巣内精子回収法など、男性不妊の治療法は飛躍的に進歩しています

産科婦人科2011/08/29

 不妊症の原因の半数は男性側にあります。
男性不妊、とくに精液の中に精子が存在しない無精子症の場合、通常の顕微授精(顕微鏡下で卵子の中に直接精子を注入して受精を促す治療法)では、受精卵を作り、妊娠に結びつけることは非常に難しいのです。 しかし、無精子症であっても、精巣(せいそう/睾丸のこと)の中には精子が存在することも多く、精巣から精子を採取することで顕微授精が可能です。
精巣内精子を回収する方法をTESE(テセ)といいますが、より高度な治療法として、顕微鏡下で精子を回収するMDーTESEが注目されています。 精子は精巣内の精細管(せいさいかん)で作られます。顕微鏡で精細管を緻密に観察し、状態の良い精細管を選ぶことで、受精能の高い精子を回収する確率が高くなります。 無精子症の原因はさまざまです。
大きくは閉塞性無精子症(精巣内では精子は作られているが、精子を運ぶ輸送管が閉塞している場合)と、非閉塞性無精子症(精巣内で精子を作る働きがないか、非常に低い場合)に分類されます。 さて、比較的ポピュラーな男性泌尿器の病気に、精索(せいさく)静脈瘤があります。
精巣内の静脈に血液が逆流して静脈がコブ状になる病気で、精巣の温度が高くなるため、精子を作る働きが低下して男性不妊の原因になることがあります。
精索静脈瘤には手術治療があります。
非閉塞性無精子症と診断された方のなかには、精索静脈瘤が見つかり、手術治療を受けたあとに精子が作られるようになり、顕微授精で赤ちゃんを授かるケースもあります。 以上のように男性不妊は原因も治療法も多種多様です。重要なのは、不妊原因は男性側にあることも多いと認識し、不妊治療で通院中の産婦人科から泌尿器科の検査を勧められた場合は、積極的に受けることです。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史( 2011年8月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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