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目薬でも治らない目の不快感は?

眼科2012/03/19

 目の乾き、かすみ、涙目、ゴロゴロする、しょぼしょぼする、などの不快感は、60歳以上になるとほとんどの方が感じているようです。実は、これは涙と深い関係があります。

 健康な目は、下まぶたにたまった涙がまばたきによって持ち上げられ、眼球の表面を覆います。
歳を取ると涙の量が少なくなったり、涙の質が悪くなったりするために充分に眼球表面を潤すことができなくなるのが「ドライアイ」です。目の乾きがあるとこすれる原因になり、先に述べたような不快感が出るので、眼球表面を保護する点眼薬をつけなくてはなりません。
「ドライアイ」は目をつぶっていると症状が軽く感じるのがポイントです。

 それに比べて目をつぶってもずっと不快感がとれない病気に「結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)」というものがあります。
人は1日に1~2万回もまばたきをしているので、歳を取るにつれ結膜(白目の表面の薄い膜)のたるみができてしまうのです。
結膜のたるみができてしまうと、このたるみが邪魔をして下まぶたに涙がたまることができなくなり、涙があふれたり、涙が正常に眼球表面を覆えなくなり、乾き目になったりします。
この「結膜弛緩症」は軽い症状の場合は、ドライアイと同じような点眼治療でも効果がありますが、不快感が続いている場合にはたるんだ結膜を縮める手術が効果的です。

表面麻酔をして痛みを感じなくしてから、たるんだ結膜の部分に熱を加えて縮ませることができます。
これは切開して縫い縮める方法よりも術後の痛みも少なく、外来で10分前後で終了する手術方法です。
下まぶたのすぐ内側に透明な膜のような物がたるんで見える方、目の不快感が取れない方は、結膜弛緩症かもしれませんので一度眼科を受診してみてはいかがでしょうか。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2012年1月17日 「青いぽすと」掲載)

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