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化膿した粉瘤(ふんりゅう)の治療

皮膚科2016/03/28

 粉瘤というのは、皮膚の下にお粥(かゆ)のようなあかが貯まった袋ができる良性の皮膚腫瘍です。
体中どこでもできますが、多いのは顔、背中、お尻、脚のつけ根などです。
化膿していなければ、コロコロとした丸い塊が触れるだけで痛みもありません。
皮膚の表面に小さな穴があると、押すとそこから悪臭のある内容物が出てくる事もあります。
化膿していなければこの小さな穴と、中の袋を取って縫合すると再発はしません。
でも、化膿してしまうと、中に膿(うみ)がたまって急に大きくなって赤く腫れてきます。
さらに痛みも出てきます。
そして、痛みが出てから来院される方が多いようです。
しかし、こうなると化膿して膿がたまっていますから、中の袋を取ることはできません。
そこで、局所麻酔をして、皮膚を切開し、中の膿を出すだけになります。
切開は皮膚の表面の小さな穴がはっきりしていれば、その穴を含めて皮膚を一部切除して穴を開けておきます。
そうする事によって膿が中にたまらず、きちんと外に出てくれます。
そして、粉瘤の袋が残っていれば可能な限り取り除きます。
これを残すといつまでもジクジクして、治りが悪くなったりします。
縫合はできません。
そして、週2~3回程度時々通院しながら炎症が治まって小さくなるのを待ちます。
消毒しなくて良くなるのには、大きさにもよりますが、10日から2週間位です。
元になる小さな穴が残っていると、再発してくる事も考えられます。
また、炎症が治まらないうちに切開した入り口が閉じてしまうと、中で肉芽腫といってくすぶった状態が続き、炎症を繰り返す事もあります。
ですから、粉瘤は化膿しないうちに取ってしまう方が、簡単で早く治る方法なのです。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡( 2016年3月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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