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成人の8人に1人が慢性腎臓病!? 身近に潜むサイレントキラー(沈黙の殺し屋)

泌尿器科2018/07/30

 ある日の泌尿器科外来

 「どこも痛くないし具合が悪いわけでもないのに私の腎臓が悪いって本当ですか?」

 夜間、トイレに起きるようになってきたため泌尿器科へ受診された患者さんです。
超音波検査で腎臓を見ると少し小さい。
念のため検査をしてみると腎臓機能低下が判明しました。

 腎臓機能が徐々に低下してくる慢性腎臓病。
多くの場合は本人が自覚するような症状がありません。
それゆえ病気が分かった時にはすでに末期腎不全ということもあり慢性腎臓病はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)とも呼ばれます。
そんな病気が実は身近に多く潜んでいることが分かっています。
日本では成人の8人に1人が慢性腎臓病と報告されています。
さらに高血圧症や糖尿病、脂質異常症などメタボリック症候群の人では、その頻度は更に上昇すると言われます。

 「私の腎臓、治るのですか?」

 慢性腎臓病は、いったん腎機能低下が進むと元に戻すことができません。
しかし発見が早ければ病気の進行を抑えることが可能で末期腎不全の危険を回避することができます。

 「私、どうして腎臓病になったのかしら?」

 慢性腎臓病はメタボリック症候群以外にもリウマチなどの膠原(こうげん)病、排尿障害、喫煙習慣、あるいは遺伝が関係している場合もあり原因は多種多様です。
それゆえ多くの人が腎臓病になる可能性があるのです。

 慢性腎臓病は早期発見がとても大切です。
定期的な検査が重要なのです。
自覚症状のない早い段階でも健康診断などで採血や採尿検査、血圧検査をすることで診断することができます。
また次のような症状には注意が必要です。
夜トイレに起きるようになった、手の指や足がむくんで指輪や靴がきつく感じるようになった、以前にくらべて疲れやすく体がだるい、時々立ちくらみがある。
慢性腎臓病も腎機能低下が進んでくると自覚症状が出てくることがあります。
このような症状に気が付いたら医療機関にご相談下さい。
成人の8人に1人が慢性腎臓病なのです。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2018年7月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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