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手の血管

内科2021/12/22

 「手の血管がふくらんで見えるんです。」と相談されることがあります。まず自分で簡単に確認してみましょう。手を高く上げて下さい。ふくらんでいた血管が萎みましたか?次に手を下ろして下さい。またふくらみましたか?それは静脈という血管です。もし手を上げても下ろしてもふくらみが変わらない場合やドクドク拍動している場合は動脈かもしれません。確認するために病院で診てもらいましょう。循環器内科、心臓血管外科が専門科です。

 もし静脈だとわかった場合は必ずしも病院で相談する必要はありません。それは単なる血管の拡張であり、加齢や体質によるものです。若い時に比べて血管周囲の脂肪などの組織が減ってきて相対的に浮き出て見えやすくなります。また体質的に表面に沢山血管が走行している人もいます。さらにスポーツや仕事で腕の筋肉を過度に使用する場合、静脈が発達して太く見えやすくなります。

 一方、静脈瘤という病気があります。静脈の中にある静脈弁が壊れてしまったもので、特に下肢に出来る静脈瘤は妊娠や出産を経験した女性に多く見られます。しかし手には静脈瘤はほとんど発生しません。何故なら普段の生活で立ったり座ったりする状態で手はほぼ心臓と同じ高さにあるため、静脈弁に圧力が掛からず弁が破壊されることは稀だからです。

 手の静脈の拡張は治療を要する病的な意義はありません。手を見せることを職業とする場合など特殊なケース以外は治療しません。むしろ手の血管をつぶしてしまうと将来大きな病気になった時、採血や点滴をする時に大変困ります。将来への備えとして手の血管は大切にしましょう。


Text by こにし内科・心臓血管クリニック 小西 宏明( 2021年9月20日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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