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目薬でも改善しない目の不快感は?

眼科2021/12/22

 目の乾き、かすみ、涙目、ゴロゴロする、しょぼしょぼする、などの不快感は、60歳以上になるとほとんどの方が感じているようです。実は、これは涙と深い関係があります。

 健康な目は、下まぶたにたまった涙が、まばたきによって持ち上げられ、眼球の表面を覆います。歳を取ると、涙の量が少なくなったり、涙の質が悪くなったりするために、充分に眼球表面を潤すことができなくなるのが「ドライアイ」です。目の乾きがあると、こすれる原因になり、先に述べたような不快感が出るので、眼球表面を保護、または抗炎症の点眼をつけなくてはなりません。「ドライアイ」は、目をつぶっていると症状が軽く感じるのがポイントです。

それに比べて、目をつぶってもずっと不快感がとれない病気に「結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)」というものがあります。

人は一日に1~2万回もまばたきをしているので、歳を取るにつれ、結膜(白目の表面の薄い膜)のたるみができてしまうのです。この結膜のたるみができてしまうと、このたるみが邪魔して、下まぶたに涙がたまることができなくなり、涙があふれたり、涙が正常に眼球表面を覆えなくなり、乾き目になったりします。

 この「結膜弛緩症」は、軽い症状の場合は、ドライアイと同じような点眼治療でも効果がありますが、不快感が続いている場合には、たるんだ結膜を縮める手術が効果的です。表面麻酔をして痛みを感じなくしてから、たるんだ結膜の部分に熱を加えて縮ませることができます。これは、切開して縫い縮める方法よりも術後の痛みも少なく、外来で10分前後で終了する手術方法です。

 下まぶたのすぐ内側に透明な膜のような物がたるんで見える方・目の不快感が取れない方は、結膜弛緩症かもしれませんので、一度眼科を受診してみて下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2021年11月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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