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急性内斜視(スマホ斜視)

眼科2022/08/31

近年、スマートフォン(スマホ)やタブレット端末などのデジタルデバイスの普及により私たちの生活は便利なものになりました。また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、外出が制限され、自宅での時間が増えたことでこれらのデバイスの使用がより身近なものになったと思います。

このスマホやタブレットの長時間の使用により問題となっているのが「急性内斜視」です。内斜視とは黒目が内側によっている状態で、先天性のものや調節性(遠視や輻輳[寄り目]の異常)など原因は様々ですが、急性内斜視は突然発症する原因不明の内斜視です。

目は近いものを見るとき、目は、ピントを合わせる調節と黒目を内側に寄せる輻輳の2つの働きを行います。15〜20cm位の非常に近い距離でスマホを長時間見ていると輻輳の作用を強く受け、スマホを目から離しても目が内側に寄ったまま元の位置に戻らず、急性内斜視との関連が指摘されています。

急性内斜視が疑われた場合、両目で物を見たときに二重に見える(複視)、寄り目・斜視になるという症状で気づかれることが多いです。

スマホ使用を控えることで改善することもありますが、改善に乏しい場合は複視を矯正するためのプリズム眼鏡の使用を、それでも改善しない場合は手術やボトックス注射などの治療が必要になってきます。 「30cm未満の距離」、「4ヶ月以上に渡る1日4時間以上の使用」で急性内斜視が発症したという報告があります。

スマホによる急性内斜視発症の予防としては長時間のスマホやタブレットの使用を控えることが一番です。スマホの連続・長時間の使用を控え、使用途中には遠くを見て目を休ませるようにしてあげましょう。


Text by 江口眼科病院 髙橋 由衣( 2022年8月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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