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昼間は大丈夫なのだけど夜が近い

泌尿器科2023/08/01

泌尿器科診療をしていると毎日必ず耳にするフレーズです。夜のトイレの話です。
泌尿器科患者さんの受診理由で最も多いのが夜間頻尿です。夜間頻尿にはいくつか原因がありますが半数以上の患者さんに夜間多尿がみられます。夜間多尿とは、夜間につくられる尿量が増える病態です。言い換えれば昼間に効率よく尿をつくることができない病態ともいえます。

主な原因の一つとしてふくらはぎの筋力低下が挙げられます。ふくらはぎは第2の心臓といわれ、その動きで下肢の静脈やリンパの流れを生み出します。筋力低下を来せば流れは停滞して下半身にたまりやすくなり、その分だけ日中の尿量が減少します。
そしてもう一つ、食塩摂取も大きく関わっています。余分な塩分は水分と一緒に尿として排出されますが、夜間多尿では塩分排せつが低下しているため食塩摂取が多いほど日中の尿量が減少します。 昼間に十分な尿をつくれないまま夜眠りに就くと、下半身にたまった水分が上半身へ戻り腎臓を経て尿量が増えます。
また、上半身の体液量が急に増えることで、それを是正するために脳や心臓から利尿ホルモンが分泌されて夜間の尿量がより急速に増えることになります。

では、これを改善させるにはどうしたら良いか。まずは下肢筋力低下を補うため筋肉を積極的に動かすことが必要です。
かかとを上げ下げする体操が効果的です。1分間に20~30回のリズムで上げ下げします。立って行うのが難しい方は椅子に座ったままでも効果があります。
併せて行うのが塩分制限。目安は1日食塩6g未満。食品表示を参考にしながら少しずつ塩分を減らしましょう。

ただし、下肢のむくみや頻尿は夜間多尿と関連しない場合もあります。持病のある方や症状が改善しない場合には、主治医やかかりつけ医に相談してください。


Text by たんだ泌尿器科 田崎 雅敬( 2023年7月18日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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