その症状、白内障かも!!
人間の目はカメラに似ていて、レンズにあたるのが水晶体です。
水晶体は加齢とともに濁ってきて、それが『老人性白内障』です。
50歳を過ぎると5人に1人くらい、80歳ではほぼ全員が白内障になります。
以下のいずれかの症状がある時は、白内障の可能性があります。
①遠くも近くも、かすんで見える
②明るい所でギラギラしたり、物が見づらい
③今まで老眼鏡が必要だったのに、急に近くが見やすくなる
④物がだぶって見える
最近はアトピー性皮膚炎や糖尿病との合併による50歳以下の若い年齢での白内障も増えてきています。
白内障は、進行を遅くする点眼薬がありますが、この点眼で水晶体の濁りをなくすことはできません。
あくまでも進行を少しゆっくりするだけなので、いずれは手術で濁った水晶体を取り除き、かわりに人工水晶体を入れることになります。
濁っている部分や程度は個人差があります。
ひとりひとり手術するべき時期は違うので、眼科医とよく相談して治療方法のアドバイスを受けて下さい。
男性の性(10)
昨年大晦日の紅白歌合戦には25年ぶりに女性デュオの『あみん』が出場し、1982年最大のヒット曲『待つわ』を歌ったそうですが、1982年頃、僕は女にふられてばかりの大学5年生で、その歌を聞いたことはあったけれど、そんなにヒットしたとは知りませんでした。
『あみん( アミン)』といえば、食人大統領の異名を持ち、ボクシング・アフリカヘビー級チャンピオンでもあった2mを越す大男、当時、アントニオ猪木との異種格闘技戦の噂もあった、大虐殺を行ったと言われるウガンダの独裁者アミンを思い浮かべてしまい、『待つわ』を歌っていた方には『変な名前の歌手だなあ』くらいの興味しかありませんでした。
歌の世界では『待つわ』にしても 三木聖子・石川ひとみが歌った『待ちぶせ』にしてもオンナの方が待っているイメージが強く、演歌ではさらに“ 男が船で女は港” 的な歌詞が多いけれど、1982年ちょうど僕は、旅先でのデートの待ち合わせで6時間待たされた苦い経験があり(当時は携帯電話もなく知らない土地での待ち合わせではただ待つしかなかった)、だいたいその頃の僕は(今でもそうだけど)、いつも待たされるのはオトコの方だと思っていたので、オンナから『待つわ』などと言われても『ケッ』と思ってしまうひねくれ者でした。
文学界きってのモテ男だった、吉行淳之介はエッセイの中で待ち合わせの心得として『25分待ってタバコを一服し、それでも相手が現われなければ立ち去る、そうしなければオトコとしての面目が立たない』という旨を書いていて、吉行淳之介といえどもやはりオンナには度々待たされていたんだなあと少し安心します。
まあ、オンナの方は出かける時に、服や靴を選んだり髪を整えたり化粧をしたり爪を塗ったり首輪耳輪腕輪指輪足輪などを装着したりで、オトコと違って手間がかるんだなあ、と最近は多少は解っては来たけれど、当時はそういうところまで思いをはせるゆとりがなかったのだと思います。(つづく)
それはもしかして胆のうや膵臓(すいぞう)の症状ではありませんか?
みぞおちあたりの痛みや不快感は誰もが一度は経験したことのある症状だと思います。
そんな時、皆さんはどこが悪いと考えますか?
「胃の調子が悪い」と考える方が大多数だと思いますが、本当のところはどうなのでしょうか? 病院で胃カメラ検査を受けた結果、胃炎や胃潰瘍など目に見える(この場合は胃カメラで見える)病気が見つかる人もいます。
一方見た目に何も異常がない場合は、胃腸運動の機能的なアンバランスからくる「機能性胃腸症」(いわゆる神経性胃炎)という診断名になることが多くなります。
しかしみぞおちの症状の場合、ここで超音波検査(エコー)を追加して行うと胆のうや膵臓などに異常が見つかる人もいます。
そしてそのような方たちの中には「自分は胃が弱いから」と長年思いこんでいた方が意外に多いのです。 人間の体の中で胆のうは胃よりも右側、膵臓は胃よりも背中側にありますが、近接していて同じような場所に症状がでるために上記のようなことがおこります。
胃の病気の方が世間一般にはなじみが深いため、病院に行って胃カメラ検査だけを受けて「どこも異常ないですよ」と言われ、なんとなくすっきりしないままうやむやになってしまうことが多いのが実情です。 胆のう癌、膵臓癌は癌の中でも特に予後不良でいずれも近年増加傾向にあり、早期発見は大変重要です。
また胆石症や膵炎も重症例では生命の危険があるだけでなく、癌を合併する危険性が高まる疾患のため軽視は禁物です。
これらは胆のうや膵臓の代表的疾患であり他にも様々な疾患があります。 診断は超音波検査と血液検査を組み合わせて行い、異常が見つかればさらにCT・MRI検査なども行われます。
必要に応じて精密検査として超音波内視鏡やERCPと呼ばれる特殊な内視鏡検査を行ったり、同時に内視鏡的に治療まで行う場合もあります。
このように、みぞおちに症状がある場合は必ず専門医を受診して胃カメラと超音波検査の両方を受けることが大切です。
目の周りの劣化を防ぐために!
患者さんから、次のような質問を、度々されます。
①目の周りの皮膚がカサカサなので市販軟こうを塗っていますが、いいですか?
②顔用の軟こうを塗っても目の周りが真っ赤になりますが、続けて使っていいですか?
③疲れ目なので目の周りのつぼを押していますが、いいですか?
④目の周りがたるんできたので一生懸命アイクリームを塗ってマッサージしていますが、効果はありますか?
⑤眼球をグルグル動かして疲れを取る体操をしていますが、いいですか?
いずれの答えも「NO!」です。
①②→目の周りの皮膚は身体中で1番薄い皮膚です。普通ならばゴシゴシ洗う必要のない部位なのですが、最近は、落ちづらいアイメイクを落とすためにクレンジング剤を使用してコットンなどで強く拭き取ってしまうので、細かな傷がつき、その傷から感染し、皮膚炎になっている方もいます。
まつげのエクステや、つけまつげの接着剤、マスカラやアイラインによる皮膚炎も増加してきています。このような時は、原因と思われる製品の使用をやめて、眼科の抗菌点眼や抗菌軟こうで治療すると治ることが多いです。
③④⑤→目の皮膚の下には目の開閉を行う眼輪筋という薄い筋肉がありますが、「つぼ押し」や「マッサージ」などで強い力が加わると、筋肉が伸びてしまい、かえってまぶたがたれ下がったり、皮膚の弾力線維が壊されて目の周りのしわが増えたりすることになります。
「マッサージ」をすればするほど、目の周りの筋肉は劣化し目の周りはたれてくると思って下さい。むやみに「グルグル目を動かす体操」をすると、網膜に穴が開きやすい薄くなっている所があった人にとっては、穴が開くきっかけになる場合もあります。
このように、目の周りをいつまでも美しく保ちたいならば目の周りはそっと洗い、マッサージなどしない、自己判断の軟こうはつけない、むやみに眼球運動をしないこと!です。
もし、目の周りの皮膚炎や、見え方の変化など、目に関係する何かが起きた場合には、たとえ皮膚症状であっても自己流の治療をしないで、必ず眼科を受診して下さい。
メガネがくもるのでコンタクトにしたい
コロナ禍でマスクが日常的になり、メガネがくもり不便な為CL(コンタクトレンズ)を希望する方が来院されます。直接、角膜にのせるCLは感染やトラブルに注意が必要で、それらを避ける為に気をつけてほしいことをいくつか上げます。
【CLを扱う前に石鹸(せっけん)をつけて手を洗う】
今や手洗いは習慣だと思いますが、石鹸を使ってしっかりと行います。洗った後は手に残っている水分を十分ふき取ってからCLを扱うようにして下さい。
【こすり洗いを必ず行う】
2週間交換CLの一般的なケア(MPS使用)では、CLのこすり洗いを必ず行います。液につけておくだけでは汚れは落ちません。
【レンズケースも清潔にする】
レンズケースが汚れているとCLの汚染原因に繋がります。レンズケースは流水で洗った後、しっかりと自然乾燥させてから使用して下さい。汚れやトラブルが原因でCLの見え方がくもっては意味がなくなります。
※ハードおよびソフトCLともにこのアドバイスは適用されます。
インフルエンザ、重症化を防ぐために
インフルエンザはワクチンで予防する事が大切ですが、罹患しても適切な時期に診断され治療を開始すれば早期に治癒する病気となりました。
しかし中には脳炎や肺炎など重症化するケースがあるのも事実です。
最近の研究でインフルエンザの重症化を防ぐ物として色々な方法が徐々に見いだされてきました。
ご存じの通りワクチンはインフルエンザにかからないことを保証する物ではなく重症化を防ぐ物として接種しています。
現在日本では鶏卵を使用してワクチンを製造していますが、ここに一つワクチンの効果が落ちる理由が隠されています。
この対策として鶏卵を使わない新しい方法でワクチンを製造する方法が数年の間に始まる事になっています。
さて実際インフルエンザに罹患してしまった場合、抗インフルエンザ薬を処方して貰うと思います。
薬を飲めば数日の間に解熱し快復に向かいますが、実は抗インフルエンザ薬を使用すると獲得免疫が非常に出来にくくなると言われています。
ところがクラリスロマイシンという抗生物質を一緒に内服すると抗体産生に強い味方となる事が分かってきました。
抗生物質としての効能以外の効果です。
インフルエンザは形が変わりやすいとは言え抗体が出来るメリットの方が大きいので最近はインフルエンザ薬と一緒に処方されることが増えてきています。
また既存の高脂血症治療薬の一部に脳症や脳炎の予防効果が見つかったり、栄養ドリンクに配合されているDADA(ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン)がウイルス量を減少させる可能性があることが実験で分かってきています。
実際にはその効果がまだ人で確かめられたわけではなく実験段階ですが、今後インフルエンザの治療において重要な役割を果たす可能性があります。
インフルエンザに罹患してしまったら薬だけでは無く食事を取ることが非常に重要です。
水分だけでは重症化を防ぐことが出来ませんので解熱剤をうまく使用しましょう。
セラミックについて
芸能人やモデルのようにさわやかで清潔感と印象を良くする白い歯にあこがれる人は多いと思います。
今回はセラミック治療についてお話します。
セラミック治療のセラミック(陶材)とは詰め物やかぶせものに使われる歯科材料の名前です。
セラミックには金属が含まれていないので、光の透過性が天然の歯とほとんど変わらず人工の歯という違和感がありません。
セラミック治療には色々な種類があります。
- 歯を全体的に削りその上にセラミックをかぶせることで、歯並びや、かみ合わせと見た目を美しく変える方法
- 歯の一部にセラミックを詰める方法で虫歯治療後などの金属の詰め物が気になる方や、虫歯治療をした部分を詰める場合に用いる方法
- 歯の表面を一層削ってセラミックをはりつけて白くする方法
などです。
また金属アレルギーの方にも向いています。
アトピーや皮膚アレルギーには歯科で使用する金属が影響している可能性もあると考えられます。
その対策としてすでに入っている金属をはずしてセラミックに変える方法があります。
このことからセラミック治療は見た目をきれいにするだけでなく「お口の中を健康にする」ことも目的としています。
保険の治療では奥歯は銀歯、前歯は銀歯にプラスチックを張り合わせた冠になっています。
プラスチックは入れたとき最初は白いですが、プラスチックのため細菌が繁殖したり、お茶・コーヒーなどの色素でだんだんと色が黄ばんできたり、割れてしまうことがあります。
セラミック治療は保険外治療のため保険治療のプラスチックより数倍料金がかかるので、料金をとるか美しさをとるか悩みどころであると思います。
一度歯科医院にて相談を受けてみてから選択することをお勧めします。
風邪の季節になりました
風邪は、鼻やのど・気管支などの粘膜の炎症の総称です。
高齢者や、糖尿病・がんなどの病気を持っている人は細菌感染が原因となる確率が高くなるといわれていますが、一般的にはウイルス感染が原因です。
風邪の原因となるウイルスは何百種類もあり、インフルエンザなど一部を除いては、予防や治療をすることは出来ません。
細菌感染が原因の場合は抗生物質で効果がありますが、ほとんどの場合はウイルス感染が原因であるため、風邪の初期には抗生物質を飲んでも効果は期待できません。
現在、風邪薬として市販されていたり病院で処方したりする薬は、風邪そのものを治療するのではなく風邪の症状を和らげる薬で、本当の意味で風邪を治すのは自分自身です。
私達の体はウイルスが体の中に侵入すると、いろいろな手段を使って排除しようとします。
鼻や喉から侵入したウイルスを排除するために鼻水や、咳や痰(たん)が出たりします。
ウイルスを攻撃する白血球やリンパ球は温度が高い方が活発に活動するため、活動しやすいように体温を上昇させます。
逆に、インフルエンザも含め、風邪のウイルスは温度があまり高いところでは増えにくいということがわかっています。
熱が出るのは、体温を上昇させて効率よく免疫細胞を働かせ、ウイルスの増殖を抑えるという効果があるのです。
ですから、熱が出たからといってあわてて解熱剤を飲んで体温を下げると、逆にウイルスを増やしてしまい、風邪の治りを遅くしてしまう場合があります。
ウイルスとの戦いにエネルギーを消費するため、だるさが出たり、消化の働きがわるくなるため、食欲が落ちたりもします。
そんなときには無理をせず、水分補給だけにするか、消化のよいものを摂った方がよいでしょう。
風邪のひき始めは暖かくして、しっかり休養をとることが大事です。
薬はあくまでも症状を和らげることが目的ですから、薬を飲んでいるからと安心して無理をすると、逆効果になってしまいます。
早寝早起き朝ごはん テレビ・ビデオ・ゲームを止めて外遊び
コンビニエンスストアの普及やゲームセンターの深夜営業に影響されて、乳幼児でも夜遅くに大人に付き合わされてこのような場所で見かけるようになりました。大人が子どもの生活と大人の生活がしっかり違うのだという理解が足りないためか、子どもの生活を乱しています。こんな状況を危惧して、平成十八年度から文部科学省が中心となって「早寝早起き朝ごはん」運動が始まりました。
家庭内でも、勉強ばかりではなく、ゲームをしたりテレビを見たりのために、睡眠時間を削って生活している児童生徒は少なくありません。朝の時間が少ない、あるいは親が朝ごはんを食べないので子どもにも食べさせないという親も増えてきているようです。
人間の体は何もしなければ二十五時間のサイクルで動きます。朝に早く起きて、しっかりと朝日を浴びると体内時計がリセットされて「さぁこれから活動しよう」という体になります。この状態で朝ごはんをしっかり食べると、脳の活動に必要なブドウ糖が供給され、学校で習うことがしっかりと頭に入るようになります。学校から帰ってきてゲームを止めて外でしっかり遊ぶことで体が作られます。時間を工夫して夕ご飯を食べて夜九時までに寝るようにすると、成長ホルモンがしっかり出て背が伸び、体の余計な脂肪を消費して筋肉に変える準備をします。
このように生活リズムをしっかりして、学校生活を送るようになると塾に行くなどをしなくても学力が上昇することが多くの小中学校で証明されています。子どもの持っている力は無限ですが、大人の都合で子どもの本来の姿、「早寝早起き朝ごはん」を邪魔すると、せっかくの力を無駄に消費してしまいます。
最近、青年の殺人事件が新聞を賑わせています。その子どもたちに共通する事柄はゲームにはまっていたり、テレビやビデオが持つバーチャルな世界と現実との区別がうまくついていない事とも言われています。子どもたちの間にあるコミュニケーション力の問題もこういったことが一因になっているとも考えられています。子どもたちの未来のために、早寝早起き朝ごはんとノーテレビをぜひ実践してください。
コンピュータグラフィックスと矯正歯科
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)は、一般的には生活の質とも訳され、患者の日常生活をどれだけ苦痛の少ないものにするかという意味で用いられております。
医学、歯学の発達により、治療目標が向上し、ただ単に治すだけではなく、治療の手順、治療後の治り方まで考えておくことが当然となってきつつあります。開腹手術を行わないで、内視鏡手術が好まれるのも良い例と考えられますが、逆に、より高度な医療技術が要求されてしまいます。
口唇顎口蓋裂(こうしんがくこうがいれつ)の治療、手術においても、30年前は、生まれた直後にぬいあわせて、矯正歯科治療も適用されていませんでしたが、現在では形成外科が担当し、形成外科医でもその得意分野としている医師のみが担当、矯正歯科治療も健康保険が適用され15年ほど経過してきました。
また生まれた直後から、手術でよりよい結果を得るために、PNAMと呼ぶ、鼻の形や顎の形を矯正する目的の装置を入れるようになりました。その装置を作る際に用いられる模型もCT撮影を行い、その得られたデータから、立体模型をコンピュータグラフィックスにより構築します。さらに光造形法を用いて実体口腔(こうくう)内モデルを作製し、PNAM装置を作る方法を試み、一部実用化しております。今までは、歯科で使われる印象剤を用いて、生まれたばかりの赤ちゃんを、泣かせながら口の型をとる際に、危険性がありましたが、非常に安全なものとなりました。この方法は公立はこだて未来大学や、北海道立工業技術センターの指導により実現したもので、日本においても最先端医療方法です。
函館には、医・歯学部を持つ総合大学がなく、組織同士の連携が取りづらいと思われがちですが、このように形成外科医、言語治療士、IT技術者、矯正歯科医など他分野の担当者同士が非常に密に連携を取り合うことで、考えたことがすぐに実現できる環境がここにはあります。また、北海道工業技術センターとの間で、このことに関して共同研究として取りあげていただいております。この方法を用いることにより、鼻の形態や、鼻中隔(びちゅうかく)の曲がり具合が良く分かるようになって、更なる治療法の可能性が考えられるようになり、患者さんや術者にとって、利益の多い、この分野では日本でも有数な治療を可能としております。









