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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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加齢黄斑変性治療の現況

Text by 江口眼科病院 森 文彦
加齢黄斑変性は欧米で多い疾患でしたが、わが国でも増加し、現在視覚障害の原因の第4位です。眼に入った光の情報は角膜、水晶体、硝子体を通って網膜に像を結びます。網膜の中心にある黄斑は視覚をつかさどる重要な細胞が集中し、ものの形や大きさ、色などを識別しています。加齢黄斑変性はここに新生血管が生じ、視機能が低下します。これまで治療法はありませんでしたが、2005年から光線力学的療法(PDT)が始まりました。これは薬剤を静脈注射し、黄斑にレーザーを照射することで薬剤が反応し、新生血管だけを退縮させる治療です。08年からは血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑える薬を眼に注射し、新生血管を抑制する抗VEGF療法が行われています。これはPDTよりも視機能の改善の効果があり、現在治療の中心となっています。薬剤が高価であることや再発に対して繰り返し投与しなければならないことが今後の課題です。12年に人工多能性幹(iPS)細胞の研究がノーベル賞を受賞しました。14年にそれを臨床応用し、自分のiPS細胞から作られた網膜細胞の移植が1例行われ、悪性化や拒絶反応はなく、術前矯正0・1程度の視力が維持されているとのことです。昨年には他人のiPS細胞から作られた網膜細胞の移植が5例行われました。これも安全性を確認する臨床研究ですが、そのうち1例で合併症を認めました。今後、この治療のさらなる開発、改善が期待されますが、視機能の改善が認められ、広く行われるようになるまでにはまだ時間がかかると思われます。現況としては早期から現在の抗VEGF療法を開始し継続することが望ましいでしょう。
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医療レーザー脱毛

レーザー脱毛はレーザー(ダイオードレーザー、アレキサンドライトレーザー、Nd:YAGレーザー)を当てると、メラニン色素を多く持っている毛はレーザーエネルギーを吸収し熱を発生し、その熱で毛包の幹細胞(毛を造る工場)が破壊され毛が生えなくなる原理です。できるだけ効率よく毛包幹細胞を破壊すると同時に毛の周囲組織が損傷されないようにすることが重要です。そのためには強力なエネルギーを非常に短時間(1/1000秒程度)に照射しながら痛みを軽減するために皮膚表面を冷却しながら行います。医療レーザー脱毛は毛が白くなければ必ず毛は減っていきます。しかし、永久でも完全でもありません。その理由はshocklossといってストレスのため、また、ホルモンの関係で長期間毛が生えなくなる方がいらっしゃるためです。痛みを軽減するために接触型の冷却装置や冷却ガス噴霧装置の皮膚表面冷却を同時に行い、わきの場合は5~10分程度の施術時間です。
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寒くなると涙目? 乾き目?

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
冬場は空気が乾燥してきますが、それに加え暖房を入れるとなおさら室内の空気が乾燥してきます。そうすると目が乾く、ショボショボするという患者さんが急に増えてきます。乾き目=ドライアイの患者さんには2種類あります。涙が根本的に少ないタイプと、涙の量は正常なのに乾き目になってしまうタイプです。前者はシェーグレン症候群と呼ばれ、涙の他に唾液も少なくなって口も渇く病気です。後者は結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)といって白目の表面の皮=結膜がだぶついたり、瞼の縁にある脂肪の分泌腺から脂肪が出て来にくくなってしまうことによって、涙が目の表面で安定しなくなり蒸発しやすくなってしまうという病気です。ドライアイの治療には、点眼薬治療と、手術療法があります。涙は油層・涙液層・ムチン層の3つの層から成り立っています。そのため、点眼薬としては、涙を安定させる働きのヒアルロン酸や、涙とほぼ同じ成分の水分を補給する人工涙液、ムチンの分泌促進の点眼薬があります。手術療法としては、目頭にある涙の下水の入り口=涙点(るいてん)にプラグという詰め物をして少しでも涙が目にたまるようにしたり、だぶついた結膜を引っ張って伸ばして縫い付ける手術をします。EYESCURE®(アイズキュアー)というドライアイ用のメガネも有効です。スキーのゴーグルのようにレンズ・フレームと顔の隙間を埋めるパッドがあり涙の蒸発を防いでくれます。また、加湿器の役目をする水タンクが付いてタンクから蒸発した水蒸気が目を潤してくれます。ドライアイにはいろいろな原因がありますので、その原因によって使う目薬も治療法も変わってきます。乾き目を感じた時には、どのような治療方法が自分に適しているのかを、まず専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
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まぶたの劣化は老化のバロメーター

Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子
マスク時代の今、第一印象は「目」で決まりますから、まぶたの劣化で老けた印象になってしまいます。以下の①~④がまぶたの劣化の主なものになります。上まぶたには、目を開く役割があり、持ち上げる腱膜や筋肉が伸びてしまうと①眼瞼下垂になり目が開き切らない状態になる。②上まぶたの(痩せ)くぼみは、目の周りのハリを保つ皮下脂肪・コラーゲン・エラスチンの減少と筋肉の衰えによるもので、三重や四重にもなることもある。③下まぶたの目袋のむくみ・たるみは眼輪筋を下がらないように押さえているスジのような「リガメント」が緩むことにより、緩んだ分だけ下に外にたるみが大きくなり、まるで雪崩の様に、どんどん目袋は膨らみ下にたれる。④目の下のプヨプヨは眼球を保護するクッションの役割をするための脂肪の塊が前側に出てきてしまったことにより、元には戻らない。①~④の症状は、もちろん加齢が原因なのですが、特に若い頃から美容に関心があり、目の周りもグリグリとマッサージなどを習慣的に行ってきた方に多くみられます。一生懸命お手入れすることが、かえって劣化の原因になってしまうなんて悲しいですが、顔は必要以上に触らないことです!顔の表情筋は幅広の平ゴムと思って下さい。パッティングやマッサージで伸びきったゴムは縮むことができなくなる➡皮膚を持ち上げることができなくなる➡たるんで下がりブルドッグ顔になる、という結果になってしまいます。特に目の周りの皮膚は全身で一番薄い皮膚です。目の周りのマッサージを続けていると、瞼の皮膚も伸びきって目が開きづらく①眼瞼下垂になり視界を邪魔する場合は手術が必要になることもあり眼科にご相談ください。②③④対策で劣化をなるべく遅らせるには、マッサージの習慣をやめましょう!
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目の周りの劣化を防ぐために!

Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子
患者さんから、次のような質問を、度々されます。①目の周りの皮膚がカサカサなので市販軟こうを塗っていますが、いいですか?②顔用の軟こうを塗っても目の周りが真っ赤になりますが、続けて使っていいですか?③疲れ目なので目の周りのつぼを押していますが、いいですか?④目の周りがたるんできたので一生懸命アイクリームを塗ってマッサージしていますが、効果はありますか?⑤眼球をグルグル動かして疲れを取る体操をしていますが、いいですか?いずれの答えも「NO!」です。①②→目の周りの皮膚は身体中で1番薄い皮膚です。普通ならばゴシゴシ洗う必要のない部位なのですが、最近は、落ちづらいアイメイクを落とすためにクレンジング剤を使用してコットンなどで強く拭き取ってしまうので、細かな傷がつき、その傷から感染し、皮膚炎になっている方もいます。まつげのエクステや、つけまつげの接着剤、マスカラやアイラインによる皮膚炎も増加してきています。このような時は、原因と思われる製品の使用をやめて、眼科の抗菌点眼や抗菌軟こうで治療すると治ることが多いです。③④⑤→目の皮膚の下には目の開閉を行う眼輪筋という薄い筋肉がありますが、「つぼ押し」や「マッサージ」などで強い力が加わると、筋肉が伸びてしまい、かえってまぶたがたれ下がったり、皮膚の弾力線維が壊されて目の周りのしわが増えたりすることになります。「マッサージ」をすればするほど、目の周りの筋肉は劣化し目の周りはたれてくると思って下さい。むやみに「グルグル目を動かす体操」をすると、網膜に穴が開きやすい薄くなっている所があった人にとっては、穴が開くきっかけになる場合もあります。このように、目の周りをいつまでも美しく保ちたいならば目の周りはそっと洗い、マッサージなどしない、自己判断の軟こうはつけない、むやみに眼球運動をしないこと!です。もし、目の周りの皮膚炎や、見え方の変化など、目に関係する何かが起きた場合には、たとえ皮膚症状であっても自己流の治療をしないで、必ず眼科を受診して下さい。
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