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コラムを読む

「赤ら顔」は体質?(2026年6月 ハコラク掲載)

眼科2026/05/22

「昔から顔が赤くなりやすい」「お酒を飲んでいないのに赤い」と悩まれている方は意外と多いものです 。単なる「赤面症」や「体質」ではなく、慢性的に続く状態です 。その正体は一つではないので、正しい診断が必要です 。

主な原因として、①酒さ(しゅさ):中年以降の女性の顔に多く見られ、鼻や頬の毛細血管が拡張し、皮膚の表面から透けて見える 。②酒さ様皮膚炎:ステロイド軟膏の長期使用などで、特に皮膚が薄い目元・口周りに赤みや激しいかゆみが出て急激に悪化する場合がある 。③脂漏性皮膚炎:皮脂分泌が多い頭皮・眉間・耳などに起きやすく、常在するカビの繁殖などで発症し、フケ状の皮むけを伴う場合もある 。④アトピー性皮膚炎:身体のほかにも頬・首など幼少期からアレルギー体質以外のさまざまな要因により発症し、強いかゆみと赤み・乾燥を伴う 。⑤ニキビ:10代〜大人まで見られ、額・頬 あごなど皮脂の過剰分泌や毛穴のつまり、アクネ菌の増殖により発症し、赤みを伴うブツブツや膿疱ができる。

気を付けるべきほかの要因として、ストレス・ホルモンバランスの乱れ、紫外線や急な温度変化、刺激物の摂取、便秘などがあり、食生活や日々のスキンケアの見直しも重要です。

保険診療での外用薬(塗り薬や保湿剤)や抗菌薬内服などのさまざまな治療で炎症が落ち着いても残ってしまった「血管の開き」には美容医療(自費治療)が効果的なことがあります。

美容医療の一つとして、高性能肌診断機により、肌の奥の血管の増殖(炎症による) を見極め、内服やスキンケアを組み合わせて肌の土台を整えつつ、広がった血管にはレーザーで不要な血管を収縮させ、赤みを改善させる治療があります 。ただ、やみくもに強いレーザー照射は炎症と赤みを悪化させるので医師による適切な照射で肌色を安定させることが大切です。気になっている方は、専門医や専門科にご相談ください。


Text by 藤岡眼科 副院長 藤岡 聖子( 2026年6月 「ハコラク」掲載)

気づかぬうちに進行する緑内障(2026年 函館メディカルガイド掲載)

眼科2026/05/22

緑内障は眼の奥にある視神経が徐々に障害され、視野が欠けていく進行性の病気です。日本における失明原因の第一位であり、40歳以上の約20人に1人が緑内障といわれています。

最も注意すべき点は、初期には自覚症状がほとんどないことです。視野の欠損は周辺部からゆっくりと始まり、もう一方の目が見え方を補うため、日常生活では気付きにくいのです。自覚症状が出た時には、すでに視野欠損が進行しているケースも少なくありません。

緑内障は眼圧が高い人がかかると思われていますが、日本人の場合は眼圧が正常範囲内でも緑内障を発症する「正常眼圧緑内障」が多いので、眼痛・かすみ目・頭痛などを伴わず、気付かれないことが多いです。

一度失われた視野は、残念ながら現在の医療では元に戻すことができません。しかし、早期発見・早期治療により、進行を抑えることは可能です。そのため、自覚症状がなくても定期的な眼科検診を受けることが極めて重要
なのです。

治療は点眼薬による眼圧コントロールが基本となります。毎日の点眼で眼圧を下げ、目の奥につながる視神経へのダメージを軽減します。症状に応じてレーザー治療や手術を検討することもあります。

緑内障と聞くと見えなくなってしまう病気というイメージがあり
ますが、早期発見、定期検査、治療の継続をすることによって、自覚症状のないまま過ごせることも多いです。40歳を過ぎたら、年に一度は眼科で視野検査や眼圧測定を含む健診を受けましょう。

痛みを伴う検査は一つもないので、大切な視力を守るため早めのチェックを心掛けてください。


Text by 藤岡眼科 医師 深瀬 紗綾( 2026年 「函館メディカルガイド」掲載)

まぶたの病気(2025年 函館メディカルガイド掲載)

眼科2026/05/22

日々の診療で、まぶたの病気の患者さんを診察することがよくあります。1、眼瞼下垂症 2、眼瞼内反症 3、眼瞼腫瘍(良性、悪性) 4、眼瞼痙攣 5、眼瞼皮膚炎、そのほかたくさんの病気があります。

1、眼瞼下垂症は上まぶたが上がりづらくなる病気で、まぶたの皮膚がたるんでいる場合と、まぶたを上げる筋肉が弱って上がらなくなる場合があります。この2つが合併していることもあります。原因は加齢によることが多く、ハードコンタクトレンズの長期装用によることもあります。眼瞼下垂による見づらさがあれば治療の適応になります。治療は手術的に行います。

2、眼瞼内反症は、まぶたの皮膚がクルンと眼球側に内反してまつ毛が眼球に触れて傷になり異物感が出ます。乳幼児期に発症することがあり、成長とともに改善されることもありますが、手術的治療が必要になることもあります。高齢者になってからの発症は症状が強い場合、手術が必要になります。

3、眼瞼腫瘍(できもの)は、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性のものには、いわゆるものもらいといわれる霰粒腫、麦粒腫がありますが、まぶたの腫れ、圧痛があります。治療は眼科医処方の点眼で様子をみますが、切開が必要となる場合があります。悪性腫瘍は基底細胞癌、扁平上皮癌、脂腺癌、悪性黒色腫などがありますが、まぶたの辺縁に腫瘤ができ、良性腫瘍はツルンとしているのに対して腫瘤がいびつで不整な感じです。ものもらいだと思って点眼してもなかなか治らないと思っていたら脂腺癌だった、という例もあります。

4、眼瞼痙攣は、自分の意思とは関係なく不随意にまぶたをギュッと閉じてしまう状態のことで、内服で改善しなければボツリヌス毒素のまぶたへの注射が有効なことが多いです。

5、眼瞼皮膚炎は、まぶたのかゆみや発赤、かさつきの症状があり、原因は空気の乾燥や化粧品、薬剤や植物のアレルギーなどが考えられます。目のまわりの皮膚はとても薄いので目のまわりに使用して良いお薬を塗布するようにしましょう。

以上、まぶたが下がってきた、まつ毛が眼球に触れている、まぶたの腫れ、できもの、かさつきなどがありましたらお近くの眼科をぜひ受診してみて下さい。


Text by 藤岡眼科 理事長・院長 藤岡 達彦( 2025年 「函館メディカルガイド」掲載)

白内障とはどんなものなの?(2024年 函館メディカルガイド掲載)

眼科2026/05/22

一定の年齢(70歳ぐらい)になると、ほとんどの人に白内障が出現してきます。加齢によるものがほとんどですが、そのほか、糖尿病がある場合や近視が強い場合に白内障が強くなりやすい事があります。

白内障とはカメラに例えるとレンズが汚れている状態です。レンズが汚れていれば、写真はきれいに撮れないのと同じで見え方に変化が出ます。白内障の症状は、日常の外来で訴えの多いもので①メガネを装用しても遠くが見づらい②夜の運転で対向車のライトがとてもまぶしい③物がダブって見える④新聞が読みづらい⑤メガネを新しくしてもすぐ合わなくなる、などがあ
ります。

治療法は、点眼薬がありますが、残念ながら白内障を改善させるものではありません。進行を少しでもゆっくりさせる目的で処方します。白内障を改善させるためには、手術しかありません。白内障手術は器械や道具それから眼内レンズの進歩により、かなり安全な手術になっています。昔の白内障手術と大きく変わったところは、切開創がかなり小さくなったことです(小切開手術)。これによって視力が回復するまでの時間が大変短くなり、短期間で社会復帰ができます。

また、小切開手術で術後の感染の心配がかなり軽減されました。眼内レンズ(手術で取り除いた水晶体の代わりになるレンズ)は直径6㎜のレンズを2.5㎜の切開創から挿入できるよう柔らかい材質で特殊な器具で丸めて挿入します。また白内障手術のよいところは、強度の近視や遠視を軽減させることができるので、術後は強い眼鏡は必要なくなります。

このように、かなり安全な手術になってきていますが、主治医の先生と相談して手術をした方が良いのかどうかを決めて下さい!


Text by 藤岡眼科 理事長・院長 藤岡 達彦( 2024年 「函館メディカルガイド」掲載)

『肺炎球菌ワクチンについて』(2026年3月 ハコラク掲載)

内科2026/02/19

 皆さん肺炎球菌はご存知ですか?名前の通り肺炎の原因となる細菌で、特に市中肺炎(日常生活を送る健康な人が発症する肺炎)で最も多い原因菌が肺炎球菌です。肺炎球菌は肺炎のほかに中耳炎や副鼻腔炎の原因、生命を脅かすリスクの高い髄膜炎や敗血症といった侵襲性肺炎球菌感染症を発症することもあります。

 これまで函館市では肺炎リスクの高くなる満65歳(または基礎疾患のある満60〜64歳)の方に対して肺炎球菌ワクチン接種の助成を行っていました。令和8年度から定期接種で使用される肺炎球菌ワクチンが、これまでの「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックス)」から「20価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー20)」へ変更されます。

 ニューモバックスは2006年に発売され、23種類の肺炎球菌に対応しており幅広い型をカバーできる点が特徴です。一方で免疫記憶が形成されにくく、年数がたつと予防効果が弱まるため5年毎の接種が推奨されていました。

 新採用のプレベナー20は名前の通り20種類の肺炎球菌に対応しています。これまでのワクチンより対応する型の数が少ないですが、より重症化しやすい型に対応しており、以前と比べて免疫の記憶が長く残りやすいのが特徴です。25年9月時点では安全性・効果ともに従来のワクチンと同等と報告されています。また接種間隔については免疫の記憶が残りやすいこともあり、26年1月時点では明確な定めはありません。

 使用ワクチンの変更を機に、この4月からワクチン接種の自己負担額は従来の費用から増額される見込みです。詳しくは市のホームページ、または助成対象者に送付される案内をご参照ください。

 肺炎球菌ワクチンだけで全ての肺炎を予防できるわけではありません。日頃の規則正しい生活習慣やマスクなどの感染予防も心掛けましょう。医療の世界は日進月歩で次々と新しいワクチンが登場しています。自身の健康のためにも、かかりつけ医と相談しながら予防接種についてご一考いただければ幸いです。


Text by たからまち総合診療クリニック  院長 玉城 耕平( 2026年3月 「ハコラク」掲載)

『制御性Tリンパ球(Treg)について』(2026年2月 ハコラク掲載)

内科2026/02/03

 2025年のノーベル医学・生理学賞を、大阪大学・坂口志文教授(ほか2人)が受賞されたことは、大変喜ばしいことでした。坂口先生の業績は、人体の免疫応答をつかさどる、抑制性Tリンパ球(Treg)の存在を提唱し、それを証明したことです。

 血液には、赤血球、白血球、血小板があり、白血球は好中球、リンパ球、単核球、好酸球、好塩基球に分類され、病態に応じてその出現が異なります。リンパ球は生体の免疫応答に重要な役割を果たしますが、主にBリンパ球、Tリンパ球、NKリンパ球に分類されます。Bリンパ球は、主に抗原刺激に対して形質細胞を動員し特異的抗体を作り、生体の防御に関与する一方、Tリンパ球は、ヘルパーTリンパ球(免疫を亢進させる働き)、キラーTリンパ球(免疫を抑制する働き、ほぼTregを意味します)があり、病態に応じてバランスよく働きます。マウスの実験でリンパ球が多く存在する胸腺を取り除くと、1型糖尿病や関節リウマチ、多発性硬化症などの自己免疫疾患を発症し、さらには各種のがんを引き起こすことが判明しており、Tリンパ球が免疫に深く関与していることが推測されています(がん細胞はTregを利用して、生体の免疫による攻撃から逃れるように働くので今後、がん治療への応用も期待されます)。

 Tリンパ球の中でもTregは免疫応答のブレーキ役として、過剰な免疫を抑制し免疫のバランスを保ち、先述した自己免疫疾患を防ぐ重要な細胞であることが判明しており、今後の治療への応用が期待されます。

 坂口先生はTリンパ球の特異的分子マーカーであるFoxp3が、Tregの活性化に重要な役割を果たすことを証明し、ノーベル賞の受賞につながりました。

 6年前、マウイ島での日米がん合同会議に参加した際、坂口先生の特別講演を拝聴する機会を得ました。そのころ、まだあまり認知されていなかったTregでしたが、先生の情熱的な講演を聴いて、素晴らしいお仕事だと感心したことを思い出します。

 今後、Tregがますます注目されることが期待されます。


Text by 平田博己内科クリニック  理事長・院長 平田 博己( 2026年2月 「ハコラク」掲載)

『ART(生殖補助医療)の現状』(2025年12月 ハコラク掲載)

産科婦人科2025/12/16

 年々減る出生者数は、函館は元より札幌、北海道、ひいては全国的な問題となっています。ですが、その一方で、お子様をぜひにと望まれるご夫婦も増えており、現在では9人のお産に1人がARTで妊娠が成立した人達です。

 かつてARTは最終的な手段として、自分たちの蓄えから費用を工面して行う医療でした私がARTを始めたのは今から35年前です。当時は北海道でも北大、斗南病院だけが取り組んでおり、道南では当院だけでした。その頃は培養液も既存の培養液を基に化学天秤でカルシウム、マグネシウムなどを計って加えて作っていました。水も自分たちで作った超純水を使用していました。それが今では最良といわれる人の卵管内の環境に最も慣れた培養液を、高価ですが市販で手に入れることができます。培養器もタイムラプスという培養状態が胚一つ一つをTVカメラで継続して映され、私たちはその映像を見て培養を行えるようになりました。卵子と精子を受精させるICSIという方法は倒立顕微鏡が格段に進歩し、卵子の一個一個に確実に精子を注入できるようになりました。培養した胚は液体窒素の中に保存すれば、理論的には半永久的に保存が可能で、その技術もコロンブスの卵のように簡便な方法が開発されています。

 かくのごとく、あらゆる機器、技術が進歩し、25年前では妊娠率が15%であったものが近年では50%を超えるまでになってきました。それに加え3年前からARTが保険診療に認められ、希望すればどの年齢のご夫婦でも可能になりました。また 高額医療の適用により支払う費用も収入により上限が決まり、若いご夫婦でもARTへの道はハードルが低くなりました。

 これらの機会を突破口に、お子様を望まれる多くの人達はARTをもう一度見直し、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。奥様の年齢は1歳でも若い方が、妊娠率が高く流産率が低いという現実も踏まえてお考えになられるべきです。


Text by 秋山ウィメンズ・ARTクリニック 院長 秋山 實男( 2025年12月 「ハコラク」掲載)

『肌育とは?』正しい肌育の意味(2025年12月 ハコラク掲載)

眼科2025/12/09

 最近は「肌育」という言葉をレーザー治療とは別物の治療法として宣伝している施設が多いようで、注入治療(機械や針付きのローラーによる美容成分の注射・手打ちによるヒアルロン酸などの注射)などの宣伝をしています。しかし本来の肌育治療とは、お顔の形を変えるのではなく、肌そのものを良くする・肌質を良くすることであり、いろいろなお悩みに対応する治療法全般のことを意味します。肌の不調を感じる、肌の老化を感じる、毛穴の開きやクレーターが気になる、弾力、ハリ・ツヤがほしい、レーザー治療の効果をより高めたい・長持ちさせたい、自然な変化を好む、今後の加齢現象に備えたいという方にお薦めです。

 なぜ「肌育治療」が必要か?加齢が進むにつれ、肌はさまざまなダメージを受け、しみ・シワ・たるみなどの変化が出てきます。従来の美容医療では、しみ取り・ボトックス注射・ヒアルロン酸注射といった一時的に改善させる方法が中心でした。ところが肌育治療では、加齢によって減ってしまった肌の土台となる成分のヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンを増やすような治療をして本来の健康的で若々しい肌質に整えるのが目的の治療となります。

 肌育治療の種類は、注射治療→薬剤を直接肌に注入し細胞を活性化させる方法。針先が入る深さにより、しこりや皮下出血が残る場合もあり、医師の熟練度にかかっている。高周波治療→熱刺激で肌の深部まで熱くして細胞を活性化させる方法だが、痛みがあり効果が出るのに長い日数がかかる。ダーマペンなどの針治療→細い針で肌に穴を開けて肌を再生させる方法。かなりの痛みがあり針穴の出血部がかえってシミになってしまう場合もあり、傷が残りやすい方は慎重に選択を。レーザー治療→レーザー光線の照射〝当て方〞次第で、肌のかなり深部に刺激を与えられコラーゲン・エラスチンを増やすことができる。痛みも少なく、出血も無いので手軽で安全な美肌治療。当院でもこのレーザー治療での肌育をお勧めして
おります。

 肌がきれいで清潔感があるだけで、人は美しく見えるものです。無理のない肌育治療で、良い肌質を維持しましょう


Text by 藤岡眼科 副院長 藤岡 聖子( 2025年12月 「ハコラク」掲載)

脳のハザードマップ作り(2025年11月ハコラク掲載)

脳神経外科2025/11/14

皆さん、脳ドックはご存じでしょう。
脳の病気は治すのが難しいので、発病前に見つけようと始まりました。「脳ドック」は、検査の種類を選べることもありますが、脳や脳血管のMRI検査などの画像検査が中心です。脳の病気予防の多くは「生活習慣病」の予防と同じなので、画像検査以外に普通の健康診断のように血液検査や心電図検査なども行うのが一般的です。最近は、認知症対策として、簡単な認知機能検査が加わることもあります。料金は検査内容により変わりますので、何が心配なのかを考えて申し込むといいでしょう。費用に対して、さまざまな補助が受けられることもありますが、基本的に保険診療ではなく、自費になることに注意してください。自覚症状がある場合は、保険診療で脳神経系の診療科を受診してもいいでしょう。

昔、健康診断「体のハザードマップ作り」と呼んだことがあります。検査は万能ではありませんが、体の弱点を見つけ、対策を立てていくことが病気予防につながることを強調しました。脳ドックは「脳のハザードマップ作り」と言えます。

毎年健康診断を受けながら、見つかった異常に対して、何も対策を取らない方がいらっしゃいます。毎回「何か生活改善をしましたか?」と聞くと「何も」という答えが返ってきます。当然、検査結果も変わりません。考え方は人それぞれですが、検査は検査であって、治療ではありません。検査で異常が見つかったら、何か対策を立てなければ、病気予防の役には立ちません。

今年、大雨のため、地下駐車場が水浸しになったニュースがありましたが、その後の報道よると、水の侵入を防ぐ止水板が動かないことは何年も前から分かっていたとのこと。このニュースを聴きながら、健診は真面目に受けるけれど、何も生活改善の努力をしない、その方を思い出しました。せっかく検査を受けたならば、その結果を生かすようにしてほしいと思います。


Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税( 2025年11月 「ハコラク」掲載)

年に1度は健康チェックを(2025年6月ハコラク掲載)

内科2025/06/13

新年度になり約1カ月。雪も融けて白一色だった函館の風景にも新しい生命が芽吹き、花や木々の色彩が戻ってきまし
た。クルーズ客船の入港も増えてきており、西部地区では至る所で外国語を耳にするようになりました。

新年度といえばいろいろな健康チェックの案内が届きます。主に「健康診断(健診)」と「検診」の2種類あり、異なる意味合いを持ちます。「健診」は全身の健康状態を調べるもので、病気の予防や健康増進を目的たしたものになります。「検診」は特定の病気の早期発見をするための検査になります。どちらも重要なものには変わりません。

主な健康診断としては、会社勤めの方であれば会社主導で行われる一般健康診断や、40歳以上の方に届く特定健診があります。年齢で多少変化ありますが、項目は主に①身体計測②胸部レントゲン③心電図、④血液検査(貧血・肝機能・コレステロール)⑤尿検査で構成されています。それぞれの検査項目の意味を理解することが健康を守るために大事です。もし項目や数値について分からないことがあれば、かかりつけ医に遠慮なく相談しましょう。

また、健康診断は毎年受けることをおすすめします。生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)は発症初期や予備軍の段階では自覚症状がほぼないため、健康診断を積極的に受けていないと見逃されてしまうことが多いからです。
毎年受けることで数値の変化を比較することができるため、生活習慣病もしくはほかの病気の早期発見に繋がることがあります。

検診にはがん検診や歯科検診があります。特にがんの初期は無症状で経過することがあるため、早期発見・早期治療するには、定期的な健康診断と併せてがん検診もご利用ください。函館市では年齢によって無料クーポン券も配布しています。
新年度明けは歓送迎会や花見そして大型連休といったイベントが多く、どうしても飲食・飲酒の機会の多い時期になります。5月はそういったイベントも一段落する頃です。この一息つけるタイミングでご自身の健康にも目を向けてみませんか?


Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平( 2025年6月 「ハコラク」掲載)