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『肌育とは?』正しい肌育の意味(2025年12月 ハコラク掲載)

眼科2025/12/09

 最近は「肌育」という言葉をレーザー治療とは別物の治療法として宣伝している施設が多いようで、注入治療(機械や針付きのローラーによる美容成分の注射・手打ちによるヒアルロン酸などの注射)などの宣伝をしています。しかし本来の肌育治療とは、お顔の形を変えるのではなく、肌そのものを良くする・肌質を良くすることであり、いろいろなお悩みに対応する治療法全般のことを意味します。肌の不調を感じる、肌の老化を感じる、毛穴の開きやクレーターが気になる、弾力、ハリ・ツヤがほしい、レーザー治療の効果をより高めたい・長持ちさせたい、自然な変化を好む、今後の加齢現象に備えたいという方にお薦めです。

 なぜ「肌育治療」が必要か?加齢が進むにつれ、肌はさまざまなダメージを受け、しみ・シワ・たるみなどの変化が出てきます。従来の美容医療では、しみ取り・ボトックス注射・ヒアルロン酸注射といった一時的に改善させる方法が中心でした。ところが肌育治療では、加齢によって減ってしまった肌の土台となる成分のヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンを増やすような治療をして本来の健康的で若々しい肌質に整えるのが目的の治療となります。

 肌育治療の種類は、注射治療→薬剤を直接肌に注入し細胞を活性化させる方法。針先が入る深さにより、しこりや皮下出血が残る場合もあり、医師の熟練度にかかっている。高周波治療→熱刺激で肌の深部まで熱くして細胞を活性化させる方法だが、痛みがあり効果が出るのに長い日数がかかる。ダーマペンなどの針治療→細い針で肌に穴を開けて肌を再生させる方法。かなりの痛みがあり針穴の出血部がかえってシミになってしまう場合もあり、傷が残りやすい方は慎重に選択を。レーザー治療→レーザー光線の照射〝当て方〞次第で、肌のかなり深部に刺激を与えられコラーゲン・エラスチンを増やすことができる。痛みも少なく、出血も無いので手軽で安全な美肌治療。当院でもこのレーザー治療での肌育をお勧めして
おります。

 肌がきれいで清潔感があるだけで、人は美しく見えるものです。無理のない肌育治療で、良い肌質を維持しましょう


Text by 藤岡眼科 副院長 藤岡 聖子( 2025年12月 「ハコラク」掲載)

脳のハザードマップ作り(2025年11月ハコラク掲載)

脳神経外科2025/11/14

皆さん、脳ドックはご存じでしょう。
脳の病気は治すのが難しいので、発病前に見つけようと始まりました。「脳ドック」は、検査の種類を選べることもありますが、脳や脳血管のMRI検査などの画像検査が中心です。脳の病気予防の多くは「生活習慣病」の予防と同じなので、画像検査以外に普通の健康診断のように血液検査や心電図検査なども行うのが一般的です。最近は、認知症対策として、簡単な認知機能検査が加わることもあります。料金は検査内容により変わりますので、何が心配なのかを考えて申し込むといいでしょう。費用に対して、さまざまな補助が受けられることもありますが、基本的に保険診療ではなく、自費になることに注意してください。自覚症状がある場合は、保険診療で脳神経系の診療科を受診してもいいでしょう。

昔、健康診断「体のハザードマップ作り」と呼んだことがあります。検査は万能ではありませんが、体の弱点を見つけ、対策を立てていくことが病気予防につながることを強調しました。脳ドックは「脳のハザードマップ作り」と言えます。

毎年健康診断を受けながら、見つかった異常に対して、何も対策を取らない方がいらっしゃいます。毎回「何か生活改善をしましたか?」と聞くと「何も」という答えが返ってきます。当然、検査結果も変わりません。考え方は人それぞれですが、検査は検査であって、治療ではありません。検査で異常が見つかったら、何か対策を立てなければ、病気予防の役には立ちません。

今年、大雨のため、地下駐車場が水浸しになったニュースがありましたが、その後の報道よると、水の侵入を防ぐ止水板が動かないことは何年も前から分かっていたとのこと。このニュースを聴きながら、健診は真面目に受けるけれど、何も生活改善の努力をしない、その方を思い出しました。せっかく検査を受けたならば、その結果を生かすようにしてほしいと思います。


Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税( 2025年11月 「ハコラク」掲載)

年に1度は健康チェックを(2025年6月ハコラク掲載)

内科2025/06/13

新年度になり約1カ月。雪も融けて白一色だった函館の風景にも新しい生命が芽吹き、花や木々の色彩が戻ってきまし
た。クルーズ客船の入港も増えてきており、西部地区では至る所で外国語を耳にするようになりました。

新年度といえばいろいろな健康チェックの案内が届きます。主に「健康診断(健診)」と「検診」の2種類あり、異なる意味合いを持ちます。「健診」は全身の健康状態を調べるもので、病気の予防や健康増進を目的たしたものになります。「検診」は特定の病気の早期発見をするための検査になります。どちらも重要なものには変わりません。

主な健康診断としては、会社勤めの方であれば会社主導で行われる一般健康診断や、40歳以上の方に届く特定健診があります。年齢で多少変化ありますが、項目は主に①身体計測②胸部レントゲン③心電図、④血液検査(貧血・肝機能・コレステロール)⑤尿検査で構成されています。それぞれの検査項目の意味を理解することが健康を守るために大事です。もし項目や数値について分からないことがあれば、かかりつけ医に遠慮なく相談しましょう。

また、健康診断は毎年受けることをおすすめします。生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)は発症初期や予備軍の段階では自覚症状がほぼないため、健康診断を積極的に受けていないと見逃されてしまうことが多いからです。
毎年受けることで数値の変化を比較することができるため、生活習慣病もしくはほかの病気の早期発見に繋がることがあります。

検診にはがん検診や歯科検診があります。特にがんの初期は無症状で経過することがあるため、早期発見・早期治療するには、定期的な健康診断と併せてがん検診もご利用ください。函館市では年齢によって無料クーポン券も配布しています。
新年度明けは歓送迎会や花見そして大型連休といったイベントが多く、どうしても飲食・飲酒の機会の多い時期になります。5月はそういったイベントも一段落する頃です。この一息つけるタイミングでご自身の健康にも目を向けてみませんか?


Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平( 2025年6月 「ハコラク」掲載)

今年の感染症の振り返り(2024年12月ハコラク掲載)

内科2024/12/13

新型コロナ5類感染症移行して約1年半。函館市内の観光名所には活気が戻ってきました。大型客船入港や円安の影響もあってか訪日観光客も見かけます。普段の生活でマスク着用する方も少なくなり、新型コロナ流行前の「いつもの日常」が戻ってきた、そんな感じがします。2024年も年末に差し掛かりました。今年の函館の感染症流行を振り返ると大人は新型コロナの流行が主体でした。小児は溶連菌性咽頭炎、咽頭結膜熱、新型コロナなど多数みられましたが、特に手足口病の流行が印象に残っています。

手足口病は3〜5日間の潜伏期間を経て口の粘膜・手のひら・足の甲または裏などに2〜3㎜の水疱性の発疹が現れます。発熱は約3分の1にみられ、一般的には軽症で経過し、発疹も3〜7日程で痂皮(かさぶた)を残さずに消失します。感染予防には手洗い、咳エチケットが有効です。発疹が消えた後も3〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、特に手洗いは重要です。函館では8月〜9月頃に一度流行がみられましたが、函館保健所の報告では10月時点でも警報継続となっています。2回かかってしまったという方もいらっしゃるので、一度かかったとしても注意が必要です。

また、各医療機関でインフルエンザワクチン接種も開始となっています。今年の特徴として鼻にスプレーするタイプのワクチンが国内でも正式に接種できるようになりました。適応は2歳以上19歳未満となっています。函館では接種可能な医療機関が少なく、ワクチンの種類や費用など従来のワクチンと異なる部分があります。接種を考えている方は一度かかりつけ医療機関にご相談ください。

これからインフルエンザ流行時期に入っていきます。23年度の冬は2種類のインフルエンザに加え新型コロナも流行しました。中にはその3つ全てにかかってしまい苦労された方もいらっしゃると思います。今年度の冬がどのようになるかまだまだ予想がつかない状態ですが、手洗い・咳エチケット・必要であればマスク着用など十分な感染対策を行っていきましょう。


Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平( 2024年12月 「ハコラク」掲載)

新型コロナとインフルエンザの動向(2024年4月ハコラク掲載)

内科2024/04/13

2023年5月、新型コロナが季節性インフルエンザと同等の5類感染症に位置付けが変わりました。なかなか会うことのできなかった家族や友人との交流ができるようになり、国内・国外問わず大勢の観光客が多く訪れるようになり、函館に活気が戻ってきたように感じます。
 
さて、新型コロナが5類感染症になって初めての冬がきました。函館では23年7月〜9月にかけて新型コロナの流行(いわゆる第9波)があり、12月頃から感染者数が再度増加し24年2月時点でもその勢いが続いています。一般的な風邪症状(のど・せき・はな)に加えて倦怠感や節々の痛みを伴うことが多く、インフルエンザとよく似ています。感染数は大人の割合が高めですが、子どもは罹患しないというわけではないので注意が必要です。

また、インフルエンザは22年度から増えはじめ、今年度はコロナ禍前に匹敵する勢いとなっています。今年は複数のインフルエンザが相次いで流行していることが特徴で、これまでに少なくとも2種類のA型と、24年2月時点で主流となっているB型の計3種類が確認されています。インフルエンザは種類が異なると再度罹患してしまうことがあります。A型の後にB型に罹患する可能性はもちろん、同じA型でも種類が異なれば罹患する可能性があります。「今年は1度かかったら大丈夫」という訳にはいかないようです。

更に今年は溶連菌性咽頭炎の感染も広がっています。小児の感染が主ですが、その両親にも感染する例が多いです。症状としては「38度以上の発熱」、「のどの痛み」を伴うことが多く、子どもが食事を嫌がるといった声がよく聞かれます。
もし溶連菌性咽頭炎と診断された場合は、処方された抗菌薬をしっかり飲み切ることが重要です。症状がなくなったから途中で止める、といったことがないようにご注意ください。

24年2月時点での流行情報に基づき記事を作成しています。流行状況については市のHPに掲載されているため、気になった方は確認してみてください。もし発熱症状が出た場合は最寄りの医療機関にご相談いただければ幸いです。


Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平( 2024年4月 「ハコラク」掲載)

インフルエンザについて(2023年11月ハコラク掲載)

その他2023/11/13

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中、今年もインフルエンザが流行の兆しをみせています。今後の動静を見守る必要はありますが函館でも例年通り、もしくは例年より早く、流行が始まる可能性があります。

インフルエンザの初期症状は新型コロナと似ており、喉の痛み、鼻汁、くしゃみや咳といった一般的な「かぜ」症状に加え関節痛や筋肉痛、倦怠感や悪寒などの全身症状を呈することが多いです。症状だけでインフルエンザと新型コロナとを鑑別することは困難です。インフルエンザを発症した方の中には肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方もいます。その重症化予防に大きな役割を果たしているのがワクチンになります。

インフルエンザワクチンは接種後2週間後から効果が出始め、約5カ月効果が持続します。ワクチンには二つの効果があり、「発症予防」と先ほども挙げた「重症化予防」があります。「発症予防」についてはある程度の効果は認められていますが、ワクチンを打てば確実に発症を防げるというほどではありません。むしろ「重症化予防」の方が重要で、65歳以上の施設入所中の高齢者を対象にした国内の研究では、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。小児についても同様で、ワクチン接種により重度のインフルエンザのリスクが減少したという報告があります。WHO(世界保健機関)では重症化リスクのある方、または重症化リスクある方への感染予防のため、妊娠中の女性や6ヶ月〜5歳の小児、65歳以上の高齢者、慢性疾患のある方、医療従事者へのワクチン接種を推奨しています。

これから本格的なインフルエンザ流行時期に突入し、新型コロナワクチンの秋冬接種も開始されます。引き続き感染対策と行いつつ、これらワクチンの接種をご検討ください。なお、今回のコラムは2023年9月時点での情報を元に作成しております。情報が更新される可能性があるため、実際に接種する際は一度かかりつけ医にご相談ください。


Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平( 2023年11月 「ハコラク」掲載)

皮膚腫瘍外科

整形外科2023/09/25

皮膚腫瘍外科は皮膚や軟部組織の腫瘍(しこり)を外科的に治療します。この治療を行うのは形成外科、皮膚科、整形外科で、皮膚の広範囲または筋肉などの深部にある腫瘍以外は日帰り手術が可能です。

対象になる皮膚軟部の腫瘍は母斑、血管腫、粉瘤、脂漏性角化症、脂肪腫、眼瞼黄色腫、眼瞼汗管腫、石灰化上皮腫、血管拡張性肉芽種などがあり、手術件数の多い皮膚軟部腫瘍は母斑、脂漏性角化症、粉瘤などです。

母斑は一般的にほくろと言われ、色調は茶色から黒色、平坦なものや盛り上がっているものなど形態は多様です。脂漏性角化症は加齢とともに日光がよく当たる顔面や頚部に生じる茶色から黒色のいぼ状の盛り上がった形態です。粉瘤は皮下にしこりとして現れ、感染を起こすと赤く腫れ上がります。感染が生じる前に切除すると傷痕も小さく、再発の可能性が少なくなります。

皮膚腫瘍外科では頻度は少ないですが、皮膚がん(基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫など)との鑑別が重要です。

一般的に日帰り手術の流れは 初診で診察、診断、血液検査、手術の説明をして、手術日を決めますが、色素疾患である母斑や脂漏性角化症などでは、腫瘍の出現時期、自覚症状、色素の濃淡など視診し必要であればダーモスコープという拡大鏡で診断して切除方法を決めます。

このため母斑など色素性疾患の皮膚腫瘍でレーザーによる切除を希望する方がいらっしゃいますが、レーザーで母斑を蒸散させると、病理診断ができない問題があるため、母斑などの治療では皮膚がんとの鑑別を兼ねた切除することを勧めます。

皮膚や軟部組織腫瘍の手術はほとんどが良性の腫瘍ですが、腫瘍が急激に増大したり、出血やかゆみを繰り返したり、色調に濃淡があり均一でない場合は自己判断せずに受診しましょう。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2023年9月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

片頭痛の新薬

脳神経外科2023/09/25

最近、片頭痛の新しい治療薬がいくつか登場しました。片頭痛の治療薬には、頭痛発作時の頓服と発作の予防薬の2種類がありますが、その両方に新薬が登場しています。

頭痛発作時には、トリプタンというグループの薬が標準的に使われていますが、この薬は使うタイミングが難しく、痛み始めに使うのが良いと言われています。
昔の薬に比べ、よく効きますが、タイミングが悪いと、痛みは止まらず、「この薬は効かない」と判断されたりします。また、使い過ぎると薬のせいで頭痛が強く、しつこくなることもあります(薬物乱用による頭痛は、この薬に限ったことではありません)。

これらの問題に対して、発作時の薬としては、ジタン系薬剤という新しいタイプの薬が登場しました。これは服用するタイミングを選ばないという特徴があり、トリプタン製剤がうまく使えなかった、あるいは効果がなかったという人にお勧めです。

頭痛発作が頻回で長期間続いている人には、予防薬が適用されます。これにも何種類かありましたが、この領域でも新しい薬が出ました。
片頭痛のメカニズムは完全には解明されていませんが、痛みを引き起こしている物質の一つと思われるものをブロックする薬ができました。これは注射薬で、3製品販売されています。月に1回、あるいは3カ月に1回、皮下注射します。慣れれば、自己注射も可能ですので、受診回数も減らせます。

ただし、完全に片頭痛の発作を押さえられるとは限らず、内服薬を減らすことはできても、完全に縁を切るのは難しいことです。また、非常に高価であるという欠点もあります。

どんな薬にも長所や短所がありますが、選択肢が増えることは喜ばしいことです。片頭痛に悩んでおられる方は医療機関でご相談ください。


Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税( 2023年9月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

脂肪肝に潜む危険

内科2023/08/28

脂肪肝とは肝臓の細胞に脂肪がたまった状態を指し、日本人に大変多く約 2000万人が罹患していると推定されています。

その原因として過度の飲酒は昔から知られていましたが、近年は過食や運動不足による脂肪肝が増加しています。 脂肪肝には大きく 2つの問題があります。
1つ目は、脂肪肝にはメタボリック症候群(肥満・糖尿病・高血圧症・脂質異常症の有無などから診断されます)を伴うことが少なくないことです。メタボリック症候群は日本人の死因の上位を占める脳梗塞や心筋梗塞のような予後に直結する動脈硬化性疾患の発症が多くなります。
もう1つは、脂肪肝は長年良性疾患と考えられていましたが、一部は肝の炎症によって肝硬変や肝がんを発症する危険性があり、実際に脂肪肝を基盤とする肝硬変・肝がんは近年増加傾向にあります。

さらに最近の研究ではメタボリック症候群を合併する脂肪肝は肝硬変や肝がんへ進展するリスクが高いことが分かってきました。
2020年に世界各国の肝臓専門医が集まって議論した結果、「代謝異常に関連する脂肪性肝疾患(MAFLD(マフルド))」という新しい疾患概念が提唱されました。
その診断基準では脂肪肝にメタボリック症候群を合併しているかどうかから診断され、飲酒量やB型肝炎・C型肝炎といった ウイルス性肝疾患の有無も問いません。
分かりやすくいうと、大部分が良性である脂肪肝のうちリスクの高い集団を絞りこんで厳密に経過観察し、最終的に予後の改善を図ろうという取り組みです。 その有用性は今後人間ドックや日常診療によって検証されていきますが、消化器・循環器・内分泌代謝といった内科の複数分野にまたがる視点からの健康管理にも役立つものと期待されています。

両者を合併している方は今後特に注意しましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2023年8月21日 「北海道新聞夕刊」掲載)

眼科医は何を診るか

眼科2023/08/28

眼科へ受診すると必ず、台に顎を乗せ、光を浴び目を診察を受けます。その診察中に眼科医が何を診ているかについてお話しします。

目は前眼部と後眼部に大きく分かれます。簡単にいうと目の表面と奥です。前眼部の診察は眼瞼(まぶた)、結膜(白目)、角膜(黒目)、虹彩(黒目の中にある茶目)を診ていきます。
「目が痛い」「目やにが出る」「充血する」「かゆい」「ゴロゴロ」などの原因はこの前眼部にあることがほとんどです。

次に後眼部の診察では、水晶体、硝子体、網膜、視神経を診ていきます。
それぞれ説明すると水晶体は年齢を重ねることでご存知の白内障を引き起こす部位です。また硝子体は目の中のゼリーのようなものです。そして網膜はカメラでいうフィルムにあたり物を見る部位で、最後に視神経は網膜で見た映像を脳に伝えます。
「見えにくい」「かすむ」「視野が欠ける」「何かが飛んで見える」などの症状はこの後眼部に原因があることも多いです。

前眼部は遮るものがないのでいつでも診察が可能ですが、後眼部に関してはそうはいきません。虹彩という茶目が遮り、後眼部は通常だと一部しか観察できません。
そのため後眼部の詳細な観察が必要と判断した場合は、茶目を一時的に開かせる目薬をし、後眼部の観察を詳しく行います。

ここで注意すべきことは、茶目が開いた状態だと目に入ってくる光の量が増し、元に戻るまでまぶしさを感じます。おおよそ5時間ほどで茶目は元通りに戻りますが、その間は少し見えにくくなるので車を運転することは危険です。
後眼部の症状がある方は車以外で受診するか、時間を空けて帰宅することをお勧めします。

今回は診察台での話をしましたが、眼科では他にも素晴らしい最新の検査機器も多々あるので、それらと共に皆さまの目をわれわれの目で診ていきます。


Text by 江口眼科病院 栗山 卓也( 2023年8月21日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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