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より苦痛の少ない胃カメラへ

内科2015/02/23

 私が医師になった30年ほど前の胃カメラは口から入れるタイプ(経口内視鏡)しかなかったので、検査中ゲーゲーするのが当たり前の光景でした。
時代は変わり、近年は鼻から入れる細い内視鏡、いわゆる経鼻内視鏡が広く行われ楽に検査できるようになりました。
口から入れるのが当然と思われていた胃カメラを鼻から入れようと最初に考えた人は誰だったのでしょうか?
経鼻内視鏡が登場する前から耳鼻科ではのどの奥をみる内視鏡(喉頭鏡)、呼吸器内科では気管支をみる内視鏡(気管支鏡)が使われていました。
それらは当時の胃カメラに比べると細いものでしたが、その分長さも短くて機能的な制限も数多くありました。
1983年のある日、耳鼻科医が気管支鏡を使って鼻から食道まで入れて観察したのが経鼻内視鏡の始まりと言われています。
93年には当時最も細く小児の口からも挿入できる胃カメラが発売され、それを大人の鼻から入れて胃の検査に使う医師が現われました。
いよいよ本格的な経鼻内視鏡の始まりでしたが、当初はまだ画質も粗く、レンズを洗浄する機能がないなどまだまだ経口内視鏡には劣る状況でした。
その後の技術革新とともに機器の改良が進み、現在では昔の胃カメラと遜色なく検査できるまでになっています。

 経鼻内視鏡は鼻炎などの病気を持っているとせまくて挿入できなかったり、通過時に痛かったり、検査後に鼻血が出る場合もありますので経鼻内視鏡がすべてに優れているわけではありませんが、最大の利点は挿入時に舌の付け根に触れることなく挿入できるため嘔吐(おうと)反射(ゲーゲーすること)がほとんど起こらないということです。
検査後、患者さんに尋ねると、ほとんどの方が経口内視鏡に比べて検査が楽だったと答えています。
私自身も実際に経鼻内視鏡で検査を受けてみて、「これで胃がんで命を失わずに済むなら我慢できる範囲」の苦痛だと感じました。今後ますます楽にできる方向へと発展していくことでしょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2015年2月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

お酒を飲まなくても起こる脂肪性肝炎 ~NASH~

内科2015/01/19

 最近、食生活の欧米化で急増する脂肪肝、かつてはアルコール(飲酒)が主な原因と考えられていました。
しかし、お酒を飲まない人の脂肪肝から発症する肝炎は「NASH」と呼ばれ、将来、肝硬変、肝がんへ進展する危険性があることが分かってきました。
検診で肝機能障害があっても、腹部エコーで脂肪肝を指摘されても、自覚症状がないため放置するケースが多くあります。
軽度の脂肪がたまっているだけであれば、放置していても肝臓に悪影響はありませんが、重度だと脂肪肝に刺激が加わり、脂肪性肝炎「NASH」となることがあるのです。
NASH予防の原則は、脂肪肝からNASHへの進展を食い止めること。
肥満や脂肪肝と診断されたら、食生活の改善や運動で体重を落とすことが重要です。
3kgの減量で、肝機能の改善が見込まれます。
1~2カ月で1kgを目安にすると良いでしょう。肝臓は「沈黙の臓器」で、再生能力が高いため、自覚症状が出たときは病状が悪化していることが多くあります。
定期的な検査で、脂肪肝を疑われたら、まずは生活改善を心掛け、状態の改善が無ければ精密検査が必要です。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2015年1月19日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

人には聞けない『痔(じ)』の話

内科2014/12/22

 冬の寒さが原因で痔が悪化することが多いこの時期ですが、20歳以上の日本人の10人に1人は痔だといわれています。

 痔であることが恥ずかしい、まだ痛くはない、お尻を見せたくないと病院を受診しないため、早期のうちに治療できずに悪化してしまうことが多いようです。

 痔は男性の方が多いイメージがありますが、実際は女性にも多く見られます。
女性が痔になりやすい要因として、便秘があります。女性は便意を我慢したり、生理前に女性ホルモンの影響で便秘を起こしやすくなること、また、出産時に強くいきむことにより痔を発症したり、悪化させたりする方も多く見られます。
これから痔にならないように、またこれ以上悪化させないポイントが三つあります。

①トイレで3分以上いきまない
 トイレに新聞や雑誌を持ち込んでいる方はいませんか?
必要以上に時間をかけていきんでしまうこと、また、ウォシュレットで肛門を刺激して無理に便を出そうとすること、肛門を洗いすぎることも肛門に負担をかける原因になります。
まとめて便を出してしまおうと頑張りすぎないことが大切です。

②便秘や下痢をおこさない食生活・生活習慣を心掛ける
 いつもより、30分早起きをして朝食をしっかりとることも大切です。
朝、空の胃の中に食べ物が入った瞬間に、前日まで腸の中に溜まっていた便が肛門の近くの直腸に下りてきます。
そして、直腸の壁を便が圧迫することによって脳に便意が生じます。
するとほんの少しのいきみで便を出すことができます。
少し早起きをすることで、学校や職場へ行く前に、自宅で排便する時間の余裕が生まれます。

③ゆっくりお風呂に入る
 簡単にシャワーで済ませず、入浴して肛門付近の血行をよくすることも大切です。
痔の治療には、生活習慣の改善、薬物治療、手術がありますが、まずは生活習慣を改善し、痔となった原因を踏まえて治療していくことが重要です。
しかし、肛門からの出血は痔だけが原因とは限りません。
出血の1割は、大腸ポリープや大腸・直腸がんが原因の場合があります。
出血や肛門の異物感などの自覚症状が続く時は、きちんと検査をしましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2014年12月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

アニキサスをご存知ですか?

内科2014/11/30

 衛生環境がよくなって蟯虫(ぎょうちゅう)や蛔虫(かいちゅう)など、昔はよくいた寄生虫もあまりみられなくなりました。
寄生虫という言葉自体なじみのないものになっていますが、今でも割とよく見る寄生虫がいます。
名前はアニサキス。
聞いたことがあるという人もいるかもしれません。
長さ2cmくらいで半透明の少し太めの糸のような虫で、主に白身の魚や青魚の内蔵にいます。
魚のおなかの中にいるときには渦巻状態になっていることもあって、慣れていないとなかなか見つけにくい寄生虫です。
サバ・サケ・ニシン・ホッケ・タラ・マス・サンマ・スルメイカなどを生で食べた時にアニサキスがついていて、生きたままおなかの中に到達した時に、胃や腸の壁に侵入することがあります。
そうすると、多くの人は大体8時間以内に激しい腹痛が起こります。
じんましんや吐き気などの症状を伴うこともあり、小腸の壁に侵入すると、腸閉塞になることもあります。
人の体の中では育つことはできないので、数日たつと死んで自然に排泄されますが、それまでは症状が続きます。
多くの場合は胃の中にとどまっているので胃カメラで取ることができますが、小腸まで到達して腸閉塞などを起こした場合には入院して治療を受けなければならないこともあります。
予防としては加熱処理が最も効果的ですが、マイナス20度で48時間以上冷凍することでも死滅させることができます。
残念ながら酢や塩では死なないので、しめさばなども注意が必要です。
アニサキスは魚が生きているうちは内蔵の中にいますが魚が死ぬとだんだん身の方に侵入してくるので、刺身で食べるときにはなるべく早くさばいて内蔵を取り出してしまったほうが安全です。
また、白子や卵などについていることもあるので、生のまま塩漬けやしょうゆ漬けにして食べるときには気を付けましょう。
刺身やしめさばなどを食べた後から急激な胃の痛みを感じた時はアニサキスかもしれませんので消化器内科の病院を受診をしてください。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美 院長( 2014年12月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

C型肝炎が、飲み薬で治る可能性があるって本当ですか?

内科2014/11/25

  はい、本当です。
今年の9月より、ダクラタスビル、アスナプレビルという2種類の薬が発売されました。
それぞれC型肝炎ウイルスに直接働き、ウイルスの複製・増殖を阻止する薬剤です。
この2種類を併用し24週飲むことで80~90%(※1)の方がウイルス学的に治癒しているという画期的な薬剤です。
しかしながらC型肝炎の患者さん全員にはまだ使えません。
使用できるのは、ウイルスのタイプがセログループ1(ジェノタイプ1)型で、C型慢性肝炎・C型肝硬変(代償期)の患者さんだけです。
そのなかで対象者は、
①インターフェロン治療ができない人(貧血・血小板減少症・うつ病・高齢など)
②インターフェロン治療を行ったが副作用で治療を中止した人
③インターフェロン治療を行ったけど効果不十分でウイルスが消えなかった人です。
副作用については、使用した患者さんは、インターフェロン治療より非常に楽だったと話されています(風邪症状、頭痛、肝機能異常、発熱等がありますが、インターフェロン治療よりはるかに副作用は少なく弱いものです)。
 
また、87%(※1)の患者さんが治療を中止することなく完遂できています。
ただし、弱点もあります。
治療前のC型肝炎ウイルスに変異があると効果が半減することが分かっています。また、インターフェロン治療と同様に高価な治療であるため、国からの補助があります(ウイルス肝炎インターフェロンフリー治療の申請が通れば、1か月の治療費の総額が1~2万円で収まります)。
また、今後さらに新しい薬の開発も行われており、期待されております。
ただし、現状肝機能障害が進行している患者さんで今回の条件に合わない方は、現在のインターフェロン・リバビリン・シメプレビルの3剤併用療法で90%(※1)近い効果がありますので、やみくもに新薬を待つのではなく、インターフェロン治療を受けることをお勧めします。

(※1)日本肝臓学会2014年9月ガイドラインより抜粋


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2014年11月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

高血圧の基準値の変更に伴う混乱

内科2014/10/06

 今年の4月に、高血圧の基準値の変更に関して二つの学会からそれぞれの発表がありました。一つは日本高血圧学会、もう一つは日本人間ドック学会からでしたが、この二つの学会が示す基準値の意味には大きな相違がありました。ところが、一部のマスメディアがこの相違を説明することなく「血圧はもっと高くでも大丈夫だ」と思わせるような報道をしたため、高血圧治療中の患者さん達に大変な混乱を引き起こしてしまいました。

 日本高血圧学会が新しく改訂した高血圧治療ガイドラインで変更した点は、主に若年・中年者(65歳未満)と後期高齢者(75歳以上)の降圧目標値でした。これまでの降圧目標値は、若年・中年者は130/85mmHg未満でしたが、新ガイドラインでは140/90mmHg未満へ緩和されました。また後期高齢者は140/90mmHg未満でしたが150/90mmHg未満へ緩和され、降圧による悪影響が無い場合には140/90mmHg未満を目指すこととなりました。

 一方、人間ドック学会が発表した「健康者の血圧の上限は147mmHg」という値は、2011年にドック健診を受けた人の中から、その時点で健康な人(約1万5千人)の血圧の分布範囲の上限値が147mmHgであったという事実を示したにすぎない数値でした。つまり、ここまで下げれば将来の脳卒中や心筋梗塞などの発症を減らせるという数値ではありませんでした。

 高血圧の治療の目的は将来起こる疾患を予防することですので、「今は健康である」という人の血圧の上限値は降圧目標値にはなり得ません。日本高血圧学会のガイドラインの基準値は、世界や日本で行われてきた一般住民の科学的な長期的追跡調査の結果から導き出された最新のものですので、その降圧目標値の信頼性は高いものと考えて良いでしょう。


Text by 関口内科 関口 洋平(  「函楽」掲載)

過敏性肺臓炎という病気をご存知ですか?

内科2014/09/24

 一般的な肺炎は細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染することによって引き起こされる炎症ですが、過敏性肺臓炎はそれ自体病原性や毒性を持たないカビや、動物性蛋白質などの有機物・あるいは化学物質などを繰り返し吸い込んでいるうちに肺が過剰反応を示すようになり、アレルギー性の炎症が生じて引き起こされます。
過敏性肺臓炎の症状は発熱や咳・呼吸困難感・だるさなどです。喘鳴(呼吸のたびにぜいぜいする)を伴う方も多く、レントゲン写真上は淡い炎症像を認めます。
抗原の多くは患者さんの自宅や職場に潜んでいるため、その環境から離れると症状が軽快・消失し、再びその環境に戻ると悪化します。
このような状態が続くと肺に繊維化と呼ばれる不可逆的な変化が生じ、慢性的な咳や呼吸困難感で悩まされることになります。
日本でよくみられる過敏性肺臓炎には以下のものがあります。

①夏型過敏性肺炎:高温多湿になる夏季に発症しやすく、冬季にはみられません。湿気の多い古い家屋を好むトリコスポロンというカビが抗原です。
②農夫肺:北海道や岩手県などの酪農家にみられ、干し草のなかの好熱性放線菌というカビが抗原です。
③換気装置肺炎(空調肺、加湿器肺):清掃を怠ったエアコン(空調)や加湿器に生じたカビ類を吸い込むことによって発症します。
④鳥飼病:鳩やインコなどの鳥類を飼育している人、あるいはその周囲で暮らしている人に発症します。抗原は鳥類の排泄物にふくまれる蛋白質といわれています。
⑤職業性の過敏性肺炎:キノコ栽培業者がキノコの胞子を吸入して生じる過敏性肺炎やポリウレタンの原料であるイソシアネートを吸入して生じる過敏性肺炎などが知られています。

北海道では農夫肺・キノコ栽培者の肺炎が多いです。
治療法は抗原からの回避とステロイドホルモン剤です。
頻度の高い疾患ではありませんが熱や咳などの症状が繰り返される方は過敏性肺臓炎を起こしていることがあります。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長( 2014年8月19日 「青いぽすと」掲載)

肝臓が悪いと言われたら

内科2014/08/25

 健診の結果で「肝臓が悪い」と言われたことのある方もいらっしゃると思います。
同時に「精密検査を受けてください」とも言われると思いますが、それにはれっきとした理由があります。

 肝臓が悪くなる原因は数多くあります。
脂肪肝、アルコール、薬剤などが代表的な原因ですが、最も問題となるのはB型肝炎・C型肝炎などの肝炎ウイルスが原因の場合です。
わが国ではB型肝炎ウイルスに130万人、C型肝炎ウイルスに180万人が感染しているといわれています。
これらのウイルスが感染して慢性化すると長年にわたって肝臓を痛めつけ、肝炎から肝硬変へと進行した末に肝臓がんが発生します。
肝硬変は肝臓全体ががん発生の予備状態になっているため、がんは1個ではなく複数個できる場合もあります。
したがって、感染していることをできる限り早期に発見して、その一連の進行を食い止めることが極めて重要なのです。

 これらのウイルスは主に血液を介して感染します。
母親からの出産時の感染、輸血、入れ墨、薬物乱用、性行為などさまざまな経路がありますが、実際にはいつどこから感染したのか経路がはっきりしない場合も少なくありません。
感染は一過性で終わる場合もありますが、慢性的な感染状態になっても厄介なことに数十年にわたって症状を現わさないため、採血での肝臓の数値異常から偶然発見される場合も多いのです。
精密検査を勧められながら「肝臓が悪いのはお酒のせい」などと自己判断で放置すると、重大な結果を招くことになりかねません。

 精密検査は採血で肝臓のより詳しい状態と肝炎ウイルスの有無を確認し、さらにエコー・CT検査で肝臓の形の異常や腫瘍の有無などを評価して総合的に診断します。
万一肝炎ウイルス陽性だった場合はウイルスの種類や肝障害の程度、患者さんの年齢などを勘案して抗ウイルス療法を検討することになります。
精密検査を勧められた時は決して放置せず、必ず消化器内科専門医を受診しましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2014年8月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

尿酸値と生活習慣病

内科2014/07/22

 「先生、いったい尿値はどのくらいまで下がればよいですか?」と、高血圧と糖尿病で通院しているAさんは神妙な顔で聞いてきました。
どうやら、以前に痛風の病歴があり整形外科の先生から尿酸値を下げる薬を処方してもらっているのだが、もう足は痛くないので薬をやめてみたいとの相談でした。

 尿酸は体の中で産生されて尿中へ排せつされることによって、その量は常に一定に保たれています。
しかし、産生と排せつのバランスが崩れ血液中の尿酸値が上昇し7・0㎎/㎗以上の状態が持続すると、尿酸は関節内に結晶として出現し、蓄積した尿酸結晶は激痛を伴う痛風発作を引き起こします。
尿酸は温度が低いほど血液中に溶けきれなくなるので、足先などの体温が低い部分の関節に痛風発作が多いわけです。
体温が35度以下になっても尿酸がしっかり血液に溶けている状態を維持するためには、尿酸値を6・0㎎/㎗以下にすることが勧められます。

 また、尿酸は血管壁を障害するため、動脈硬化による疾患(心筋梗塞や脳梗塞)、腎臓病、心不全などとも関連しています。
尿酸値の高い人が高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合わせ持っていると、尿酸による血管障害をさらに増悪させることが分かっています。
しかし高血圧や糖尿病では、尿酸値が低すぎても心筋梗塞や脳梗塞の発症が増加すること(Jカーブ現象)も知られています。
そのため、尿酸値の管理目標値は5~6㎎/㎗とするのが最適です。

 まさにAさんのような場合は、高血圧と糖尿病などの生活習慣病の治療と並行して尿酸値のコントロールがとても重要です。
夏場は水分を多めに取ること、野菜や海草を取り尿をアルカリ化させること、アルコールやプリン体を取りすぎないこと、適度な運動をして減量することなどに努め、必要時には適量な薬剤を服用し、食生活、運動、薬物治療などの総合的な治療管理を継続していくことが大切です。


Text by 関口内科 関口 洋平( 2014年7月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

65歳を過ぎたら肺炎予防

内科2014/07/14

 肺炎は、日本人の死亡原因第3位です。

 しかも、肺炎が原因で亡くなる方の95%以上は、65歳以上なのです。
65歳であれば、現役で働いている方も多く、まだまだ若いと思ってはいても、年齢とともに身体の抵抗力は確実に低下しています。
規則正しい生活やバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心掛けましょう。

 また、誤嚥(ごえん=食べ物や飲み物がむせてしまうこと)を防ぐため、慌てて飲んだり食べたりしないことが大切です。

 日常かかる肺炎の原因菌で最も多いのは「肺炎球菌」です。

 肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎を予防し、重症化を防ぎます。
このワクチンの持続効果は5年程度といわれており、接種後5年以上たつと再接種が認められています。

 肺炎は、冬に限らず1年中起こり得る病気です。

 65歳を過ぎたら肺炎予防をお勧めします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2014年7月14日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

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