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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

コラムを読む

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の新しい治療

眼科2008/08/13

 高齢化や生活様式の欧米化などに伴ってわが国でも増えつつある、加齢黄斑変性と言う病気をご存知ですか?

 物を見るために重要なフィルムの役割をしている網膜の中心部を黄斑と言います。加齢黄斑変性とは老化に伴いこの黄斑部に老廃物が溜まり、炎症や出血を誘発し視野の中心が歪んだり欠けてみえたりする病気です。黄斑変性には遺伝性のものもありますが、大部分がこの老化に伴う加齢黄斑変性と言われています。殊(こと)に脈絡膜に新生血管が発生し出血することにより網膜が障害される滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性は、進行が速く急激に視力低下を来(きた)します。

 この疾患に対し以前より様々な治療が行われてきましたが、近年この疾患で社会的失明に至る高齢者も少なくなく、今まで以上に適応範囲が広く効果的な治療が切望されていると言えるのではないでしょうか。

 そのような中、現在最も注目を集めている治療方法があります。それは光線力学療法(PDT)です。では、どのような治療方法なのでしょうか?

 PDTとは光に反応しやすい物質(光感受性物質[こうかんじゅせいぶっしつ])をあらかじめ組織や血管内に取り込ませた上で、その光感受性物質に特定のレーザー光を照射する事によってその物質を活性化させ血管を閉塞(へいそく)または組織を障害する方法の事で、既に肺・食道・膀胱(ぼうこう)・皮膚など、多様な疾患に用いられております。

 具体的にはベルテボルフィンという光感受性物質を投与後十五分の時点で、レーザーを新生血管に八十三秒間照射するものです。このようにする事で他の組織に障害を与える事なく、脈絡膜新生血管のみを特異的に潰す事が出来るため、先に述べた進行の速い浸出型に有効な治療方法と期待されています。以前このコーナーで取り上げた抗酸化ビタミン・ミネラルやカロテノイドの一種であるルテインなどの抗酸化サプリメントやPDTといった効果的な治療法が次々と施行され、今や加齢黄斑変性は治療可能な疾患に変貌しつつあると思われます。


Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典(  「」掲載)

ただいま流行中! 感染性胃腸炎

内科2014/01/14

 感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌の感染が原因となって、吐き気や嘔吐、腹痛・下痢などの急性の胃腸炎症状を引き起こす、いわゆる「お腹にくる風邪」です。
主に、冬場にみられる胃腸炎は、ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどが原因となります。

 特に、大人の感染性胃腸炎の大半を占めるノロウイルスは、比較的熱に弱いため、食品の中心まで十分に熱を通す(中心温度85℃で1分間が目安)ことが大切です。
予防には、うがい・手洗いはもちろんですが、まな板、包丁、ふきんなども熱湯や塩素系漂白剤で殺菌しましょう。
感染している可能性のある方の便や嘔吐物は直接触れず、汚れた衣類は他の衣類と区別して85℃以上の熱湯に10分以上浸すか、塩素系漂白剤に30分以上浸して下さい。
症状がなくなった後も、2週間は便中にウイルスを放出し続けるとされているため、周囲への感染は要注意です。

 ウイルス性胃腸炎は、インフルエンザ等と異なり、有効な抗ウイルス薬はありません。
腹痛・下痢症状があるうちは、食事を控え、十分な水分の補給が必要です。
飲水が困難な時は、点滴治療が必要となることもありますので、その時は、医療機関の受診をお勧めします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2014年1月14日 「みなみ風」掲載)

緑内障の早期発見・早期治療

眼科2017/08/28

 緑内障という病気を聞いたことはあると思いますが、どのような病気か知っていますか?

 緑内障は眼圧上昇や神経の脆(もろ)さによって網膜の視細胞が障害され視野が欠け、視力が低下する病気です。

 緑内障は現在日本の失明原因の第1位です。
疫学研究によると、日本人の40歳以上の緑内障の有病率は約5%との報告があります。
また、緑内障と診断された患者のうち、約80%は自覚がなく、治療を受けていないといわれています。

 最近、検査機器は目覚ましく進歩しており早期発見、早期治療が可能になってきています。
その中でもOCT(光干渉断層計)というものが、緑内障の早期発見の役に立ちます。

 緑内障は視神経に障害が起きて視野障害が起きる病気です。
OCTはその神経細胞の厚みを測定し、緑内障が進行しているかどうかを診断できます。
 
眼底に緑内障を示唆する所見があるが、まだ視野障害が起きていない状態を前視野緑内障といいます。
これはOCTが行われるようになってから確立された概念です。

 この状態に対して現在の緑内障のガイドラインでは原則的に治療せず経過をみるということになっています。
しかし高眼圧であったり、緑内障は遺伝もリスクファクターになるため、例えば近親者に緑内障の方がいたりする場合などは積極的に治療を検討する場合があります。

 医療は日々進化しており、今まで治療の対象とならなかったものも、治療したほうがよいのではないか、という議論がでてきております。

 緑内障は決して珍しい病気ではありません。
何か気になることがあれば眼科を受診してみてはどうでしょうか?


Text by 江口眼科病院 仲嶺 盛( 2017年8月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

暑くなってきたので水の話

循環器内科2008/08/13

 夏、暑くなると汗をかくことが多くなりますね。動脈硬化で血管に狭い所がある人では、脱水状態になると血液がドロドロと濃くなり、血管が詰まる病気である脳梗塞や心筋梗塞になり易くなって、命取りになることがあります。それほどひどくなくても、脱水状態ではひどく喉が渇いて体がだるくなります。では、一体、水はどれくらい摂れば良いのでしょうか?

 成人男性では、体内の水分は体重の約60%になります。人間の体は多数の細胞の集まりですが、このうち、細胞内の水分が水全体の四分の三で、細胞外の水分は4分の1です。水代謝は、この水分の出入りですが、家計簿と同様に、出る分が多ければ脱水(赤字)になり、入る分が多ければ(黒字)、組織間液が増えて、浮腫(むくみ)になります。収支は取れていなくてはなりません。

 体に入る水分は、大まかには、食事に含まれる水分(普通の食事で1.2リットル)と飲む水の合計です。体から出る水分は、汗と尿と便の水分です。汗については、流れる汗に加えて、目に見えずに蒸発する不感蒸泄(ふかんじょうせつ)がありますので、一日に0・8リットル位は不感蒸泄しています。皮膚呼吸と言われていたもので、これがないと体温が上昇します。風邪などで、熱が出ると一度につき1リットル不感蒸泄が増えると考えられます。

 水代謝として調節を受けるのは、飲水量と尿量です。体の水分が減少すると口渇感を感じて水を飲みたくなります。体の水分が増えると、尿を多く出して、浮腫が出るのを防ぎます。脱水状態では、尿の出が減り、体から血液の汚れを捨てることができず、汚れで血液が濃くなります。1日に1・5リットル位の尿が出るのが、平均的です。体の水分が充分にあるためには、尿が良く出るように水分をたっぷり(1~1.5リットル)摂ると良いことになります。塩分の摂りすぎや、心臓、腎臓の働きが悪い場合には、浮腫になりますので、異常を感じるようなら、早めの検査が勧められます。

 暑い夏の日差しの中を出かけるときには、1本、水を持って歩くのも良いかもしれません。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨(  「」掲載)

歯のホワイトニング

歯科2008/08/13

 ホワイトニングは歯を削らずに薬剤で歯を白くする方法です。自分の本来の歯以上の白さを手に入れたい方はホワイトニングで白くすることができます。

1.オフィスホワイトニング
 歯の表面に薬剤を塗り色素を分解していく方法で、1~4回程度の通院になります。ただし神経を取って黒ずんでしまった歯はこの方法では白くすることができません。歯の内部に薬剤を入れて数回交換し白くします。

2.ホームホワイトニング
 自宅で行う方法です。歯科医院で専用のトレーを作り、その中に漂白ジェルを入れて1日数時間1カ月程度装着します。効果はゆっくりですが、白さと透明感が長続きします。

ホワイトニングは永久的なものではありませんが、定期的にクリーニングをすることによって長持ちさせることができます。興味のある方はお近くの歯科医院に相談してみて下さい。


Text by かも歯科クリニック 加茂 勝巳(  「」掲載)

口臭ケアをされている方へ

歯科2018/09/14

 人とのコミュニケーションを取る方法には様々なものがあります。欧州の国には挨拶代わりにキスを交わすほど、人との距離感が近い国がある一方、日本人はコミュニケーションの際にそれより一定の距離を維持する傾向があります。そのためでしょうか、そういった距離感が近い文化がある国の人は、口臭ケアに敏感であるという話を耳にします。

 そうはいっても、近年我々日本人もやはり口臭ケアをされている方は多くなっています。口臭対策として市販の洗口液(例:コンクールF、リステリン®、モンダミン等)を使用されるケースが多いようです。洗口液に含まれることがある塩化亜鉛や二酸化塩素、カテキンは、口臭の主成分である揮発性硫黄化合物に作用し、口臭の減少が期待されます。また、同じく洗口液に含まれることがあるグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)やセチルビリジニウム塩化物(CPC)は、口臭の主成分を産生する口腔細菌への殺菌作用のため、口臭の元を断つ効果が期待されます。しかし、洗口液を使っても効果が実感できなく、やめてしまった方もいらっしゃると思います。

 前回のコラムで掲載しましたが、口臭を根本的に減らすには歯科医院で原因を診断し、それが歯周病や虫歯等であれば治療し、口腔清掃が不良である場合は歯に付いた汚れを歯ブラシ等で除去し、舌の上にある舌苔を舌ブラシ等で除去する必要があります。

 洗口液の効果が期待できるのは、プラークコントロールができている状態で使うことです。一番効果的なのは歯科医院で専門的口腔清掃を行った後に、洗口液を使い続けることです。

 口臭対策を希望する方のほか、虫歯になりやすい方や歯周病対策が必要な方、お口が渇きやすいという感覚をお持ちの方など、様々なケースがございます。洗口液をお使いいただく場合、歯科医院でご自身にどの洗口液が合っているかをご相談されるのもよろしいかと思われます。


Text by 北斗歯科クリニック土永 浩史( 2018年9月14日発行号 「青いぽすと」掲載)

正常な尿回数、頻尿(ひんにょう) とは?

泌尿器科2011/02/07

 さて、1日の正常な排尿の回数というのはどのくらいなのでしょう? 水分の摂取量にもよりますが、起きている間にだいたい7〜8回が通常です。
これより回数が多いと頻尿といいます。   また、夜間は睡眠を十分にとれるように、尿を作ることを控えるようにできています。
夜間に一回でも排尿のために起きるようなら、頻尿の症状がでてきていると考えます。 頻尿をきたす原因となる病気は、男性なら前立腺肥大症、女性なら過活動膀胱(ぼうこう)が代表的ですが、気をつけないといけないのが薬剤の副作用によっても頻尿になることがあるということです。
抗精神薬、不整脈やアレルギーに対する薬による頻尿があります。 症状や経過をよく聞かせていただき、簡単な検査をするだけでも、頻尿の原因の見極めや治療ができます。 是非、お近くの泌尿器科を受診してみてください。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2011年2月7日 「みなみ風」掲載)

アトピー性皮膚炎

眼科2021/06/03

 眼科の診察では眼とその周囲を重点的に観察しますが、そこでアトピー性皮膚炎に関連した所見がみつかったり、関連がありそうな症状の訴えを聞くことは多々あります。代表的なものとして、まぶたの皮膚の乾燥や赤み、結膜炎による慢性的なかゆみ、擦過や眼瞼内反症に伴う角膜のキズや微生物の感染などが挙げられます。皮膚に慢性的な炎症があると、それに引き続いて眼にもトラブルが波及する場合があるのです。では眼科ではどうするか。まず、まぶたの表側(つまり皮膚)のトラブルは、アトピー性皮膚炎の管理の基本に則ってまず清潔と保湿を意識することを勧めます。それでも不十分ならば副腎皮質ステロイド(いわゆるステロイド)入りの軟膏を使用します。そしてまぶたの内側(結膜)のトラブルには抗ヒスタミン薬やステロイド入りの点眼液を主に使用します(程度によってはさらなる治療が必要な場合もあります)。このように眼科でもまぶたの治療は行うものの、先述のとおりアトピー性皮膚炎においては眼の状態は皮膚のコンディションに大きく影響されますので皮膚科の受診も要検討です。

 過去に色々とアトピー性皮膚炎の治療を試したが奏功せず諦めたという方も少なくないと思いますが、「アトピー性皮膚炎は大人になってからでは治療できない」という誤った認識を捨て、現代の標準的な治療アプローチでもう一度治療に取りかかることも一案です。また、治療のキープレイヤーとなる点眼液や軟膏などの局所投与用ステロイドはその使い方のルールを守り、定期的な監視を怠らなければ有効かつ安全に使用できますので、やみくもに忌避することは有益ではありません。眼の健康を保つためにも、信頼できる皮膚科医をみつけ、地道なケアを根気強く継続することが肝腎と言えます。


Text by 江口眼科病院 佐々木 功( 2021年2月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

訪問診療について

歯科2017/07/10

 歯の治療をしたくても通院が出来ないと悩んでいる方はいませんか?
そこで訪問診療について簡単にお話をしたいと思います。

 訪問診療は、病的理由等で独歩で通院不可能な方が利用可能な保険診療の制度です。
病院に入院加療中、施設に入所中はもちろん在宅療養中の方も利用可能です。
そこで、簡単なQ&Aを。

①Q.どんな治療が出来るの?
A.診療室とほぼ同じ治療が可能です。
②Q.費用は?
A.適応であれば保険診療となります。
③Q.介護保険がなければ診てもらえないの?
A.介護保険の有無は、関係ありません。
④Q.どうすれば診てもらえるの?
A.近くの歯科医院や歯科医師会に相談するか、介護保険の認定を受けている方は、ケアマネージャーさんに相談してみて下さい。

 よくかんで食べることは、とても大切なことです。


Text by 吉田歯科口腔外科 川村 兼央( Array 「北海道新聞みなみ風」掲載)

目の下のくまや頬のたるみの治療、自分の血液で治療する皮膚の再生治療「セルリバイブジータ」

形成外科2010/03/19

 セルリバイブ・ジータ(皮膚再生治療)は、自分の血液を採って注入まで40分程度で行え、効果持続時間が2〜3年と、今までのアヒルロン酸やコラーゲン注射(6ヶ月程度)と比べ、数倍持続することが特徴で、現在一番よく行われている方法です。

 この方法の特徴は、2日程度の軽度の赤みはありますが、化粧は施術後2時間後よりできて、日常生活に影響が少なく、腫れも軽く、効果も徐々に現れ、急激な変化による不自然さがなく、自分の血液を使用するため安全性が高い方法です。

 セルリバイブ・ジータの中には各種の血小板内の成長因子が存在して、肌のたるみや色つやを改善する作用があるので、化粧をするときに気になる目の下のくまや頬のたるみの若返り治療に最適です。

 治療の流れはまず、施術前に施術後の経過説明を受け、その後、採血をして頂きます。
そして、施術部位に麻酔ジェルを塗り、15分程度待つ間に血小板濃縮処置を行います。
麻酔ジェルを拭き取って、最後に気になる部位に注入します。
痛みは麻酔ジェルを使用しているため軽度です。
注入時間は範囲によって異なりますが、3〜10分程度です。
治療と治療行程、経過、効果、今後の予防についてアンチエイジングの立場から説明致します。

 治療を受ける場合は、十分に治療計画を聞き、納得した上でご判断下さい。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2009年11月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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