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コラムを読む

膵臓がんと糖尿病の関係

内科-2018/02/26

 先日、元プロ野球監督の星野仙一さんが膵臓(すいぞう)がんで亡くなったと報道がありました。

 膵臓がんは日本人のがんの死亡原因として臓器別で男性は第5位、女性は第3位となっており、年々増加傾向にあります。
また解剖学的にがんが周囲に広がりやすい特徴があり、早期発見や治療が難しい手ごわい腫瘍です。

 ところで、膵臓がんと糖尿病の関係についてご存じでしょうか。
まず、糖尿病にかかっていると、いろいろな臓器にがんの発生が多くなります。
国内外で発表された研究によると、糖尿病の方はがんになるリスクが20%ほど高いことが報告されており、日本人では特に大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクが高いとされています。
そのうち膵臓がんについては健常者に比べて1・8倍なりやすいと報告されています。
その原因ははっきりとは分かっていませんが、糖尿病の多くを占める2型糖尿病の方はインスリンが効きにくくなっている状態のために逆に血液中のインスリン濃度が高くなっており、血液中の過剰なインスリンががん発生に関与する可能性があ
ると考えられています。

 その反対に、膵臓がんから糖尿病を新しく発症した、あるいはそれ以前からあった糖尿病が悪化したと考えられる場合もあります。
膵臓がんと診断された時点で、その前2年以内に糖尿病を新しく発症した方が約半数と高率に認められます。
また、高齢で糖尿病を新しく発症した患者さんは、その後3年以内に1%の方が膵臓がんになったという報告があります。
これらは、膵臓がんが糖尿病の発症や経過に影響を与えたと考えられます。
そのため、高齢者で新たに糖尿病を発症した場合や、糖尿病の治療中に急激な血糖コントロールの悪化が見られた場合には、積極的に膵臓の検査を受ける必要があります。

 このように、膵臓がんと糖尿病は深い関係にあるので注意が必要です。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男(2018年2月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

病は気から?天気から?

内科2018/01/29

 「先生、お天気が悪いと、頭痛や目まいや肩凝りを感じるのは私の思い込みのせいでしょうか…」と、高血圧で通院しているAさんが聞いてきました。
どうやら長年の経験で、天気が崩れ始めると体調も悪くなるとのことでした。

 天気の変化で体調を崩す病態は気象病と呼ばれ古くから研究されています。
気象病は自律神経系の調節が乱れることで発症します。
人間は大気圧という圧力で常に体全体を押しつけられていますが、天候が崩れ気圧の低下が始まると、押す圧力が緩み自律神経のバランスは交感神経から副交感神経優位へと変化します。
気圧の低下が大きいと、血管やリンパへの圧力が弱まり血行が悪くなり、またヒスタミンなどの過剰分泌も起こります。
これら一連の変化は、頭痛、目まい、肩凝り、古傷の痛み、眠気、倦怠(けんたい)感、鼻炎、ぜんそく、アトピーなどの悪化を引き起こします。

 また、脳卒中などの重篤な疾患も気象と関連しています。
2016年のイスラエルの研究報告では、2日前の低気圧が深部脳出血の発症と関連していました。
また2012年9月の函館市の脳卒中患者を調べた研究(平成29年道南医学会報告)では、脳卒中の発症は

①発症3日前の午後から前日の朝までの高い気温
②前々日と前日の高い家庭心拍数
③前日と当日の低い気圧
④前日から翌日にかけての気温急降下と家庭血圧急上昇

―などと関連していました。
つまり、先に高い気温による脱水状態、次に気圧低下による副交感神経優位状態、そこで気温が急降下し交感神経優位状態へ急転換と血圧急上昇、この一連の気象と体の変化が脳卒中を発症させやすくしたと考えられます。

 Aさんが感じていたように、天気の変化は気持ちの浮き沈みだけでなく自律神経系を変動させさまざまな病態を引き起こし、時に脳卒中のような重篤な疾患の発症にも関わることがあるのです。
近年は異常気象が多発し気温や気圧の変動が激しいので、気象の変化に細やかに気を配り対処して生活することが大事になります。


Text by 関口内科 関口 洋平(2018年1月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

疲れる前に休む

内科2017/12/18

 ストレスを受けると、まず免疫力が低下しもともと体内に潜伏するウイルスが活性化します。代表的な病気が帯状疱疹(ほうしん)です(今は予防のワクチンがありますので50歳を過ぎたら接種をお勧めします)。

 免疫力が低下すると防衛本能が働き、さまざまな免疫物質が作り出されますが、一方で神経や内分泌系の働きが乱され、自律神経のバランスが崩れ、疲労・倦怠(けんたい)感や抑うつ感や不安感、体の痛みなどを感じやすくなります。

 予防のためには、まずは規則正しい生活習慣です。夜は、温かいお風呂にゆっくりと入り、入浴後は軽いストレッチをすることで副交感神経を優位にして、良い睡眠へ導きやすくなります。寝ながら、又は寝る直前までテレビを見たり、パソコンやゲームをしたりせず、部屋は暗く静かな場所で睡眠をとれるよう寝室の環境を整えましょう。夜遅くまで起きていると、おなかが空いて夜食やおやつを食べたくなるものです。寝る前に飲食したもののほとんどは、おなか回りの余分な脂肪となってしまいます。夜11時には就寝して、残っている仕事や家事は朝早めに起きてこなしてみませんか。疲れて眠い目をこすりながらの仕事より、朝の方が能率よくできることもあるかもしれません。

もうひとつ、仕事や家事・子育て以外の生きがいや趣味を持つことも大切です。自分のための時間を1週間のうち、ほんの少しでも持つことでリフレッシュすることができます。気軽にできることでも構わないので、これがあるから1週間頑張ろうと思える何かを探してみませんか。

 しかし、休んでも取れない疲労が1週間以上続くようであれば、何か病気の前兆かもしれません。長引く疲労感や頭痛、睡眠障害、食欲不振、微熱などが続く「慢性疲労症候群」という疾患もあります。肝機能異常や貧血、甲状腺などのホルモンのバランスが崩れている場合は血液検査で簡単に診断することができます。明らかな症状がなくても徐々に進行する「がん」の可能性もあります。健康診断で異常がなくても精密検査をしないと分からない場合もあるのです。疲労は脳から発生される「SOS」です。疲れる前に休むことが大切です。また、長期間の疲労が続く時は、お近くの病院で相談されることをお勧めいたします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(2017年12月18日 「北海道新聞夕刊」掲載)

糖尿病あれこれ

 これから忘年会・クリスマス・お正月、嫌でも食べる機会が増え、体重も増えそうな気配がします。
日本人の糖尿病は、盆と正月に悪くなると言われています。こんな時に、あれこれ考え、できることから実践しませんか?

 まずは食事について。時代は低糖質。ご飯1膳=うどん1玉=6枚切りの食パン1枚半=角砂糖14個分の糖質です。
角砂糖に換算されると、とても怖い感じがします。ここで言いたいのは、この程度の糖質は普通の生活で十分消費できるので、ここに糖質を重ねないようにするのがポイントです。まずは500mℓペットボトルの清涼飲料水。角砂糖17個程度の糖質を含んでいます。これは不要ですよね! あとは、外食時のセットメニュー、ラーメン+半チャーハンなど、確かに魅力的ですが、追加した炭水化物が、さらに角砂糖を追加していることになります。角砂糖を20個もいれた紅茶は飲めないですよね?
炭水化物の重ね食いにはご注意を!

 運動について。以前は20分以上かけないと脂肪燃焼しないと言われていましたが、現在では10分の運動を繰り返すことでも効果があると分かってきています。

 目標は30分を週5日もしくは10分3回を5日間。ハードルが高ければ少なくてもかまいません。バス停1駅手前!少し歩きましょう! また有酸素運動ではなくても筋トレも効果があり、血糖値が下がりやすくなります。歩くのが苦手であれば室内で腹筋や腕立て伏せ、ラジオ体操またはストレッチをして背中の筋肉を大きく動かすのも効果的です。これから雪が降るので、転倒の危険もあり、室内での運動もお勧めです。

 最後に毎日体重計に乗りましょう。1日2回の測定がお勧めです。少しでも増えると食事の見直しができて、あまり体重が大きく増えたりしなくなります。体重は、量らないと、あっという間に2~3㎏簡単に増えますよね? 体重が2㎏増えたら2ℓのペットボトルが自分の体についたことになります! このようにしてダイエットのモチベーションを維持し頑張りましょう。

 あきらめないこと、少しずつでも変えていけば時間とともに良くなるはずです。
 そう!明日からではなく、今日からスタートしましょう!


Text by はら内科クリニック 原 信彦(2017年11月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

動脈硬化から身を守ろう

内科2017/10/23

 心臓から拍出される血液を全身の隅々まで送り届ける血管が動脈です。
動脈壁は本来しなやかで弾力性がありますが、加齢とともにしなやかさを失い硬くなっていきます。
これが文字通り「動脈硬化」です。

 動脈硬化は避けられない老化現象の一つですが、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満そして喫煙といったリスク因子のある人ほど、その進行は加速します。
やがて動脈壁へのプラーク沈着により動脈が狭窄(きょうさく)して狭心症や下肢末梢(まっしょう)動脈疾患を生じ、突然プラークが破綻して心筋梗塞や脳卒中を引き起こすこともあります。

 平成27年の統計によると、心疾患、脳血管疾患、大動脈疾患を合わせると日本人の死因の約25%を占めており、がんとほぼ同じ数の人々が動脈硬化に関連した病気で亡くなっているといえます。
さまざまな臓器障害の原因となる動脈硬化ですが、怖いことに初期にはほとんど自覚症状がなく、症状が現れたときにはすでに重症化していることもあります。
動脈硬化が「サイレントキラー」といわれるゆえんです。

 動脈硬化の程度は血圧脈波検査、超音波検査、CT検査などで調べることができます。
胸痛、足の痛み、薬が効きにくい高血圧といった症候が既にある場合には、早めに循環器専門医を受診するのが良いでしょう。

 近年は狭心症、末梢動脈疾患などに対するカテーテル治療が盛んです。
これは、手首の橈骨(とうこつ)動脈や足の付け根の大腿動脈から直径2ミリほどの管(カテーテル)を挿入し、狭窄や閉塞した血管をバルーンやステントで拡張するという、体への負担が比較的小さい治療法です。
再発が少ないカテーテル治療を受けるためには、十分な知識と技術を備えた経験のある医師を選ぶことが大切です。

 動脈硬化は全身に生じますので、一度動脈硬化による病気になってしまったら、動脈硬化の進展阻止が再発予防に重要です。
そのためには禁煙をはじめとする生活習慣の是正と適切な薬物治療の実践が何より大切です。


Text by 国立函館病院 今川 正吾(2017年10月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

脂肪肝から肝臓がんへ?

内科-2017/08/28

 肝臓がんはこれまでB型・C型肝炎ウイルス感染者からの発症が約90%と大部分を占めていました。
従ってほとんどの肝臓がんはウイルス感染者を適切に経過観察していれば早期発見・早期治療が可能でした。

 しかしその状況が2000年頃から変化してきており、肝炎ウイルス感染のない方の肝臓がんの発症が2倍以上に急増しています。
その中の原因で最も多いのはアルコール性肝疾患(お酒の飲み過ぎ)ですが、注目すべきは、次に多い原因がアルコールを飲まない方の脂肪性肝疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患と総称します)だということです。

 非アルコール性脂肪性肝疾患とはあまり聞き慣れない病名だと思いますが、分かりやすく言うと「脂肪肝」と、それに炎症が加わった状態の「脂肪性肝炎」を合わせたものです。
「脂肪肝」は人間ドックのエコー検査などで20%前後の方が診断される頻度の高い疾患ですので、耳にしたことのある方や実際に診断された方も多いでしょう。

 肝臓がんはもう一方の「脂肪性肝炎」から発症しやすいと考えられていますが、ここで大きな問題は、現時点ではその両者の区別はエコー・CT検査や血液検査のような簡便な方法では難しく、肝生検といって肝組織の一部を採取して顕微鏡で調べるしか手段がないということです。
つまりこれは、人間ドックのエコー検査で「脂肪肝」と診断された方の中にも肝臓がんを発症するリスクのある「脂肪性肝炎」の方が混在している可能性があることを意味します。
一方で肝生検は局所麻酔をかけ体に針を刺して行う侵襲(しんしゅう)性の高い検査で、術後の出血リスクもありますので適用は慎重に考えねばなりません。

 「脂肪肝」は従来良性疾患と考えられてきましたが、今後は必要に応じて「脂肪性肝炎」でないか精密検査を受け、もしそうであれば肝臓がん発症の可能性も念頭に入れた定期的なチェックを受けることがますます重要になってくると思われます。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男(2017年8月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

アニサキス症にご用心

内科2017/07/18

「アニサキス症」をご存知ですか?
最近、芸能人の方で何人か「アニサキス症」にかかって大変だったというニュースが取り上げられていたりしましたが、アニサキスとはイカやサバ、サケ、ニシンなどの魚介類の内蔵に寄生する、体長2〜3cmの糸ミミズのような寄生虫です。

 アニサキス症はアニサキスが付着した新鮮な生の魚介類を食べたあと、ほとんどはそのまま排泄されますが、まれに生きたアニサキスが胃壁や腸壁に入り込み、胃や腸の中で暴れることで起こります。
胃にアニサキスが進入することで起こる「胃アニサキス症」は、原因食品摂取後2〜8時間で発症し、締め付けられるような激痛があり、嘔気、嘔吐、下痢や蕁麻疹を伴うこともあります。
また、腸にアニサキスが進入することで起こる「腸アニサキス症」は、摂取後数時間〜数日後のお臍周辺の激しい痛み、嘔気、嘔吐が特徴です。
また、アニサキスが1度体内に入ったことのある人では、「アニサキスアレルギー」によるアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

 症状や経過からアニサキス症が疑われる場合、胃アニサキス症では、胃内視鏡によりアニサキスを確認し摘出すると速やかに症状は改善します。
腸アニサキス症では、軽度の場合は対症療法を行いながら、アニサキスが死亡して1週間ほどで自然に排泄されるのを待つことになります。
しかし、まれに腸閉塞や腸穿孔などの状態を合併した場合は早急な処置や開腹手術が必要なこともありますので、アニサキス症かな? と感じたら、必ずすぐに病院を受診するようにしましょう。

 アニサキス症の予防方法としては、

①加熱する(60℃で1分、70℃以上)。
②冷凍する(−20℃で24時間以上)。
③新鮮な魚を選び、速やかに内蔵を取り除く、内蔵を生で食べない(アニサキスは魚が死亡すると、内蔵から筋肉に移動するため)。
④目視で確認してアニサキスを除去する(一般的な料理で使う程度の食酢、塩漬け、醤油、わさびではアニサキスは死滅しません!)。

以上の予防法をふまえて、しっかりと予防を行い美味しく鮮魚を楽しみたいですね。


Text by 佐藤内科小児科 内科認定医 中里 諭美(2017年7月14日発行 「青いぽすと」掲載)

機能性ディスペプシアという病気をご存知ですか?

内科2017/06/26

 心窩(しんか)部痛(みぞおちの痛み)、上腹部不快感(みぞおちの気持ち悪さや重苦しい感じ)、胃もたれ感(食べ物がいつまでも胃の中に残っている感じ)、早期飽満感(食べている途中で満腹感が出て食べられない感じ)はディスペプシア症状と呼ばれます。
ディスペプシアを訴える方は少なくなく、胃潰瘍や胃癌ではないかと心配して来院します。
しかし、ディスペプシアが長く続いていても、内視鏡検査で胃癌、胃・十二指腸潰瘍と診断される方は少数派です。
ピロリ菌による慢性胃炎と診断される方も半数以下です。
内視鏡検査や腹部エコーやCT検査を行っても、ディスペプシアの原因となる器質的疾患を認めない場合には、消化管の機能障害に伴って起こる症状、機能性ディスペプシアと診断します。

 機能障害とは例えば、食べたときに胃のふくらみが悪い(胃拡張障害)と、早期飽満感と関連します。
胃の内容物が胃から排出されないで長く胃に残る(胃排出障害)と、胃もたれが起こります。
これらは、心理社会的ストレスが原因になります。
非常に悲しいあるいは緊張する出来事があると、一時的に食欲の低下や胃が痛くなる経験があると思います。
機能性ディスペプシアはそのような状態が慢性的に続いている状態と考えるとわかりやすいと思います。

 機能性ディスペプシアの治療には、環境を変えてストレスを和らげることが重要ですが、治療に難渋し時間がかかることもあります。
症状を緩和させるのに複数の作用機序の違う薬剤を試みます。
私が北大で開発した飲水超音波検査は、水を飲みながら胃の運動を見ることで、胃拡張、胃排出、胃知覚の異常を評価します。
その結果によって障害を認めた胃機能に適した薬剤を選択することができます。


Text by 国立函館病院 加藤 元嗣(2017年6月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

息苦しさについて

内科2017/05/30

 階段を登ったとき、坂道を歩いたとき、平坦な道を歩いている時に息が切れていませんか?もし皆さんの中に、息切れで同年代の人と同じように歩けない方がいたら、病気が隠れているのかもしれません。今回は肺が原因の息切れの中で最も多い「慢性閉塞性肺疾患」についてお話しします。

 「肺気腫」と「慢性気管支炎」を合わせて慢性閉塞性肺疾患と言います。「気管支ぜんそく」も含みますが、病態が少し違うので一般的には区別されています。慢性閉塞性肺疾患では、息吸った後「吐く」ことが上手くできず、吐き始めの吐く量が正常な人と比べ少ないのが特徴です。息が吐けないと、肺の中に空気がたっぷり存在していても、とても苦しいのです。試しに、息を吸ったところで止めてみて下さい。そのまま少しだけ吐いて、また吸う。ずっとそのまま小さな呼吸でいると、とても苦しいですよね。その状態で坂を登ろうにも、苦しくて登れないと思います。こ
れが慢性閉塞性肺疾患の方の呼吸状態のイメージです。実際には肺自体の機能も低下していて痰もあるので、もっと苦しいと思います。

 慢性閉塞性肺疾患の肺では、両肺あわせて3億あるともいわれる直径0.2ミリ程の「肺胞」という臓器の一部が破壊されています。また、肺胞に空気を送り込んでいる気管支(空気が通るホース)の内側表面の粘膜に、常に炎症が起こり、粘膜が腫れて分泌物が出ますので、痰が発生し、気管支内腔径が細くなります。

 日本には40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者さんが存在すると推定され、死亡原因の9位、男性に限ると7位を占めています。 主たる原因は長期にわたる喫煙であり、喫煙者の15〜
20%が慢性閉塞性肺疾患を発症します。治療によっても元に戻ることはありませんが、呼吸苦を軽減する薬剤が開発されており、年々改良されています。


Text by 桐花通り呼吸器内科 髙橋 隆二(「函楽」掲載)

ゴールデンウイークで やっちゃった人へ

内科2017/05/29

春の健康診断の時期ですね。お花見・ジンギスカン・ゴールデンウイークの旅行!大丈夫でしたか?
体重は増えませんでしたか?
どきっとしたそんなあなた!生活習慣セルフ チェックをしてみませんか?
以下の8項目で自分の生活に合うものがあったらチェックしてみましょう。

①あまり食べていないつもりなのに太ってしまう。

②料理は大皿に盛りつける。

③1日1食もしくは2食になることが多い。

④夕食を食べ終えてから寝るまでの時間は2時間以内である。

⑤暇があると何かを食べている。

⑥果物やお菓子がいつもそばにある。

⑦お酒を毎日飲む

⑧お酒を飲み過ぎてしまうことが多い。何個当てはまりましたか?

①②にチェックの入った方は、食事の量・バランスに問題があります。
食事量の適量が分かるランチョンマット法がお勧めです。
ランチョンマットに、主食1、主菜1、副菜2、果物/乳製品1で茶碗やお皿を並べて食べてみましょう。
この時に主菜・副菜で油の量や栄養配分、今食べているのは糖質なのか?タンパク質なのか? 油脂なのか? を考えます。
例えば、ごはん1膳、副菜に肉じゃがとコーンサラダ。これって、ごはんが糖分、肉じゃがのジャガイモもコーンサラダのコーンも糖分です。
結局、糖分しか摂っていないことになりますね! このように食材を考えるきっかけになります。

③④にチェックが入った方は、食事時間に問題があります。
食事の間隔が8時間以上空くと基礎代謝が低下します。
ご飯を食べると少し汗をかきますね。
これは、体から熱が出る反応です。(カロリーを消費する反応)朝の時間に多く、夕方には反応が少なくなります。
ですから、朝はちゃんと食べて、夕食を少なめにすべきですね。

⑤⑥にチェックの入った方は、間食習慣に問題があります。
空腹感に対して肯定的な考えを持つ・衝動を何かに置き換える・何かにそらす、といった心理的なアプローチが必要です。

⑦⑧にチェックの入った方は、言わずもがな、お酒との付き合いを考えましょう。
休肝日をつくるか、毎日飲むなら適量(日本酒1合、ビール中ビン1本、焼酎0・6合)を守りましょう。

さあ、これからがんばりましょう!


Text by はら内科クリニック 原 信彦(2017年5月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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