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手足のゆびの色調異常

内科2020/09/28

 血管には動脈と静脈があり、動脈は赤く静脈は青く描かれることがありますが、流れている血液の色が違うわけではありません。しかし手や足のゆびの色が変わることがあります。主な色は白、赤、紫です。この色は局所の血の巡り(循環状態)を表しています。

 白色は動脈に血液が流れなくなった状態で「血の気がない」「虚血」と言い、赤色は動脈に急激に血液が流れ込んだ状態で「紅潮」、そして紫色は静脈に血液が滞っている状態で「チアノーゼ」です。

 時間と共に複数の色に変化することをレイノー現象と言います。レイノー現象は寒冷刺激や精神的なストレスによって微細な血管がけいれんすることで起こりますが、その原因については不明のものが多く一次性レイノー現象、「レイノー病」と名付けています。

 一方二次性レイノー現象は病気のひとつの症状として色調異常を来すもので「レイノー症候群」と言います。例えば動脈硬化によって血管が細くなり血流が乏しくなる閉塞性動脈硬化症、免疫の異常によって起こる膠原病(こうげんびょう)、肩口の血管が圧迫される胸郭(きょうかく)出口症候群などがあります。いずれも安静にすることで自然に軽快したり、マッサージをしたり温めたり、手や足の高さを変えると元の色に戻ります。何故ならば血流障害が改善されるからです。

 このような色の変化が繰り返し起こる場合や元の色にもどらなくなった場合は医療機関で相談されることをお勧めします。専門科はリウマチ科、心臓血管外科、循環器内科などです。


Text by こにし内科・心臓血管クリニック 小西 宏明( 2020年9月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

感染性胃腸炎に注意しましょう

内科2020/08/31

 感染性胃腸炎はウイルスや細菌などの微生物が原因となって起こる感染症で、発熱、腹痛、嘔吐、下痢が主な症状です。食物が原因の場合は「食中毒」とか「食あたり」などともよばれますが、嘔吐で空気中に飛散したり人の手への付着を介して微生物が口から入って起こる場合もあります。原因微生物としては黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、ウエルシュ菌、ロタウイルスなど多くの種類がありますが、中でも感染力の強いノロウイルスはウイルスの数が10~100個という少数でも感染が成立するとされておりしばしば食中毒の集団発生の原因となります。最近では新型コロナウイルスも原因の一つにあげられます。報告により差がありますが概ね新型コロナウイルス感染者の5%程度が胃腸炎症状を呈すると考えられ注意が必要です。

 どの微生物が原因であるかは、食べた物の内容や摂取から発症までの時間などの情報からある程度推定できる場合もありますが、確定するには便から微生物を検出する必要があります。しかしほとんどの感染性胃腸炎は自然に治る傾向が強く数日で治癒する場合が多いので、特に成人の場合多くは実際には検査は行われていません。

 治療は整腸剤の内服や水分補給・点滴など対症治療が基本となります。胃腸炎における嘔吐や下痢は生体の防御反応でもあるので、無理にそれらを止める治療は行わない方が良いとされています。抗菌薬が有効な細菌が原因の場合でも全例で投与するわけではなく、小児や高齢者のような悪化しやすい方や重症例で必要に応じて投与を検討することになります。なおウイルスに有効な薬剤は今の所ありません。

 夏は感染性胃腸炎が多い季節です。予防のために手洗いは石鹸でこまめに行い、食品の衛生管理には十分気をつけましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2020年8月31日 「北海道新聞夕刊」掲載)

心不全について

内科2020/07/27

 日本では、がんが死因のトップです。しかし、高齢者では心臓病・脳卒中で亡くなる人の数は、がんとほぼ同じで、超高齢者になると、心臓病・脳卒中で亡くなる人の方が、がんより多くなります。
 男性の平均寿命は81歳、女性では87歳と、世界2位の高さです。介護を受けずに、元気に生活できる健康寿命は、男性で9年、女性だと12年、平均寿命より短くなります。人生の最後に、10年近く、誰かの介護を受ける必要があるのですが、その原因の第一位は脳卒中で、心臓病と合わせると、要介護になる原因の4分の1を占めています。

 心臓病が悪くなると、(元の病気は心筋梗塞、弁膜症、心筋症などいろいろですが)心不全になります。心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。全国で、心不全のために入院する人は、2017年には年間26万人でした。35年には、132万人になると推計されています。日本の人口は減少していますが、超高齢化が進むために、心不全の人は増えていきます。心不全の治療は進歩しているのですが、5年生存率は60%程度で、良くならない種類の病気です。

 心不全は、4段階のステージに分類されています。
(A)危険因子はあるが、心臓病のない人
(B)心臓病はあるが、心不全症状のない人
(C)心不全症状がある人
(D)軽い動作で心不全症状が出る人。

ステージCやDでは、息苦しさや疲労感などの症状が軽くなることを目指すので、治癒するということはありません。

 AやBの段階で、病気が進むのを予防するのが、心不全の治療としては良い方法です。危険因子とは、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などです。普段からかかりつけ医とよく相談しながら、減塩をする、体重を管理する、適度な運動習慣を身に付ける、適切な薬の処方を受けることが肝心と思われます。

 重い病気になると、治療は難しくなりますが、予防的な治療は、毎日根気よく続ければ、重病になるのを防いでくれます。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨( 2020年7月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

「実際にあった不整脈の時の胸の内」

内科2020/07/27

 これはドキュメンタリーです。同じようなことが起こったら、貴方も同じ病気かもしれません。

 土曜日の朝、咳払いをした途端に、不整脈になった。「どくっ、ドクドクドク」って、不規則に心臓が打つのがわかった。急に咳き込んでしまう。左心室から左房に向かって、血液が逆流したようだ。収まることを期待して、つかの間、安静にしているが、今回はダメだ。尿意がしてきて、トイレで排尿した。心房性ナトリウム利尿ペプチドが、一気に心臓から血液中に放出される結果だ。発作が15分程度では止まってくれないので、仕事に行くことにする。朝に起こる心房細動だから、安静にしていた方が止まりやすいと思うが、そうもいかない。

 仕事中は、ぼやーっとして、集中力がない。心排出量が15%低下して、脳血流が減少しているのを感じる。倦怠感もあるが、なんとか昼まで働いた。心電図では、136拍/分の頻脈性心房細動になっていた。昼食は動悸をこらえながら、普通に食べた。不整脈が止まるように抗不整脈薬、それと脳梗塞予防のための抗凝固薬を飲む。心房細動で怖いのは、左房の中でできた血栓が脳の血管を詰まらせておこる脳梗塞と、心臓の働きが十分でなくなる心不全の2種類の合併症だ。

 夕食まで安静にしていた。静かにしていると動悸は収まるが、階段を上るときに、また、ドキドキする。くそっ、食事をしようにも、体がこわくてテーブルに覆いかぶさるようになる。息は上がり、ボタボタ汗が出る。冷や汗か!こんなことが30時間続き、あきらめて浴び始めたシャワー中に動悸が止まった。

 しめしめと思い、ゴルフの打ちっぱなしに出かける。不整脈は止まったが、心臓はまだ疲れていたようだ。クラブを振り回そうとしたが、息が切れて、汗が吹き出す。心不全の症状が残っていた。クソッ。タウリン配合のドリンクを探したが、ここには売っていなかった。帰って安静にするしかないな。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨(  「」掲載)

新型コロナウイルス対策

内科-外科2020/06/29

 道内外の移動解除となり、第2波、第3波も予想される中、新型コロナウイルス感染を不安に感じている方も多いと思います。
 COPD(慢性閉塞性肺疾患)等の肺の病気、心臓病、糖尿病など基礎疾患のある方は、コロナウイルスに感染しやすいということはありませんが、重症化するリスクが高いと言われています。肺の病気であるCOPDは、喫煙により肺の細胞が壊れ、呼吸ができなくなる病気です。COPDの方がコロナウイルスに感染すると死亡率が3倍になるという報告もあります。肺の細胞の表面には、ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)と呼ばれるたんぱく質があり、新型ウイルスは、このACE2に付着して細胞内に入り込むことが、最近わかってきました。タバコを吸うと、ACE2が肺の表面に増えるため、喫煙によりウイルスの侵入を助け、感染しやすくなる可能性があります。まだ機能している残された肺を大切にするためには、今からでも遅くはありません、禁煙しましょう。また、最近の研究では、新型コロナウイルス感染は、肺炎だけではなく心臓などの全身の血管にも炎症をおこすことがわかってきました。
 新型コロナウイルスに感染するとウイルスにより血管が傷つき、それを直そうと血小板が傷ついた血管の壁に集まります。それは徐々に大きくなり血栓と呼ばれる塊を作り、血流が悪くなりいずれ血液の流れを止めてしまいます。それが心臓を取り巻いている栄養血管の冠動脈に起こると心筋梗塞となります。予防するためには、日常生活の中で、心臓への負担を減らすことが大切です。
 バランスのいい食生活、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動などです。自粛生活で運動不足の方も多いと思います。特に足の筋肉は、「第2の心臓」と呼ばれ、重力に反して抹消の血液を心臓に戻るのを助ける働きをします。足の筋肉を維持することは、心臓を守ることにもつながります。これからの時期、気分転換に3密を避け外を散歩することもお勧めですが、自宅でも朝晩つま先立ち運動や足のストレッチなどの軽い運動をするだけでも十分効果があります。私たちでさえ、今は不安とストレスを感じて生活しています。高齢であれば尚更でしょう。離れて暮らしているご家族に、いつもよりこまめに電話やテレビ電話をしてあげてください。自分ではわからない些細な変化を周囲の人が気が付いてあげることが大切ですし、なにより声を聴くだけでもきっととても喜んでいただけるでしょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2020年6月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

体重、計っていますか?

内科2020/05/25

 コロナウイルス感染症により、外出自粛、そして気がついたら体重が・・・。 そう!俗にいう「コロナ太り」の方が外来でも増えています。スポーツジムも休業、かといって外出は何となく気が引けるし、テレビでは毎日コロナウイルスの恐い番組ばかり。気がつくと、テレビを見ながら何かを食べて・・・食生活での憂さ晴らしをしていませんか?

 まずは現実を直視して、体重計に乗りましょう。1日2回がおすすめです。決まった時間・決まった状態(食後・寝る前など)で測定しましょう。これで少しでも体重が増えると、気になって食生活を見直すきっかけになります。そして、さらに太らないように考えることができます。体重は、計らなければ思ったより簡単に増えていきますよね。そこで、おやつについての8つの提案があります。

①3食の中でのバランスを考え、そのなかでおやつを食べましょう。カロリーの高いものを食べた日は、そのおやつ不要ですよね?
②食べる時間は、午前中からお昼過ぎまで!できるだけ活動する前の時間が理想です。
③おやつは、そのとき食べる分だけを出して食べましょう。大袋から食べると食べ過ぎます。
④1口で食べてしまわず、ゆっくりと味わって食べましょう。
⑤商品の成分表示を チェックしましょう。100g当たり何カロリー? 糖質量は?じゃあ、実際食べる分は、重さを量れば、自分の食べたカロリー、糖質量もわかりますよね。できるだけ、カロリー・糖質の少ないものにしましょう。見た目より高カロリーのおやつがいっぱいあります。
⑥お腹がすいているときに、おやつは買わない! お腹がすいていると、何でもおいしく見えて買い過ぎます。そしてもったいないからと理由をつけて全部食べる羽目になりますよね。
⑦おやつを何となくの習慣にしない!3時になったら必ずおやつにするなどはやめて~ご褒美にするとかルールを決めましょう。
⑧罪悪感にとらわれ、隠れて食べて、食べなかったことにするのではなく、ちゃんと楽しんでおやつを食べましょう。さあ、今日から体重計に乗りましょう!


Text by はら内科クリニック 院長 原 信彦( 2020年5月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

気道過敏性とは…

内科2020/03/30

 喘息患者さんは、各々がアレルギーを引き起こす要因であるカビやハウスダスト、花粉以外の日常にあるさまざまな刺激にも敏感に反応し、咳や痰、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーすること)などの症状を引き起こします。例えば、線香の煙や冷たく乾いた空気、塩素系の化学物質、急激な運動などが知られています。このような気管支の反応性を、気道過敏性と言います。重症な喘息患者さんほどより敏感になっていて、ちょっとした弱い刺激でも喘息発作を引き起こす事があります。「気管支が弱い」と言われるのはこうした理由からです。

 気管支に炎症が起こり続けていると、より一層刺激に敏感になりますので、喘息治療においては「炎症を抑え続けること」が大切です。そのためには、症状が消失した後でも治ったと自己判断せずに、きちんと治療を続ける事が必要です。必ずしも「症状消失」イコール「炎症消失」ではないからです。気管支の炎症が治まったかどうかを、直接簡単に目で確認できればいいのですが、局所麻酔下に気管支内視鏡というカメラを使わなければ気管支の中を見る事ができず、咳や痰が出ている外来患者さんに気軽にできるものではありません。治ったと思って、薬をやめると気管支に残った炎症はいつまでたっても治まらず、くすぶった状態で留まります。これを繰り返すと、気道過敏性が増します。「以前はすぐに治ってたのに、今回はなかなか症状がよくならなくて…」と話されるのはこれが理由の一つのことがあります。

 肺機能検査を行うことで現在の気管支の状態をある程度把握することはできますので、気になる方は肺機能検査をしてみるのも一つの方法ではないかと考えます。また、喫煙によっても気管支には多かれ少なかれ炎症が引き起こされます。少しでも症状を軽くし、長引かせないためにも減煙・禁煙を心がけましょう。


Text by おの内科呼吸器内科クリニック 院長 小野 貴広( 2020年3月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

大丈夫ですか? 隠れ高血圧

内科-外科2019/12/23

 50歳以上の日本人の「3人に1人は高血圧」といわれるこの時代。
 実際には高血圧の診断を受け、降圧治療を行っている人は全体の57%にとどまり、また、治療を受けていてもそのおよそ半数は、高血圧の基準値の140/90mmHg未満にコントロールされていないとされています。

 それを受け日本高血圧学会は、今年5年ぶりに高血圧の基準値を見直しました。75歳未満の成人は130/80mmHg未満を目標とするようにと10mmHg引き下げられました。日本高血圧学会によると、降圧目標を改定後の130/80mmHg未満に下げることにより脳卒中の発症リスクが22%、心筋梗塞や心不全といった心疾患の発症リスクが14%も下がることが明らかになったとしています。
 まずは本来の自分の血圧を把握することが大切です。家庭血圧の測定は、朝と夜の2回測定します。朝は起床後1時間以内・朝食前・服薬前、夜は夕食前か就寝前がお勧めです。食事や飲酒、入浴後は通常の血圧よりも血圧が下がる傾向にあります。治療といっても、程度によっては、すぐに降圧剤の内服から開始するのではなく、生活習慣の改
善が重要です。運動療法は1日30分、週に4回程度のウオーキングがお勧めです。

 食事療法は減塩が重要です。高血圧の方は、1日当たりの食塩摂取目標が6gです。WHO(世界保健機構)では、さらに厳しく1日5g未満に抑えることを推奨しているため、今後はさらに引き下げられる見込みです。現在、日本人の平均食塩摂取量は男性が11g、女性が9gといわれていますので、まだまだ頑張らなければいけません。

 これから気温がますます下がり、忘年会新年会で外食も多く、また、運動不足にもなり高血圧には危険な時期です。

 検診の時の血圧測定だけでは、隠れ高血圧は見つけられません。自宅で朝晩血圧測定し135/85mmHgを超えるようでしたら医療機関へ受診し適切なアドバイスを受けることが必要です。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2019年12月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

糖尿病対策~寒い冬は鍋をたべて糖質オフ

内科2019/11/25

 寒い季節がやってきました。忘年会・クリスマス・お正月・新年会等々、1年間で一番太りやすい季節です。糖尿病の方にとっては、最も気を付けるべき試練の時期です。

 こんなときのおすすめメニューは鍋です。鍋の具材を考えてみましょう。かっこ内は食材100グラムあたりのおおまかな糖質量です。

 シイタケ(1.4)、白菜(2)、ネギ(5)、豆腐(2)、鶏肉(ほぼ0)、魚(マダラなら0.1)など、どれをとっても糖質が少なく、血糖値が上がりにくい食材です。野菜から、ゆっくりよくかんで食べましょう。特に最初の何口かでかまいませんので、1口20回かむことをおすすめします。これにより少し空腹感も紛れ、早食いの悪癖も改善します。ごま油や肉の脂身をできるだけ避けるとカロリーも低めに抑えられます。

 鍋の問題は締めのご飯や麺です。ここで一工夫。残った鍋のスープに油が浮いている場合は少し取り除きましょう。市販の鍋のスープは塩分が濃いのでスープを全部飲まないように気を付けてください。また、あまりぐつぐつ煮るとご飯に鍋の中の油分がしみこみ、カロリーが高めになるので、さっと一煮立ちで食べましょう。もずくやワカメなどの海草、お麩(ふ)、細かく切ったしらたきなどを加えることにより、少ないご飯の量でも我慢できると思います。

 麺類で締めるなら、最近ではスーパーでも低糖質麺が販売されており、これらを使ってみるのも良いと思います。締めが終わって一息ついたら、食後のデザートです。果物は1日1単位が基本です。リンゴ・梨なら半分、柿なら中くらい1個、ミカン中くらい2個が1日量ですよ。最近は果物の糖度も高く、糖度の高い果物は、この目安よりも少なくしましょう。食べるときは、リンゴや梨は小さく切って、半分(1単位)を6切れにして食べた方が、少し食べた感じが増します。

 そして何よりも重要なのは、起床後の体重測定。とにかく冬の間は、毎日体重測定を欠かさずに!
 気が付いたら、1~2キロ増えていたなんてことのないように、この冬を乗り越えましょう!


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2019年11月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

便秘とは?

内科2019/10/28

 便秘でお悩みの方、多いのではないでしょうか? 便が毎日出ない、便が硬い、残便感がある、など来院される方の訴えは多岐にわたります。便秘とは、便を十分にかつ快適に出し切れない状態で、早めに対処することが大切です。

 一方で、排便習慣には個人差が大きく、また先に述べたように受診する方の訴える「便秘」の意味する内容もさまざまです。医学的に少し難しくいいますと、「便秘」とは「本来体外に排出すべき糞便(ふんべん)を十分量かつ快適に排出できない状態」をいいます。つまり、何らかの理由で食べる量が少ない人はおなかの中に出すべき便が少ない状態であり、排便回数も少ないのが自然で、これは真の便秘ではありません。便秘患者は、全体的には若年層で男性よりも女性のほうが多い傾向が見られ、60代以降では男性女性とほぼ同じくらいの比率になります。

 便秘の原因として大腸がんがあることも忘れてはいけません。40歳以上の方は自覚症状がなくても毎年大腸がん検診を受けることが重要で、便潜血陽性の場合は大腸内視鏡を必ず受け、発見されたポリープは切除してもらってください。一方、原因がはっきりしていない機能性便秘は、病院を受診し適切な治療を受けることで症状が改善する便秘です。

 食事・生活・排便習慣の改善でも症状が十分改善しない場合は、下剤の量や種類を調整します。下剤は大きく分けると、非刺激性下剤と刺激性下剤があります。また、最近では新規薬剤も登場しました。副作用のため定期的な検査が望ましい内服薬や、乱用による便秘の悪化の可能性がある薬剤もあります。便性状も重要で、目標とする理想的な便はバナナ状の形です。

 便秘の原因として大腸がんも念頭に置き、ぜひ一度、便秘と向き合い、適切な検査や治療を受けることをおすすめいたします。


Text by 国立病院機構 函館病院 津田 桃子( 2019年10月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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