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当院のコロナ診療

外科2023/04/25

2023年3月13日、ついに日本でもマスク着用義務が緩和され、社会はウィズコロナへと進み始めました。5月には、新型コロナウイルスはインフルエンザなどと同等の5類感染症という扱いになる予定です。今年は、例年にも増して春を感じられそうです。

当院では、主に軽症、中等症の患者様を中心に診療を行ってきました。20年の春から現在に至るまで、新型コロナの入院患者様の数は大きく変動し、その都度通常診療の制限を行ったり、解除したりを繰り返してきました。

時には検査や治療の延期などでご迷惑をおかけすることもありましたが、皆様のご協力のおかげで、ここまで診療を続けてくることができました。今後、新型コロナの診療がどのように変わっていくかは分かりませんが、地域の中で役割を果たしていけるよう努めてまいります。

また、当院では21年2月から、医療従事者を対象にmRNAワクチン(ファイザー社製)の接種を開始し、その効果について研究を行ってきました。その研究結果について、22年11月に韓国・ソウルで行われた国際学会で発表し、高い評価を頂きました。

ワクチン接種によって、感染の予防や重症化の抑制は期待できるものの、決して「感染しなくなる」というわけではありません。また、ワクチンの効果は、時間経過とともに下がっていく可能性があります。

「ワクチンを打っているから大丈夫」と油断せず、これからも感染拡大には注意しつつ、新たな春を満喫したいところです。


Text by 国立病院機構 函館病院 大塚 慎也 呼吸器外科医師( 2023年4月17日 「北海道新聞夕刊」掲載)

新型コロナウイルス対策

内科-外科2020/06/29

 道内外の移動解除となり、第2波、第3波も予想される中、新型コロナウイルス感染を不安に感じている方も多いと思います。
 COPD(慢性閉塞性肺疾患)等の肺の病気、心臓病、糖尿病など基礎疾患のある方は、コロナウイルスに感染しやすいということはありませんが、重症化するリスクが高いと言われています。肺の病気であるCOPDは、喫煙により肺の細胞が壊れ、呼吸ができなくなる病気です。COPDの方がコロナウイルスに感染すると死亡率が3倍になるという報告もあります。肺の細胞の表面には、ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)と呼ばれるたんぱく質があり、新型ウイルスは、このACE2に付着して細胞内に入り込むことが、最近わかってきました。タバコを吸うと、ACE2が肺の表面に増えるため、喫煙によりウイルスの侵入を助け、感染しやすくなる可能性があります。まだ機能している残された肺を大切にするためには、今からでも遅くはありません、禁煙しましょう。また、最近の研究では、新型コロナウイルス感染は、肺炎だけではなく心臓などの全身の血管にも炎症をおこすことがわかってきました。
 新型コロナウイルスに感染するとウイルスにより血管が傷つき、それを直そうと血小板が傷ついた血管の壁に集まります。それは徐々に大きくなり血栓と呼ばれる塊を作り、血流が悪くなりいずれ血液の流れを止めてしまいます。それが心臓を取り巻いている栄養血管の冠動脈に起こると心筋梗塞となります。予防するためには、日常生活の中で、心臓への負担を減らすことが大切です。
 バランスのいい食生活、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動などです。自粛生活で運動不足の方も多いと思います。特に足の筋肉は、「第2の心臓」と呼ばれ、重力に反して抹消の血液を心臓に戻るのを助ける働きをします。足の筋肉を維持することは、心臓を守ることにもつながります。これからの時期、気分転換に3密を避け外を散歩することもお勧めですが、自宅でも朝晩つま先立ち運動や足のストレッチなどの軽い運動をするだけでも十分効果があります。私たちでさえ、今は不安とストレスを感じて生活しています。高齢であれば尚更でしょう。離れて暮らしているご家族に、いつもよりこまめに電話やテレビ電話をしてあげてください。自分ではわからない些細な変化を周囲の人が気が付いてあげることが大切ですし、なにより声を聴くだけでもきっととても喜んでいただけるでしょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2020年6月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

大丈夫ですか? 隠れ高血圧

内科-外科2019/12/23

 50歳以上の日本人の「3人に1人は高血圧」といわれるこの時代。
 実際には高血圧の診断を受け、降圧治療を行っている人は全体の57%にとどまり、また、治療を受けていてもそのおよそ半数は、高血圧の基準値の140/90mmHg未満にコントロールされていないとされています。

 それを受け日本高血圧学会は、今年5年ぶりに高血圧の基準値を見直しました。75歳未満の成人は130/80mmHg未満を目標とするようにと10mmHg引き下げられました。日本高血圧学会によると、降圧目標を改定後の130/80mmHg未満に下げることにより脳卒中の発症リスクが22%、心筋梗塞や心不全といった心疾患の発症リスクが14%も下がることが明らかになったとしています。
 まずは本来の自分の血圧を把握することが大切です。家庭血圧の測定は、朝と夜の2回測定します。朝は起床後1時間以内・朝食前・服薬前、夜は夕食前か就寝前がお勧めです。食事や飲酒、入浴後は通常の血圧よりも血圧が下がる傾向にあります。治療といっても、程度によっては、すぐに降圧剤の内服から開始するのではなく、生活習慣の改
善が重要です。運動療法は1日30分、週に4回程度のウオーキングがお勧めです。

 食事療法は減塩が重要です。高血圧の方は、1日当たりの食塩摂取目標が6gです。WHO(世界保健機構)では、さらに厳しく1日5g未満に抑えることを推奨しているため、今後はさらに引き下げられる見込みです。現在、日本人の平均食塩摂取量は男性が11g、女性が9gといわれていますので、まだまだ頑張らなければいけません。

 これから気温がますます下がり、忘年会新年会で外食も多く、また、運動不足にもなり高血圧には危険な時期です。

 検診の時の血圧測定だけでは、隠れ高血圧は見つけられません。自宅で朝晩血圧測定し135/85mmHgを超えるようでしたら医療機関へ受診し適切なアドバイスを受けることが必要です。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2019年12月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

健康寿命を延ばしましょう

内科-外科2019/06/24

 健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」です。「平均寿命」と「健康寿命」との差は日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。厚労省の統計では、男性は約9年、女性は12.5年と発表されています。この年月が、自分で歩けなかったり、要介護だったり、寝たきりの状態だったりと自由な生活ができなくなる平均の期間です。

 健康的な生活を送ることができなくなる原因は、主に脳卒中、認知症、高齢による衰弱、骨折です。転倒や骨折により身体活動が低下すると更に認知症、うつ病、肺炎など2次的な病気のリスクも上がります。骨密度は、男女共に加齢によって減少します。特に女性の場合は、20歳代に骨密度がピークを迎え、その後徐々に減少し40歳頃から加速します。また20~30歳代の女性でも過度なダイエットによる栄養不足や運動不足により、骨量が低下することもあります。年齢を重ねるにつれて骨量が低下することは避けられないため、若いうちから骨量のレベルを高くしておくことも重要です。特に女性の方は年に1回は骨密度を測定し、自分の骨の状態を把握しておきましょう。

 骨を丈夫に保つには、カルシウムが必要だとよく言われます。カルシウムを多く含む食品は、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、イワシやちりめんじゃこなどの小魚類、納豆、ごま、小松菜などです。カルシウムの他にもビタミンDやビタミンKも一緒に摂取することでカルシウムの吸収を促します。ビタミンDを多く含む食品は、サケ、サンマ、サバ、マグロ、きのこ類です。ビタミンKは、納豆、緑黄色野菜に多く含まれています。ビタミンDは、食事から摂取する以外に、日光に当たることで、体内でも産生されます。

 食事以外でも、骨への刺激を与える運動も有効だという報告もあります。ゆっくりとかかとを上げた後、力を抜いてストンと落とす衝撃を与えると骨芽細胞を活性化することができるという説です。ですから日光を浴びながらのウオーキングも有効な方法です。

 食事・運動療法も継続することで骨の健康を保つだけではなく、転倒を予防する体のバランス力を鍛え、生活習慣の予防にも繋がります。平均寿命と健康寿命の差を縮めることができれば、より幸せな生活を送ることができるのです。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2019年6月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

マダニ(ダニ)感染症

外科-皮膚科2016/07/04

 夏、野山に出掛ける機会が増えますが、マダニに刺されることで発症するマダニ刺症を帽子や肌の露出がない着衣で予防することが大切です。
日本のマダニ感染症は、抗菌薬が効く細菌感染と、治療法が確立していない重篤なウィルス感染があります。
道南地域のイヌにダニ媒介脳炎ウィルス分布が判明しています。
全てのマダニが病原体を有するわけではありませんが、注意は必要です。
刺された直後はダニの唾液の麻酔作用で気付かず吸血で虫体が大きくなり炎症も併発し気付きます。
好発部は主に頭頸部です。
1日以上経過後は分泌するセメント物質で固着し皮膚ごと虫体の切除が必要ですので、皮膚科や外科を受診してください。
3週間程度で、発熱、発疹、関節痛などの症状出現時は医療機関を受診してください。

詳細は、「マダニ対策、今できること」で検索し、国立感染症研究所ホームページを参照してください。

国立感染症研究所ホームページ


Text by 函館渡辺病院 伊坂 直紀( 2016年7月4日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

乳房再建について

外科2015/01/26

 現在の乳がんの手術は、乳房温存術(乳房部分切除)が第一選択ですが、大きい乳がんや広範囲に拡がった乳がんでは乳房切除が行われています。
乳房を全摘出した方の中には、やはり、どうしても左右のバランス、乳房の喪失に伴う見た目の問題で悩んでいる人も少なくありません。
温泉などの公共の場から足が遠のいてしまうこともあると思います。

 『乳房再建』という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
乳がんで失われた乳房を再び取り戻す手術を乳房再建と言います。
再建する方法には、人工乳房を用いる方法(インプラント)と自家組織を用いる方法があります。
以前は、人工乳房を用いる方法は保険適用外であり、乳房再建を希望する人は自費で行っておりましたが、2013年7月から、人工乳房を用いた乳房再建手術が保険適用となり、乳房再建を希望される方がさらに増えることが予想されます。
保険適用ではなかった時期は、約80~100万円程度の自費負担でありましたが、現在は、保険適用と高額療養制度を用いると、10万円ほどで乳房再建が可能になってきております。
実際、乳がんの手術自体も以前に行われていたような無理な温存手術が減り、安全に乳房全摘出した後に乳房再建を行うという選択肢が増えてきています。
実際の再建までの流れを、乳がんで乳房切除を行っている人を例にとってみます。
まずは、人工乳房を入れる部分に、皮膚拡張器(ティッシュエキスパンダー:簡単に言うと水の袋)を挿入し、数カ月かけて徐々に水を増やしながら皮膚を拡張させていきます。
その後、永久的な人工乳房(インプラント)に入れ替えを行います。
乳房再建は主に形成外科医が中心になって行いますが、乳腺専門医との協力が非常に重要です。
それぞれの資格を持った病院・医師にご相談してください。
しかし、これらの乳房再建は、美容の目的や予防のための乳房切除(遺伝性乳がんなど)には、保険適用がありません。
今後、乳房再建手術は、乳房切除をされた方の生活の質の向上に役立つ一つの選択肢になってくると思われます。


Text by 北美原クリニック 早川 善郎( 2015年1月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

胆石症の治療~外科の立場から~

外科2011/11/21

 胆石とは、胆汁が肝臓から十二指腸まで流れる道(胆道)にできた結石を言い、胆道の袋状臓器にできるのが胆嚢結石です。
胆嚢結石治療を外科の立場からご説明します。 胆嚢結石症の治療には、非手術治療として胆石溶解剤治療、体外衝撃波破砕療法がありますが、これらの治療では胆嚢が残るため、結石の再発が危惧され根本治療とは言えませんでした。
しかし、約20年前に日本に導入された腹腔鏡下胆嚢摘出手術は、手術治療ですが、身体への負担や、小さな傷で痛みも少なく、しかも短い治療期間で、結石が生成される胆嚢を摘出できる、まさに胆嚢結石の根本治療と言えます。
従って、胆嚢結石症治療は、第一選択である腹腔鏡下胆嚢摘出手術の適応があるかを判断する事から始めます。
また、無症状の胆嚢結石を有する方も、小結石多発例は、重篤な胆石による急性膵炎が発症する危険がありますので、腹腔鏡下胆嚢摘出手術の良い適応になっています。


Text by 函館渡辺病院 伊坂 直紀( 2011年11月21日 「みなみ風」掲載)

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