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コラムを読む

脾臓のはなし

循環器科2017/12/20

 上腹部の臓器の中に脾臓という小さな臓器があるのをご存じでしょうか? ただその臨床的な意味に関してはあまりよく知られていないようです。
今回はその脾臓について紹介したいと思います。
脾臓は胃の後ろ側にあり、肝臓とちょうど反対の左側にあります。
大きさは握り拳くらいで重さは130gくらいです。
働きは①血球成分の貯蔵②老化した血球の破壊、処理③免疫などがあり、重要な臓器なのですが人は脾臓を摘出しても生きていくことはできます。
血小板の数が少なくなるような病気では、その破壊を減らす目的で脾臓の摘出をすることもあります。
何らかの原因で脾臓が腫れてくると(脾腫)触診でも分かるようになりますし、巨大な脾腫となると臍のところまで腫大していることがあります。
脾腫が見られたときは何らかの疾患が存在すると考えるべきです。
脾腫は疾患の原因ではなく結果であることがほとんどです。
したがって脾腫を見つけた時にはそこに隠された疾患を見つけ出す必要があります。
もっとも多く見られる疾患は血液疾患です。
急性、慢性白血病、悪性リンパ腫、骨髄線維症などです。
血液疾患では異常に増加した血球を処理したりするため、脾臓機能が異常亢進するためと考えられます。
また肝臓疾患でも脾腫がみられます。
肝臓には門脈という独特の脈管システムがあります。
門脈というのは胃、小腸、大腸などの消化管から吸収した血液をひとつに集め、直接肝臓に流入している血管のことです。
そうして肝臓は生体に必要なタンパク質、脂肪、糖、ビタミンなどの代謝を一手に引き受けているのです。
脾臓を通過した血液も1度門脈に合流し、肝臓を経由してから全身に流れていきます。
肝硬変などになると消化管から流入する大量の門脈血液を処理することができなくなり、結果的に脾臓からの血液がうっ滞し、脾腫が出現すると考えられます。
このように脾腫があると何か重要な全身疾患があるのではないかと考えるヒントが提供されたことになります。


Text by 飯田内科クリニックいしかわ 伊達 基(2017年5月16日発行 「青いぽすと」掲載)

慢性腎臓病

循環器科2013/12/19

 腎臓病は悪くなると、最後には透析治療を受けなくてはならない腎不全になります。
透析を受けている患者さんは全国で約30万人います。
10年前には24万人だったのと比べると、透析を受ける人はすごい勢いで増えています。
北海道で透析をしている人は14500人です。
これは全国の1/21で、北海道は透析患者が多いということになります。
週に3回、3〜4時間かけて機械で血液をきれいにするのですが、本人にとっても大変な治療です。
ですから、内科医としてはなるべく透析が必要な腎不全にならないように、腎臓病を予防しようとしています。

 腎機能が正常の60%程度に低下していると、透析が必要な腎不全に陥りやすい「慢性腎臓病」と言われます。
検尿の異常では、タンパク尿が重要で、尿中のタンパクが多くなるほど腎機能が悪くなるのが速くなります。
正常の腎臓では尿にタンパクはほとんどもれません。

 学校検診では検尿でタンパク尿が出ていないか調べています。
腎炎からの腎不全が30年前には多かったので、早くに見つけて治療するようにしたところ、透析に導入される腎炎患者は増えなくなりました。
その後、高血圧と糖尿病が原因で透析に導入される人が多くなっています。
日本の高齢化に伴う変化です。
「高血圧は治療しなくてはならない」と世間に知識が広まり、高血圧の治療薬が発達して血圧が下がりやすくなったため、高血圧が原因で透析に導入される人の数は減少に転じています。
そして、最近は糖尿病やメタボリック症候群で腎不全に至る人が多いことから、対策を講じるようになっています。
そんな時に始まったのが特定検診です。

 驚いたことに、慢性腎臓病患者では透析に至るより、心血管事故(心筋梗塞や脳梗塞)で死亡するリスクが高いので、高血圧や糖尿病のように早期発見して治療を開始するのが肝心です。
今のところ、特定健診(またはメタボ健診)は受診率が低いのですが、これからの受診率の向上が望まれます。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨(2013年10月15日 「青いぽすと」掲載)

心房細動と言われて・・・

循環器科2013/06/24

 「先生、健康診断で心電図検査を受けたら心房細動を指摘されました。
このままでは脳梗塞になっちゃうよ、と娘に言われたのですが?…」と、Aさんはとても不安な顔をして聞いてきました。
どうやら、最近になって動悸や息切れも感じるようになっているとのことでした。

 心房細動を発症している人は現在全国に70~100万人いるといわれ、決してまれな疾患ではなくなっています。
高齢に伴って罹患率が高くなる疾病で、日本を代表する疫学研究である久山町研究(2007年調査)では、80歳以上の住民の6・1%が罹患していました。
心房細動になると一拍一拍の脈拍が不規則になり、また心臓の収縮や拡張が不十分となり、動悸や息切れを感じるようになりますが、無症状の人もいます。

 心房細動は、心臓の一部である心房という部屋の壁が、本来は規則正しいリズムで拍動すべきところを細かく震えるような動きになります。
この状態が持続すると、心房の壁の内側に血液が固まって付着し、いわゆる「血栓症の元」ができます。
ある時に、それが壁から剥がれて心臓から出ていき、脳血管を突然詰まらせることで心原性脳梗塞が発症します。
心房細動の全ての人が心原性脳梗塞になるわけではなく、①心不全、②高血圧、③75歳以上、④糖尿病、⑤脳梗塞の既往歴、これらの5つの条件のうち多くをもっている人ほど発症しやすいことが分かっています。

 心原性脳梗塞を発症すると、20%の人が死亡し40%が寝たきりなど介助が必要となり元の生活に戻ることは難しいため、その予防はとても重要です。
予防薬には血液を固まりにくくする抗凝固薬があります。
しっかりと予防治療されると、脳梗塞の発症率を60~80%も下げられます。

 無症状の場合は見つけにくいですが、上述した5つの条件が一つでもあり、動悸や息切れがあるのであれば、Aさんのようにまずは心電図検査を、さらには24時間心電図検査などさらに詳しく検査を受けることをお勧めします。


Text by 関口内科 関口 洋平(2013年6月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

夜も高血圧ですか?

循環器科2013/04/18

 血圧には日内変動(にちないへんどう)と言うのがあります。
多くの人では、朝、目が覚める直前から血圧が上昇してきて、昼寝をしたくなるような午後2時から4時ころに少し下がります。
夕食のころに少し上昇して、眠くなったころからまた血圧は低くなります。
ところが、高齢者に多いのですが、夜中寝ている間ずっと血圧が高くて、日中の血圧が低い場合があります。
また、明け方、目が覚めるちょっと前から急激に血圧が上昇する場合(モーニングサージ型)もあります。
いずれも、早朝高血圧と呼ばれています。
脳梗塞や心筋梗塞の原因となりやすい状態です。

 心臓突然死の発生時間帯を調べた研究では、午前の時間帯(9時から11時)に突然死のピークがあり、死者の少ない夜間に比べて2倍の人が午前中に突然死していました。
また、サージ型ではない高血圧患者と、サージ型の高血圧患者では、サージ型で脳卒中の発生率が3倍高かったとわかりました。
就寝中の高血圧や早朝の血圧上昇は、心臓病や脳卒中の危険性を高くするのです。

 早朝高血圧に気づくきっかけには、朝起きて1時間以内に、排尿して少し安静を取ってから血圧測定をすることです。
家庭血圧では、135/85を超えていると高血圧ですが、これより大幅に高ければ、夜間の血圧上昇が疑われます。
そんなときには、24時間血圧計で就寝中の血圧測定をします。
寝ているときには120/−程度が望ましいのですが、寝ている間中、あるいは、早朝に急に血圧が上がっていることがあります。
変動のパターンによっては、朝1回飲む長時間作用型の降圧薬だけでは完璧な血圧コントロールは難しいので、寝る前に朝とは違うタイプの薬を加えて、朝の高血圧を下げるように試みます。
ときには、異常が見つけにくいところにあることもあります。
また、治療が容易ではない場合もあります。
根気よく付き合ってもらえると助かります。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨(2013年4月16日 「青いぽすと」掲載)

高血圧の薬はやめられる?

循環器科2012/10/17

 診察室でしばしば聞かれる質問です。あるいは、「高血圧の薬は飲み始めたらやめられないから飲みたくない」と言われます。どうでしょうか?
高血圧の治療の目的を思い出してもらうと良いです。
最終の目的は脳梗塞や心筋梗塞にならないように、つまり動脈硬化した血管が詰まって、臓器に血液が流れなくなることがないようにすることです。
血圧が高いと血管が詰まり易くなるので、血圧を低く保つようにします。
それで体重を適切に保ったり塩分を少なくしたり、生活習慣の改善を勧めます。血圧が160/95でも、「明日脳梗塞になる」わけではありません。
でも10年後までには100人のうち8人が心筋梗塞を起こしたり、脳梗塞で半身まひになったりするのです。
では生活習慣病の改善を試みても血圧が下がらない場合にどうするか?
薬を飲んで血圧を下げてもらうことになります。

 「薬をやめた人がいないか?」と聞かれると、少ない人数ですがいます。

①急に太った後に血圧が高くなったのですが、「薬を飲み始めたのがショックだった」そうで、体重を減らして数種類必要だった降圧薬がゼロになりました。
少し経過を見ましたが、もう血圧が上がってこなかったので自己管理することにした人がいます。

②最初から軽症の高血圧で減塩食にしてもらうと、次第に血圧が下がり薬をやめることができた人もいます。減塩でも上の血圧が10くらいは下がります。

③診察の時には緊張するために血圧が高くなりますが、家庭で自己測定してみると正常血圧であった人も薬は飲みません。
ひじで測る血圧計の場合には、正しい測定法であれば診察室の血圧より家庭血圧を参考にします。

 「160/95前後の高血圧なら20%の人で薬をやめられる」そうですが、血圧が高くなればなるほど中止は難しくなります。
長い間高血圧を放置すると血管も硬くなるので、治療しても血圧が下がりにくくなります。
血圧をただ下げるのではなく脳梗塞などの大病を防ぐのが最終目標だと理解してください。
そうすることで将来の寝たきりや認知症になる可能性を少なくすることができるのです。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨(2012年10月16日 「青いぽすと」掲載)

不整脈とめまい

循環器科2012/05/21

 めまいを起こす原因はいくつかありますが、不整脈でもめまいを起こします。
不整脈のために起こるめまいは失神の寸前であり、時には突然死の前兆を意味することもあります。
脈が非常に遅くなってしばらく心臓が止まる場合や、脈が速くなる不整脈の場合にも起こります。
こんな時には、血圧が急激に低下するために脳に血が廻らないのと、全身の脱力が同時に起こり、血の気が引く感じがします。
たいていは数秒間でもとに戻り、動悸や冷や汗がでます。数秒で戻らないと意識を失って倒れ、30秒以内に意識が回復します。
もっと長く続くと突然死に至る可能性が出てきます。

 脈が遅くなる不整脈は多彩にありますが、代表的なものは洞機能不全症候群や高度な房室ブロックで、心臓の電線が切れて心室が動かなくなる状態です。
3秒以上心臓が止まるとめまいがしてきて、5秒を超えると失神するようになります。
10秒くらいの心停止ではけいれんも始まります。
自律神経のアンバランスなどの一時的な原因なら治ることも多いのですが、進行する心臓病の場合にはペースメーカー(心臓を電気刺激して動かす機械)を植え込む手術が必要なこともあります。

 心臓は全身に血液を送り出す水鉄砲のようなものと考えてみてください。
たっぷりと水を吸い込んでギューっと押し出すと、たっぷりと水をとばすことができます。
これをすごく速くすると、吸う時間もなくなれば押し出すこともできないので、水を飛ばすことはできません。
1分間に200回以上の脈になると心臓も血を送り出せなくなり、めまいを起こします。
心室頻拍、心室細動と呼ばれる心臓がけいれんするような不整脈では、すぐに自然停止しなければAEDでの電気ショックが必要であり、突然死の原因になってしまいます。

 正確に診断するためには、めまいの原因に不整脈を疑うことから始まります。
心電図や、ホルター心電図と言う24時間の心電図検査が欠かせない検査です。
突然の失神で骨折して何年もたってから不整脈に気付くこともあります。
このようなめまいや失神には注意をしてください。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨(2012年4月13日 「青いぽすと」掲載)

街でよく見かけるAED、あなたはご存知ですか?

循環器科2011/12/02

最近街中や施設内でAEDやAED設置施設の看板などを良く見かけるようになりました。
このAEDはいったいどんな物なのか、皆さんご存知でしょうか。
AED自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)、心室細動、心室頻拍などで心臓が痙攣している状態となったときに電気ショックを与え、元の正常なリズムの心拍に戻すための医療器械です。
なぜ心室細動などでは電気ショックが必要かというと、心臓が痙攣した状態となり、心臓がうまく動かなくなるため、血液を送り出すポンプの役割を果たせなくなるからです。
このため脳など全身に血液が運ばれない状態となり、意識消失、そのままにしておくと、命を落としてしまうのです。
心室細動、心室頻拍は心筋梗塞や心筋症などの病気で突然起こることがあるのです。 2004年7月より医療従事者でない一般の方でもAEDの使用が可能となりました。
AEDの使い方はとても簡単です。
一番目としてふたを開けて電源を入れます(機械によってはふたを開けると電源がはいるものもあります。)二番目に電極をパットに書いてある図のように心臓をはさむように、体に貼ります。
こうするとメッセージが流れて、自動的に機械が電気ショックが必要かどうかを判断します。
電気ショックが必要であれば、ショックが必要なのでボタンを押してくださいとメッセージが流れます。
そして、三番目として電気ショックのボタンを押します(電気ショックがかかるので、必ず、体に触れず、離れてください)。 周りの大切な人など万が一の状態になったとき、必要になるかも知れません。
頭の片隅にでも入れておいていただけてばと考えます。
もちろん、意識消失して倒れている人がいたら、心肺蘇生(119番通報。周りにいる人をなるべく多く大声で集める。
胸骨圧迫による心臓マッサージ。可能であれば人工呼吸。)必ずお願いします。


Text by 斉藤内科消化器科医院(2011年12月 「「函楽」」掲載)

不整脈:心房細動のお話

循環器科2011/10/28

高齢化の時代とよくいわれますが、循環器疾患の領域においても、不整脈、特に心房細動の患者さんが増加していると報告されています。
心房細動は、心房(大動脈から一旦心臓の中に血液をためる部屋)が規則的に収縮しないために、心室(動脈へ血液を送り出す部屋)との連動した一定の拍動ができない状態です。
そのために、無症状の場合もありますが、動悸や、めまいを、又、時には失神発作を発症することがあります。
更に、左心房内(大動脈から脳や全身の動脈へ送る左心室の前にある血液を溜める部屋)に血栓を生じ、その血栓が外れて脳梗塞や、全身の動脈血栓症を発症する原因になる場合があり、脳梗塞の約3分の1が心房細動によるもの、といわれています。心房細動によって起きる頻脈による動悸や息切れに対しては、抗不整脈剤を使用する場合もありますが、一方、逆に除脈になる場合にはペースメーカーといわれる除脈を予防する器械を体内に植え込む場合もあります。一方、脳梗塞の予防は重要です。
現在、一般的にはワーファリンという抗凝固剤が使用されますが、ワーファリンの服用について「循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009年改訂)」によって、心不全、高血圧、高齢(75歳以上)、糖尿病、脳卒中の既往がある場合には、ワーファリン服用を薦められる、とされています。いずれにせよ、心房細動の発生は、生活習慣病の一環として起きる場合が多いと考えられますので、その予防には、普段から、日頃の食事や運動など、生活習慣を良好に保つことが最も大切であり、さらに、患者さんによってそれぞれ事情が異なりますので、治療方法等については、かかりつけの先生に相談されることをお勧め致します。


Text by 函館渡辺病院 長谷川 正(2011年11月1日 「北海道新聞夕刊」掲載)

頸動脈エコー

循環器科2011/10/04

 頸動脈はあまり聞きなれない言葉だと思います。
体に触ってトントンと動く動脈は手首のところの「橈骨動脈」を思い起こす人が多いことでしょう。
スイミングスクールでは首に手を当てて脈を測るように言うところもあります。
喉仏の斜め上横にトントン触れるのが頸動脈です。
この血管だけをわざわざエコーで検査するのが頸動脈エコーです。 何がわかるのか?
頸動脈は皮膚のすぐ下にあり、比較的長い部位を観察できる大血管なのです。
痛いこともなく、画像として血管の中を見ることができ、どれくらい細くなっているかをパーセント表示で見ることができます。
動脈壁の内側にニキビのような盛り上がりができて、中にコレステロールなどがたまっているものを粥腫(じゅくしゅ)と呼びます。
粥腫ができているならば全身のほかの動脈も動脈硬化しているだろうと予測されます。
こうして評価した動脈硬化が重症だと「心筋梗塞や脳卒中がおこりやすいほど動脈が細くなっている」と考えられます。 ですから、すでに病気を起こしている人ではなく、高血圧、糖尿病や脂質異常症などの患者さんで「動脈硬化がどれくらい進んでいるか」とか、「将来、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすいかどうか」を知りたいときに役立つ検査です。
体の中の一部の血管を観察しているだけですべての血管を見ているわけではありませんが、「全身の血管を代表して硬化度を見せてくれている」と考えてください。 悪玉のLDLコレステロールが高いために、これが血管壁の中にたまって粥腫ができている場合には、新しいやわらかい粥腫だとコレステロールを下げる薬で小さくすることができます。
狭窄が強い場合には血をサラサラにする抗血小板薬で脳梗塞を予防することもあります。
いちばん良いのはきれいな血管を見て、その後、動脈硬化を起こさないように注意することだと思います。
薬物治療ばかりではなく肥満、運動不足、禁煙など生活習慣の改善は非常に大事なことです。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨(2011年10月14日 「青いぽすと」掲載)

良い塩梅の塩加減

循環器科2011/09/13

 脳、心臓や腎臓に重大な障害をもたらす悪い病気としては、特に高血圧が良くないのですが、血圧を上げる原因の1つに食塩の取りすぎがあります。
高血圧が毎日の食事と関連する生活習慣病と言われるゆえんです。 「和食はとても健康的な食事だ」と言われています。
実際その通りなのですが、塩分の取り方が多い食事でもあります。
冷蔵庫がない高度成長期の以前には、食品の保存に塩が防腐剤の役割をしていたのです。
漬物、みそ、しょうゆは明らかにしょっぱいですが、かまぼこもつなぎに塩を使っています。 冷蔵庫が三種の神器として各家庭に普及した後も、1日20g以上の塩を取る生活が続いていました。
塩分の取りすぎから高血圧になり、血圧が高いために脳内の血管が破れたり詰まったりして、脳卒中を発病することが非常に多かったのです。
だから昭和の中期(’60年)までは、脳卒中が死亡原因の1番で、平均寿命は65歳程度でした。
その後の減塩運動が奏功したり、高血圧の治療が普及したりして、脳卒中の死亡は急激に減り、日本の平均寿命は大きく伸びました。
減塩した食事では、下の血圧(拡張期血圧)が特に下がりやすくなります。
日本人の塩分平均摂取量は’85年頃には1日13gが平均でしたが、最近は10.5gに減っています。
ただし、北海道は塩の取り方が多い方の地域になります。
1日の塩分は6~7gが理想的と政界保健機構では勧めますが、日本では、まだ遠い目標と思われます。 梅干し1個1g、カレーライスには3g、ラーメン・とんかつ定食には4g、そば・すき焼き定食には6gの塩が入っています。
だから、そばを汁まで飲んでしまうと1日分の塩を取ることになるので、汁は飲まないようにすることが必要になります。
一般的に外食では塩分が多くなると思って間違いありません。
コンビニ弁当も付いている調味料を使わないようにして1食の塩が4g位になります。
レモンや酢を調味料に多く使うと、また、昆布でだしを濃くとると塩の量を減らすことができます。
いろいろと工夫して減塩するように気を付けてください。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨(2011年4月15日 「青いぽすと」掲載)

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