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不整脈:心房細動のお話

循環器内科2011/10/28

高齢化の時代とよくいわれますが、循環器疾患の領域においても、不整脈、特に心房細動の患者さんが増加していると報告されています。
心房細動は、心房(大動脈から一旦心臓の中に血液をためる部屋)が規則的に収縮しないために、心室(動脈へ血液を送り出す部屋)との連動した一定の拍動ができない状態です。
そのために、無症状の場合もありますが、動悸や、めまいを、又、時には失神発作を発症することがあります。
更に、左心房内(大動脈から脳や全身の動脈へ送る左心室の前にある血液を溜める部屋)に血栓を生じ、その血栓が外れて脳梗塞や、全身の動脈血栓症を発症する原因になる場合があり、脳梗塞の約3分の1が心房細動によるもの、といわれています。心房細動によって起きる頻脈による動悸や息切れに対しては、抗不整脈剤を使用する場合もありますが、一方、逆に除脈になる場合にはペースメーカーといわれる除脈を予防する器械を体内に植え込む場合もあります。一方、脳梗塞の予防は重要です。
現在、一般的にはワーファリンという抗凝固剤が使用されますが、ワーファリンの服用について「循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009年改訂)」によって、心不全、高血圧、高齢(75歳以上)、糖尿病、脳卒中の既往がある場合には、ワーファリン服用を薦められる、とされています。いずれにせよ、心房細動の発生は、生活習慣病の一環として起きる場合が多いと考えられますので、その予防には、普段から、日頃の食事や運動など、生活習慣を良好に保つことが最も大切であり、さらに、患者さんによってそれぞれ事情が異なりますので、治療方法等については、かかりつけの先生に相談されることをお勧め致します。


Text by 函館渡辺病院 長谷川 正( 2011年11月1日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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