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乾き目なのに涙目 結膜弛緩症

眼科2018/10/29

 白目(強膜 : きょうまく)の表面は結膜(けつまく)という薄い膜で覆われています。その結膜は黒目(角膜 : かくまく)から始まって外側へのび、数センチ外側でUターンして赤目(瞼 :まぶた)の表面から瞼の縁まで戻ってきます。両手で薄い透明なビニール袋を持っている状態を想像してみてください。そのビニール袋の中に涙がたまっていて瞬きをする度に角膜の表面を涙が覆って潤してくれます。
 年齢とともにこの結膜が緩んでだぶついてきてしまう方があります。この状態を結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言います。結膜弛緩症になると緩んできた結膜は、下瞼の縁からはみ出して角膜の上まで飛び出して、下瞼の縁から白目の固まりが盛り上がって見えるようになっています。
 この状態になると、結膜の折り返し部分に涙をためることができないため涙があふれて涙目になってします。でも逆に、折り返し地点に涙がちゃんとたまっていないということは瞬きをしたときに涙が黒目をきれいに覆うことができず、すぐに涙が蒸発してしまいます。ですから、結膜弛緩症の方の問診票を見ると、「涙が多い」、「目が乾く」の両方に丸がついている場合がよく見られます。
 そのほかに、シブシブする、イズい、目やにがたまる、涙が目尻にあふれるので目尻の皮膚が肌荒れする、といった症状も出てきます。
 治療法としては、結膜を引っ張って張りを持たせた状態で強膜に縫い付ける結膜縫合術(けつまくほうごうじゅつ)を行います。程度の重い場合には結膜を一部切り取ってから縫い付ける場合もあります。
 涙目だけれど乾き目、シブシブする、朝目やにがたまっているという方は一度眼科を受診して結膜の状態をチェックすることをお勧めします。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2018年10月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

飛蚊(ひぶん)症・光視症

眼科2018/10/15

☆こんな症状、ありませんか?

糸くずや虫のような影が飛んで見える、稲妻が光って見える。

・見え方は人それぞれ違う
 眼球の内部にシミやしわができることで、突然、糸くずや虫のようなものが浮かんで見えることがあります。
シミの形や大きさ、数も人によってまちまちです。
また、キラキラと光を感じたり、墨をまいたようなものが見えたりすることもあります。

・放っておいていいものか、自分では分からない
 加齢の変化により生じてくるもので放っておいても大丈夫なものもあれば、眼底出血や炎症、網膜に穴が開くことなどでも見えることがあり、徐々に悪化し視力低下を来すものもあります。
診察を受けなければ良しあしは分からず、自分では判断できません。

 「虫のような影が飛んで見える」などの症状が気になる方は、一度、眼科医にご相談ください。


Text by 江口眼科病院 松下 知弘( 2018年10月15日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

目元を洗う新習慣! リッドハイジーン!

眼科2018/10/12

 「ハイジーン」とは「清潔にする」という意味であり、「リッドハイジーン」は「目元を洗う=眼瞼清拭」のことです。皆さん髪の毛を洗う習慣はありますが、毎日まつ毛は洗っていますか? 実は目の周り、まつ毛の根元も意外に汚れているのです。

 目の縁のまつ毛の根元にマイボーム腺という脂肪の分泌腺があり、涙に油分を与えて涙の蒸発予防や、涙の安定を保つ働きをしています。ここに汚れがたまるとマイボーム腺の働きが悪くなり、目のゴロゴロ感・痒み・かすみ・ものもらい・ドライアイ症状などさまざまなトラブルを引き起こします。女性の場合はエクステ・つけまつ毛・マスカラ・アイラインなどで不衛生になりますし、男性も不衛生な状態からマイボーム腺が機能しなくなることもあります。そして不衛生になったマイボーム腺付近には0.4mm以下のまつ毛ダニがすみつくことも多くなります。実際、日本人の5人に1人にまつ毛ダニがいると言われております。まつ毛ダニがいると目の縁が赤く腫れて痒くなったり、まつ毛が抜けたり、切れたりもします。

 このように、まつ毛の生え際周囲が不潔になると、色々な不調を引き起こすので目の周りを清潔にするリッドハイジーンが大変重要です。

 目の周りの皮膚は身体の中で1番薄い皮膚で、大変傷つきやすいので、オイルクレンジングなどでゴシゴシこするのは禁物です。女性はなるべく濃いアイシャドウ・アイライン・マスカラ・つけまつ毛・エクステなど控えて、自分のまつ毛が傷まないような手入れをして、近づいて見られても、いつも美しい目の周りの健康を保っていくのがよいと思います。

 そのためのリッドハイジーンの専用アイテムもあります。目の周りの病気のみならず、美容の面からも大切なリッドハイジーンの正しいやり方などについては、専門医にご相談ください。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年10月12日発行号 「青いぽすと」掲載)

糖尿病網膜症診療の現況

眼科2018/08/27

 現在、糖尿病とそれを強く疑う患者さんは1000万人を超えるといわれています。
糖尿病になると網膜血管の細胞が高血糖になって障害され、糖尿病網膜症になります。
糖尿病網膜症は糖尿病の最も怖い合併症の一つで、糖尿病患者の15~30%に生じます。
初期には自覚症状がなくじわじわ進行し、網膜症が起こるのは糖尿病発症後平均7~8年です。

 1992年に糖尿病網膜症は視覚障害の原因の1位でしたが、2017年には3位となっています。
これはこの25年で内科の先生による血糖コントロールがより良好に行われるようになったことと、早期に糖尿病網膜症の診断・治療がされるようになったこと、そして眼科診療の進歩によると思われます。

 糖尿病網膜症に対する病態の把握はこれまでの眼底検査や眼底造影検査に加えて、光干渉断層計(OCT)や広角眼底検査によってより正確にされるようになりました。
また、糖尿病網膜症の治療は網膜レーザー光凝固や硝子体(しょうしたい)手術の普及により失明に至る患者さんは減少しました。

 重度の視力障害になる患者さんは減少しましたが、現在糖尿病黄斑浮腫による視機能の低下が問題になっています。
黄斑浮腫の治療はこれまでの網膜レーザー光凝固、硝子体手術に加えて、ステロイドの眼局所投与、VEGF阻害剤硝子体投与が行われています。
以前より視機能の改善が期待できるようになりましたが、まだまだ限界があります。

 さらに最近ではOCT Angiography という造影剤を使わない検査やパターンスキャンレーザー、小切開硝子体手術のような低侵襲の治療が行われています。
診療はより進歩していますが、早期発見、早期治療が重要です。血糖検査を行い、糖尿病と診断されたら眼科を定期的に受診することをお勧めします。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2018年8月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

眼科の検査

眼科2018/08/06

 眼底検査を受けたことはありますか?

 瞳孔の奥にある網膜の血管や視神経の状態を診る検査です。
それにより糖尿病網膜症、網膜剥離や緑内障、動脈硬化などさまざまな異常を発見できます。

 当院での眼底検査の流れは散瞳剤(瞳孔を開く薬剤)を点眼してから30分お待ちいただきます。
瞳孔が開いたら眼底カメラや検眼鏡を使い診察で詳しく診ます。
検査は30分程で終わりますが、薬の効果でピントが合わせにくくなり、まぶしく感じます。
効果がきれるまで4~5時間かかるので車の運転は控えていただくくようにしていますが、遠方から運転の方や公共の交通手段がない場合は院内でお休みしてからお帰りいただいています。
眼の検査といえば視力検査や眼圧検査を思い浮かべる方も多いと思いますが、眼底検査も大事な検査です。
病気の早期発見、早期治療につなげるためにも一度、眼の検診を受けてみてはいかがでしょうか?


Text by くどう眼科クリニック 七尾 奈津子( 2018年8月6日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

睫毛(まつげ)ダニとは?

眼科2018/07/23

 最近テレビなどで取り上げられている睫毛ダニは、睫毛の根元にすみつきます。
睫毛ダニは、ひとたび目の周りが不衛生になると、皮脂や化粧品を食べて活発に繁殖しだします。

《症状》睫毛の生え際がかゆい・ふけのように白くなっている・ゴロゴロする・充血する・まぶたが腫れる・目やにが大量に出る・目が乾く・睫毛が抜けやすくなった、などの症状がある方は、睫毛ダニがいるのかもしれません。

《原因》寝たきりで洗顔ができていない・メイク落としが不十分・洗顔しないで寝る・「アイライン」「マスカラ」「つけまつげ」「エクステ」で睫毛の内側の皮脂腺が詰まっている、などの原因が考えられます。

《診断》肉眼では分からないので自分で見つけるのは困難ですが、眼科では、睫毛を数本抜いて顕微鏡で診察すると見つけることができます。
特に濃いアイメイクやエクステなどをしていて目が乾く症状が強く出ている方は要注意です。
日本人の5人に1人はすみついており、20代の方では2人に1人がすみついているとも言われています。
心配な方は、眼科で調べてもらいましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年7月23日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

身近にひそむ睫毛(まつ毛)ダニ!!

眼科2018/05/28

 最近テレビなどで取り上げられている睫毛(まつげ)ダニは、顔ダニの一種で、睫毛の根元にすみつきます。
実は、日本人のほとんどの方に顔ダニがいますが、通常は悪さをしないので、病院で治療をする必要はありません。

 ところが、睫毛ダニは、ひとたび目の周りが不衛生になると、皮脂や化粧品を食べて活発に繁殖しだします。

《症状》①睫毛の生え際がかゆい②ふけのように白くなっている③ゴロゴロする④充血する⑤まぶたが腫れる⑥目やにが大量に出る⑦目が乾く⑧睫毛が抜けやすくなった―などの症状がある方は、睫毛ダニがいるのかもしれません。

《原因》睫毛ダニの大量発生の原因としては①寝たきりの老人で洗顔ができていない②メイク落としが不十分③洗顔しないで寝る④アイラインやマスカラで睫毛の内側の皮脂腺が詰まっている⑤つけまつげ、エクステのせいで生え際が洗えず汚れがたまっている―などの原因が考えられます。

《診断》睫毛ダニは0・5mm以下と非常に小さく、肉眼では分からないので自分で見つけるのは困難ですが、眼科では、睫毛を数本抜いて顕微鏡で診察すると見つけることができます。特に濃いアイメイクやエクステなどをしていて目が乾く症状が強く出ている方は要注意です。日本人の5人に1人にはすみついており、20代の方では2人に1人がすみついているとも言われています。

《予防》予防としては①必ず化粧を落としてから寝る②目の周りは特に清潔に保つ③マスカラやアイラインを使わない④古い化粧品は使わない⑤目の周りの化粧をしない休息日をつくる―などです。自分の自然の睫毛に化粧品を使わずに清潔に保つことが、結局は睫毛が抜け落ちるのを防ぐことにつながります。

《治療》ダニによるアレルギーや感染症・ドライアイなどの合併症状の治療を行います。また、洗浄液を使用し睫毛を清潔にする方法があります。
ぜひ、眼科を受診して下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年5月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

目薬の『ステロイド』

眼科2018/05/14

 桜も咲いて暖かくなり、「花粉症で目薬を処方されたら、『ステロイド』と書いてあったので心配です…」とのお問い合わせが多い季節です。
テレビ等で危険な印象があるようですが、点眼薬には目以外の副作用はありません。

 ステロイドの副作用としては、
①眼圧上昇:約2週間後から一部の方に起こります。
眼科で眼圧を確認するしかありません。
放置すれば緑内障に進行し治療法がありませんが、そうなる前に中止すれば問題ありません。
②白内障:1年以上後から一部の方に起こります。
若い世代でも起こり、手術以外では治すことができません。
③(眼の)感染症:期間によらずまれにありますが、糖尿病やコンタクトレンズなどの事情がある方が多いです。
自覚症状の悪化で気付くことが多いです。

 ステロイドは「短い間だけ使う」「長く使うなら受付で『薬だけ』と言わない」「『検査は不要』と言わない」なら心配なく、とても良い薬だと思いますよ。


Text by 江口眼科病院 松浦 恭祐( 2018年5月14日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

70歳代の8人に1人に潜む緑内障

眼科2018/04/23

 去る3月12日、13日に五稜郭タワーが緑色にライトアップされました。
これは、緑内障週間の啓発活動の一環ですが、ご覧になった方も多いでしょう。
緑内障は40歳以上の方の5・8%(17人に1人)に認められる病気です。
そのパーセンテージも年齢が上がるに連れて増加していきます。
70歳代ならば実に13%(8人に1人)の方が緑内障になってしまいます。

 さて、それでは緑内障という病気はどんな病気なのでしょうか?

 カメラのフィルムにあたる網膜には、一面に視神経繊維が張り巡らされています。
その視神経繊維が、太い1本の束・視神経となって脳へ向かうところを、視神経乳頭といいます。
緑内障は、この視神経乳頭にへこみができ=乳頭陥凹(にゅうとうかんおう)、正常に機能する視神経が減少する病気です。
一度失われた視神経は、二度と元に戻りません。
病気の進行とともに、見える範囲が徐々に狭くなり=視野欠損、最悪のケースでは、光を失うことになります。

 視神経が痛められる大きな原因は、眼圧が高過ぎる状態「高眼圧」です。
高眼圧は、空気を無理につめてパンパンに固くなったボールのようなものです。
しかし、眼圧が正常でも、視神経乳頭が陥凹することもあります。
それは高齢者の場合、視神経乳頭の構造が相対的に弱くなるためです。

 緑内障治療のキーポイントは、早期発見です。
40歳を過ぎたらできるだけ眼底検査を受けるようにしましょう。
緑内障は早期発見と適切な治療により、多くのケースでは、一生十分な視野・視力を保つことができるようになっています。
緑内障は一旦視野の異常が起きたら後戻りはできないのです。
眼圧コントロールの必要性をよく理解し、欠かさずに通院しましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2018年4月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

アレルギー性結膜炎の原因(アレルゲン)を調べてみませんか?

眼科2018/04/13

 アレルギーは、通年性と季節性のものがあります。
通常、通年性アレルギーはハウスダストなど年間を通じて空気中にある物質により起こり、鼻炎症状が強く、目の症状は軽いことが多いです。
一方、季節性のアレルギーは一定の時期に出現する花粉などが原因で起こるアレルギーであり、皮膚のかゆみ・鼻水・くしゃみ・涙目・目の充血など、目にも症状が強く出ることがあります。
季節性アレルギーはいわゆる花粉症ですが、地方によって植物の種類や、花粉の飛ぶ時期が違います。

 北海道地方ではスギ花粉の飛散がきわめて少なく、シラカンバやテンサイが花粉症の原因物質(アレルゲン)として見られます。
しかし、ここ道南地方は唯一スギ花粉の飛散が見られる土地で、すでにスギ花粉の飛散が始まっています。
花粉症のアレルゲンとして4〜6月はスギ・シラカンバ・ハンノキ・ヒノキ・イネ、7〜9月はイネ・ヨモギ・ブタクサ・テンサイなどの花粉の飛散が多いとされています。
しかし、温暖化により今までは東北地方の花粉アレルゲンだったアカマツ・りんごなどが道南地方では4〜6月に飛散するようになってきています。

 また、口腔アレルギー症候群といって、(左下の)花粉症がある方が、(右下の)果物、野菜などを食べた時に、花粉症と同じ症状になるのに加え、口腔内にピリピリ感が発症することがあります。
口に入った途端にのどの腫れや痒みで気づくのですが、蕁麻疹や喘息など重症化しやすいので注意が必要です。
よって、重症化を回避するためにもアレルギー性結膜炎になったことのある方は、1度自分のアレルギーの原因をちゃんと血液検査で調べておくことをおすすめいたします。

シラカンバ → りんご・もも・さくらんぼ
イネ科 → トマト・メロン・スイカ・オレンジ
よもぎ・ブタクサ → メロン・スイカ・りんご・セロリ


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年4月13日発行号 「青いぽすと」掲載)

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