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眼精疲労(疲れ目について)

眼科2017/12/11

 眼精疲労を訴えて眼科を受診する方がたくさんいます。
症状を詳しく聞くと、かすみ、眼の奥や周囲の痛み、ピントが合わない、異物感、まぶしい、首や肩の凝り等さまざまです。
その原因は視力の低下、眼鏡やコンタクトレンズが合わない、老視、不同視、斜視(斜位)、ドライアイなどです。
特に多いのは遠視や乱視があるのに、生活に困らないため眼鏡を掛けず無意識に調節をしている、老眼鏡を掛けずに近くを見続けているケースです。また眼鏡を掛けてはいるもののフィッティングの悪さが原因で眼精疲労が生じるケースもあります。

 つまり眼精疲労は“歳のせい”ばかりが原因ではないのです。眼精疲労を主訴に受診され緑内障や網膜疾患等が見つかることもあり、思わぬ原因が潜んでいるかもしれません。

 症状のある方は眼科で検査を受けてみてはいかがでしょうか?


Text by 江口眼科病院 金井 敬(2017年12月11日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

中途視覚障害の3大要因とは?

眼科2017/11/27

 日本においては、緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性症が中途視覚障害の3大原因と言われています。

①緑内障は、眼圧が高いことにより、視神経が圧迫されて枯れていき、見える範囲が狭くなってしまう病気です。緑内障は進行性なので、残念ながら、一度失ってしまった視野は元に戻すことができません。そんな大変な病気なのに、実は自分では、ほとんど気付きません。なぜならば、視野が欠け始めていても、もう片方の目が助けてくれているからで、自覚症状が出るころには、かなり視野が狭くなっています。
 日本人では40歳以上の20人に1人が緑内障です。緑内障にはいろいろなタイプのものがあり、正常な眼圧であっても、その人にとっては、視神経が圧迫を受け、視神経が枯れていくタイプもあります。これを「正常眼圧緑内障」と言います。眼圧が高いタイプと違い、眼痛やかすみ目などの症状を伴わないため、発見されていないことが多くあります。実は、日本人はこの「正常眼圧緑内障」が多く、緑内障患者の半数以上を占めています。

②糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症ですから、内科で糖尿病と診断をされた方は、眼科を受診し定期的に眼底検査をすれば、眼底出血も早めに発見できます。ところが、かなり視力が低下してから初めて眼科を受診する方が多いのが現実です。この場合、治療をしても、中途視覚障害の方向に向かっていくことがあります。ぜひ、内科と眼科の両方を早い時期から受診することをお勧めします。

③網膜色素変性症は、遺伝性疾患で、残念ながらこれといった良い治療方法は現時点ではありませんが、今話題のiPS細胞による治療法がこれから期待されています。

 以上のような、中途視覚障害にならないよう早期発見・早期治療が大切です。
眼科の検査は痛くないので、気軽に、定期的に眼科を受診することをお勧めします。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子(2017年11月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

白内障

眼科2017/10/30

 白内障は、目の中の「水晶体」が濁る病気です。
おおまかに、加齢によるものとその他の白内障に分けられます。
圧倒的に多いのが加齢性の白内障で、早ければ40歳代から始まり、70歳ではほぼ全員に白内障がみられます。

「水晶体」はカメラのレンズに相当する器官のため、これが濁ることによりまぶしく感じる、明るいところで見づらい、逆に暗いところで見づらい、霧がかかったようにぼやける等の症状が現れます。
ただ視力に関しては、濁り方の違いにより初期から視力が下がるタイプや、進行しても視力が良いタイプまでさまざまです。

 「白内障です」と言われたら、何もせず経過観察するか、点眼薬または手術による治療を選ぶことになります。
点眼薬は進行を遅らせる効果は期待できますが、決して進行を止めるものではありません。
各自の日常生活において不便を感じるようになったら手術を考える時期です。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利

寒くなると涙目? 乾き目?

眼科2017/10/23

 冬場は空気が乾燥してきますが、それに加え暖房を入れるとなおさら室内の空気が乾燥します。
そうすると目が乾く、ショボショボするという患者さんが急に増えてきます。
乾き目=ドライアイの患者さんには2種類あります。
涙が根本的に少ないタイプと涙は普通の量なのに乾き目になってしまうタイプです。

 前者は重症になるとシェーグレン症候群と呼ばれ、涙の他に唾液も少なくなって口も渇く病気です。
治療は、保湿成分のヒアルロン酸や涙の量を増やす点眼液をさします。

 後者は結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言って、白目の表面の皮=結膜がだぶついてくることによって涙が目の表面で安定しなくなり蒸発しやすくなってしまうという病気です。
治療は点眼薬を用いますが改善しない場合は、だぶついた結膜を引っ張って伸ばして縫い付ける手術をします。

 乾き目には、ドライアイ用のメガネも有効です。
スキーのゴーグルのようにレンズ・フレームと顔の隙間を埋めるパッドがあり涙の蒸発を防いでくれます。
また、加湿器の役目をする水タンクが付いて目を潤してくれます。

 逆に冬場は涙目になるという患者さんも増えてきます。
涙点が小さくなってしまう病気「涙点狭窄症(るいてんきょうさくしょう)」の患者さんは、冷たい風に当たると涙が増え、それが目の外に捨てられなくなるので涙があふれてしまうのです。
また、涙点だけではなく、目頭から鼻にかけて通っている涙の下水管=鼻涙管(びるいかん)自体が詰まってしまっている病気が「鼻涙管閉鎖症(びるいかんへいさしょう)」です。

 これらの場合、まず涙を減らす目薬を使ってみますが、効き目が少ないようならば、涙点切開術や涙道チューブ挿入術などの涙目の手術をする必要があります。
涙目を軽減するために目に冷たい風を当てないという意味では、前述の縁の付いたメガネも有効だと思います。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(2017年10月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

自覚症状が出てからでは遅い

眼科2017/09/28

 眼科の目標は視覚障害を防ぐことですが、現在、すべてを治せるわけではありません。
今回はその中の一つ、糖尿病網膜症についてです。
糖尿病を発症すると血糖値が高くなり、血管の壁が障害されます。
血液循環が悪くなり、網膜の細胞に必要な酸素や栄養が不足します。
さらに、老廃物の回収が滞ります。

 初期の単純網膜症から中期の前増殖網膜症、末期の増殖網膜症へと進む過程で、自覚症状が出るのは末期になってからです。
増殖網膜症では眼球の内部構造が変化しているため治療しても完全に元通りにはならず、何らかの後遺症が残ることがあります。
そのため、自覚症状がでる前のできるだけ早くからの加療が必要です。

 自覚症状がある人、健診で高血糖を指摘されたのについつい内科に行きそびれている人、内科での治療を中断してしまった人、血液検査を何年もしていない人はできるだけ早く受診しましょう。
「糖尿病が疑われる人」は国内で約1,000万人と推計されています。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利(2017年9月30日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

緑内障の早期発見・早期治療

眼科2017/08/28

 緑内障という病気を聞いたことはあると思いますが、どのような病気か知っていますか?

 緑内障は眼圧上昇や神経の脆(もろ)さによって網膜の視細胞が障害され視野が欠け、視力が低下する病気です。

 緑内障は現在日本の失明原因の第1位です。
疫学研究によると、日本人の40歳以上の緑内障の有病率は約5%との報告があります。
また、緑内障と診断された患者のうち、約80%は自覚がなく、治療を受けていないといわれています。

 最近、検査機器は目覚ましく進歩しており早期発見、早期治療が可能になってきています。
その中でもOCT(光干渉断層計)というものが、緑内障の早期発見の役に立ちます。

 緑内障は視神経に障害が起きて視野障害が起きる病気です。
OCTはその神経細胞の厚みを測定し、緑内障が進行しているかどうかを診断できます。
 
眼底に緑内障を示唆する所見があるが、まだ視野障害が起きていない状態を前視野緑内障といいます。
これはOCTが行われるようになってから確立された概念です。

 この状態に対して現在の緑内障のガイドラインでは原則的に治療せず経過をみるということになっています。
しかし高眼圧であったり、緑内障は遺伝もリスクファクターになるため、例えば近親者に緑内障の方がいたりする場合などは積極的に治療を検討する場合があります。

 医療は日々進化しており、今まで治療の対象とならなかったものも、治療したほうがよいのではないか、という議論がでてきております。

 緑内障は決して珍しい病気ではありません。
何か気になることがあれば眼科を受診してみてはどうでしょうか?


Text by 江口眼科病院 仲嶺 盛(2017年8月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

40歳を過ぎたら、眼底検査を!!

眼科2017/08/24

 「目を見ればその人が分かる」と言いますが、これは本当で、眼底は体の中で血管を直接観察できる唯一の場所です。
体がメタボならば、目にも高血圧・高脂血症・糖尿病による合併症が出現する可能性があるのです。
イギリスの若者対象の調査によれば、肺がんや脳卒中よりも失明が一番恐怖という結果が出たそうです。
瞳孔を広げる点眼薬をつけて眼底検査を行えば、目の重要な病気を早めに見つけることができます。

 また、40歳以上の日本人の5%は緑内障で、疑いのある人を含めると、さらに多くの方が緑内障と気付かずにいると言われています。
緑内障は進行性で日本の失明原因1位の病気ですが、早めに発見し眼圧を下げる治療を行えば、進行を遅らせることができ、老後も身の回りのことができる視野を保てる可能性があります。
緑内障も眼底検査と視野検査・眼圧測定で見つけることができます。
早期発見のために気軽に眼科を受診しましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子(2017年8月24日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

気をつけて!! 簡単に買えてしまう、おしゃれカラーコンタクト!!

眼科2017/08/18

 近年、おしゃれ目的の度無しカラーコンタクトレンズ(以下:おしゃれカラコン)が雑貨屋、洋服店、ディスカウントストア、薬局などで販売されており、コンタクトの使い方を知らないまま、手軽にそのカラコンを初めてのコンタクトレンズとして装用している若者が増えています。
しかも、それらのおしゃれカラコンによる目の障害が増加し続けていることは本人達にはあまり知られておらず、本当に目が痛くなって初めて眼科に来て、カラコンの障害の恐ろしさに気づくようです。
本来コンタクトレンズは、眼科で検査を受けて自分の目の形に合ったレンズを選んでもらい、使い方の指導を受けてから装用を開始するべき高度管理医療機器です。
では、眼科以外で販売されているおしゃれカラコンは何がまずいのでしょうか?

①眼科受診をせずに店で簡単に購入し、目に入れてしまうので形が自分の目の形に合っていない場合がある

②コンタクトレンズは高度管理医療機器なので必ず厚生大臣の承認が必要なのに、おしゃれカラコンは未承認の物が多い

(承認と書いてあっても実は嘘であることが多い。特に直径15mmを超えるようなデカ目カラコンは個人輸入業者が売っている未承認レンズのことが多い)

③角膜への酸素供給が極めて少ない昔の安い素材で作られている

④レンズが厚く、さらに着色部分の凸凹で角膜に傷をつけてしまう

⑤着色部分の色素(金属)が溶け出して角膜に傷をつける

 以上のような色々な原因が重なって、本当に目が痛くなってからやっと眼科を受診してくるのです。
2014年の国民生活センターのおしゃれカラコンユーザー1000人へのアンケート調査では、約24%が最近1年間に目の調子が悪くなったと回答しています。

 ソフトコンタクトレンズは自覚症状が出にくく、重症になって初めて痛みを感じることもあるので、痛みが無くても異物感や充血を感じたら早めに眼科を受診してください。
角膜障害を放置すると傷から細菌感染を起こし、視力が低下し、最悪の場合は失明になるほどの炎症がおきてしまうこともあるのです。

 今では医療用のカラコンも種類が豊富です。
危険なおしゃれカラコンではなく、眼科で安全なカラコンを作りましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子(2017年8月18日発行号 「青いぽすと」掲載)

白内障手術により、よく見える快適な生活を!!

眼科2017/05/29

人間の目はカメラに似ていて、レンズにあたるのが水晶体です。
水晶体は加齢とともに濁ってきます。
それが『老人性白内障』です。50歳を過ぎると5人に1人くらい、80歳ではほぼ全員が白内障になります。
以下のいずれかの症状がある時は、白内障の可能性があります。

①遠くも近くも、かすんで見える

②明るい所でギラギラして、物が見づらい

③今まで老眼鏡が必要だったのに、急に近くが見やすくなる

④物がだぶって見える

最近はアトピー性皮膚炎や糖尿病との合併による50歳以下の若い年齢での白内障も増えてきています。白内障には、進行を遅くする点眼薬がありますが、この点眼で水晶体の濁りをなくすことはできません。あくまでも進行を少しゆっくりするだけなので、いずれは手術で濁った水晶体を取り除き、かわりに人工水晶体を入れることになります。しかし、濁っている部分や程度は個人差があり、ひとりひとり手術するべき時期は違います。

近年TVなどで、日帰り白内障手術が取り上げられ、白内障手術は、誰にとっても楽な手術と思う方も多いと思います。しかし、ある程度までの白内障ならば、現在主流の超音波乳化吸引術により10分程度で行えますが、白内障が進むと、とても硬くなることがあり、超音波乳化吸引術が困難になり、傷を大きく広げる手術に変更しなければならなくなります。「白内障はかなり進んでからじゃないと手術はできない」と思うのは間違いで、ご自分が不便を感じた時が手術の時期と考えてよいと思います。白内障は、失明するような病気ではないので、見えづらいと感じたら手術をすればよいのです。あまりに硬く、濃い茶色に濁るまで放置すると手術の危険性が増してしまいますので、硬くなりすぎる前に受けることをお勧めします。

手術を受けた方は、「こんなに見えるようになるのならば、もっと早くに受けていればよかった」と、おっしゃる方が多数です。

よく見える快適な生活を手に入れるために、お気軽に眼科医にご相談下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子(2017年5月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

春の眼科検診での視力と色覚検査

眼科2017/04/24

 新学期を迎え、眼科医が学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば、専門医を受診するようにと書かれた健診の結果用紙を子どもたちは学校から頂いてきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力検査は初めての経験で、やり方も良く理解できていないのかも知れません。
そのため本来の視力より低く出ただけ、ということもあります。

 しかしながらこの年齢で検査結果が悪い場合、遠視や乱視が原因のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視や乱視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともあるため、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。

 簡単に言うと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントが合った画像が目に入るので弱視になることはありません。
それに対し強い遠視や乱視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけています。
いつもはっきりしない画像しか見ていないため、放置するとメガネで矯正しても視力がでない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。

 色覚検査は現在、希望者のみ行われています。
プライバシー保護のため一人一人が別々に検査を受けられるようになっています。

 先天性色覚異常は男性で5%と、おおよそクラスに1名いる換算になります。
小学校に上がると消防車の写生を全員でしたりと色使いにも色覚異常の生徒ははっきりと現れることになります。
美術以外の教科でも先生が黒板に書いた字が見づらい、学校の掲示物が読みづらいなどの不具合が出ることもあります。
小学生のうちにぜひ色覚検査も受けてみることを勧めます。

 健康診断で視力検査の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(2017年4月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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