40歳を過ぎたら、眼底検査を!!
「目を見ればその人がわかる」と言いますが、医学的にみてもこれは本当のことで、目は体の中で血管を直接観察できる唯一の臓器です。
身体がメタボならば、目にも高血圧・高脂血症・糖尿病による合併症が出現する可能性があります。
イギリスの若者対象の調査によれば、「肺ガンや脳卒中よりも失明が一番恐怖である」という結果が出たそうです。
瞳孔を広げる点眼薬をつけて眼底検査を行えば、目の重要な病気を早めにみつけることができます。
40歳以上の日本人の5%は緑内障で、疑いのある人を含めると8人中1人はいることがわかっており、日本の失明原因1位の病気です。
緑内障は進行性の病気ですが早めに発見し眼圧を下げる治療を行えば、進行を遅くすることができ、老後も身の回りのことができる視野を保つことができます。
緑内障も眼底検査と視野検査・眼圧測定でみつけることができます。
早期発見のために定期的に眼科を受診しましょう。
『矯正装置=目立つ』は昔の話!?
悪い歯並び・かみ合わせを治したいけれど、装置が目立つのがイヤで歯列矯正に踏み切れないという方がおられるかもしれません。
しかし、目立つ矯正治療法しかなかったのは遠い昔の話です。
材料や技術の進歩によって、「見えない・目立たない矯正」と称される見た目に非常に優れた矯正治療法が考案されており、多感な時期の中高生や大人の方でも抵抗なく歯列矯正を受けられる時代となっております。
その中でも非常に審美性に優れた治療法として挙げられるのが「裏側矯正(舌側矯正)」と「マウスピース矯正」です。
裏側矯正とは、基本的に歯の裏側にブラケットというボタンを付けて、それにワイヤーをくくりつけて歯を動かす治療法です。
マウスピース矯正は、個々人の歯型に合わせて製作した透明なマウスピースを定期的に交換しながら歯を動かす治療法で、ワイヤーを用いた矯正治療とは一線を画す次元の異なる治療法です。
どちらも金属色の装置が外から見えないため、見た目を気にせずに歯列矯正を受けられます。
裏側矯正は日本生まれの矯正治療法で、ヨーロッパや日本、韓国を中心に広まっており、一方、マウスピース矯正はアメリカ発祥で、こちらも全世界的に広がりをみせている矯正治療法です。
日本でも東京や大阪には裏側矯正専門やマウスピース矯正専門の歯科医院があり、大都市を中心に日本でも普及し始めております。
道南でも矯正治療を受けることは珍しいことではなくなっておりますが、裏側矯正やマウスピース矯正となると残念ながら知名度がまだ低いのが現状です。
以前は、裏側矯正とマウスピース矯正は、表側に装置を付ける矯正治療法(唇側矯正)と比べて、治療期間がかかる、仕上がりが良くない、治せる症状が少ないなどといわれておりましたが、今では期間、仕上がりにほとんど差はなくなってきており、広範囲の症状に対応できるようになってきております。
目立つ矯正装置に抵抗があって歯列矯正に踏み切れない方は、裏側矯正やマウスピース矯正に詳しい矯正歯科医にご相談下さい。
(これらは自由診療です。治療内容により費用は異なりますので歯科医に御相談ください)
中学一年生・高校三年生のMR(麻疹・風しん)ワクチンを忘れずに
ここ数年、大学生を中心にして麻疹が流行しています。新聞などでずいぶん報道されましたから、皆さんも記憶に残っていると思います。
麻疹は昔から「命定め」と言われるように、子どもたちが罹(かか)ると命と引きかえになるほど、恐い感染症として知られていました。
昭和53年から麻疹ワクチンが始まったことにより、日本人には、あまりみない病気、命に関わったことなどは忘れられた病気になりました。
一般の人にはあまり関心を持たれない感染症ですが、欧米ではSARSや新型インフルエンザと同等かより以上の警戒感を持って対策に労力を費やしている病気です。
2006年に小児科医にとって念願の麻疹ワクチンの2回接種が、風しんを合わせての接種として始まりました。
さらに、日本から麻疹そのものをなくすことを目標に昨年から中学1年生、高校3年生に対する5年間限定のMRワクチンの無料接種が始まりました。
麻疹が流行して一番困るのは本人に脳炎が起こって麻痺が残ったり、植物状態になったりすることですが、麻疹ワクチンを打つことができない1歳未満のお子さんが流行のために麻疹に罹ると、数年から数十年後に同じように脳炎の症状が出て、重い障碍(しょうがい)を残すことが知られています。
自分自身が麻疹にかからないことも重要ですが、多くの子どもたちがワクチンを接種することによって、流行そのものを起こさないようにすることが最も重要なことです。
そのためには、接種可能な子どもたちの95%以上が、麻疹に対する抵抗力をワクチンなどにより確保していなければなりません。
ここ数年、函館地区では麻疹の流行がほとんどありませんので、ワクチンをしない限り抵抗力を確保することはできません。
今年、大学生になった多くの人たちは、大学側から、麻疹ワクチンの2回接種の証明や抵抗力がどれくらいあるかの数値を採血して提出するように求められています。
各市町村から連絡が来ていることと思いますので、できるだけ夏休み前までにワクチンを済ませていただくようお願いいたします。
あなたも過活動膀胱かもしれません
前ぶれもなく起こる急な尿意を感じたら泌尿器科へ!
過活動膀胱は男性、女性、若年、高齢にかかわらず誰もがなりうる病気です。
40歳以上では8人に1人が過活動膀胱の症状を持つと言われています。
間に合わずに漏れそうになる、人よりもトイレに行く回数が多い、夜何度もトイレに行くので眠れない、おしっこをした後なんとなく気持ち悪い、などの症状があればそれは過活動膀胱かもしれません。
泌尿器科には行きたいけどちょっと恥ずかしいし、どんな検査をされるのか不安。こんな思いをされている方は多いと思います。しかし排尿に関する医療の進歩により、難しい検査をしなくても診断や治療ができるようになりました。
泌尿器科を初めて受診された場合、まず症状や普段の状況を詳しくうかがいます。
そして、病気に関連するいくつかの質問をさせていただき診断を導きます。
診断が確定できない場合には検査を行うことになりますが、その場合も尿検査や超音波検査など苦痛の少ないものを優先的に行うので心配はありません。
治療が始まった後も、その後の症状の変化を確認しながら無理なく続けられる治療方法を相談しながらすすめてゆくので不安なく継続してゆくことができます。
悩むよりはまず泌尿器科へご相談ください。
最近のワンランク上の美白・しわ治療の複合治療レーザートーニング、皮膚再生治療(セルリバイブ・ジータ)と点滴療法、トラネキサム酸ビタミン導入
ワンランク上の『しみ・しわ・たるみ・くすみ』などの治療は『セルリバイブ・ジータ、マイセル・プラス』などの皮膚再生若返り治療や、フォトフェイシャル『フォトRFオーロラやフォトRFリファーム』などのIPL(光エネルギー)・赤外線レーザーやRF(高周波)によって、メラニン色素を消去したり、線維芽細胞を刺激して、コラーゲン線維の産生を促し、『しみ・しわ』を改善させるいくつかのコース治療方法と『美白点滴治療』を、同時にまた、複合的(施術・点滴時間30~40分)に行って、個々のお肌のトラブル、悩み、ニーズにお応えします。 『美白点滴治療』は、ビタミンC/ビタミンB群/ミネラル/プラセンタ(人胎盤エキス)を症状に合わせて点滴することで、血管を経由して直接細胞にビタミン等を送り、ストレスを抱えた肌のトラブルの解消が実感できる治療方法です。 『セルリバイブ・ジータ、マイセル・プラス』などの皮膚再生若返り治療は単独でも効果はありますし、フォトフェイシャルと美白点滴治療の複合治療を2~3週間毎に繰り返すことで自己の皮膚のコラーゲンが再構築され、長時間のお肌のタイトニン効果が期待できます。 また、最近注目されている美白治療は、今まで薄くすることが難しかった『肝斑』も『レーザートレーニングやレーザーピーリング』を使用しながらトラネキサム酸ビタミン導入を行う治療で有効です。
痛みが少なく、安全、かつ、お化粧がすぐできます。 今では、しみしわの治療は治療法を専門医の説明の上で、御本人によって選択することができます。 長年のゴルフやテニスなどの屋外スポーツや仕事、車の運転で片側の顔や手の甲にしみやくすみが目立ち、急に気になってきた方。
目の下のしわ、ほうれい線、鼻の周囲の毛穴やニキビ跡が気になっていて、自分で色々とスキンケアをしたが諦めてしまっている方。
毎日の仕事が忙しくまとまった時間がとれない方。
専門医に相談してみて下さい。
緑内障について
先週の11日、12日に五稜郭タワーが緑にライトアップされているのをご覧になりましたか? 世界緑内障週間の一環としてライトアップinグリーン運動が行われ、日本全国でランドマークや病院が緑にライトアップされました。
これは緑内障にとって、早期発見・継続治療がとても大切であることを広く知って欲しいという思いが込められています。
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝える視神経が傷んでしまい、見える範囲が狭まってしまう病気です。
進行はゆっくりですが自分では気付きにくく、気付いた頃にはかなり進んでいることが多い病気で、治療せず放置しておけば失明する危険もあります。
40歳以上では20人に1人が緑内障を発症すると言われています。
緑内障の早期発見のためにも、40歳を過ぎたら定期的な目の検診をお勧めします。
ドライアイ
まばたきをしないで10秒間、目をあけていられますか?
できなければドライアイかもしれません。
目の表面はいつも涙でおおわれていなければなりません。
なぜなら涙はただの水ではなく、目に必要な栄養や、外界の雑菌をやっつける成分を含んでいて、目にとって大変重要な役割を果たしているからです。
ドライアイとは、この大切な涙の産生が不足して、または、涙に含まれる成分が変化することにより眼表面での分布が不安定になり、どんどん蒸発した結果、目の表面がただれている状態のことをいいます。
【ドライアイの原因】
年齢を重ねると涙を作りだす涙腺の機能が低下し、分泌量が減少することがあります。
また、涙の成分構成が変化して蒸発が速まる場合があります。
現代はドライアイになりやすい環境がそろっています。
集中してPCやゲーム機のモニターを見ることでまばたきの頻度が低下します。
今年は例年に無い残暑でしたが、職場や車のなかではエアコンが効いていて、体は快適でも目には過酷な環境となっています。
血圧を下げる薬や、精神疾患薬のなかには涙の分泌を減少させるものがあります。
目薬にも目の表面をただれさせるものがあり、特に緑内障の薬を使用している場合は定期的な観察が必要です。
膠原病や関節リウマチなどの全身疾患ではドライアイを併発することがあります。
【ドライアイの治療】
人工涙液とよばれる涙の成分に近い点眼薬や、目の表面を保護するヒアルロン酸ナトリウム点眼薬がよく使われます。
また最近、眼表面での涙液の安定性を高める点眼薬も使われ始めました。
涙点プラグ挿入術は、涙が鼻の奥に流れ出ていかないよう、涙の排水口にふたをする治療法です。
少ない涙液分泌量でも貯留量を増やすことができ、ドライアイの状態を改善させることができます。
点眼薬は作用が強い弱いではなく、どれが最も効果的かということが一番重要です。
我々眼科医は、一度の処方ですぐに決めるのではなく、眼所見の変化をみながら薬を取捨選択し、決定していきます。
ゴホンといえば・・・
みなさんは咳が続いて心配になったことはありませんか。咳は、持続期間によって3つに分類されています。3週間未満の急性咳嗽(がいそう)、3週間以上8週間未満の遷延(せんえん)性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽です。
また、痰を吐く喀痰(かくたん)を伴うか否かによっても2つに分類されており、喀痰を伴うものを湿性咳嗽、喀痰が少量もしくは全く伴わないものを乾性咳嗽といいます。一般に持続期間が短いほど風邪症候群や気管支炎、肺炎などの急性感染症よるものが多く、感染の終息とともに自然に改善します。
一方、持続期間が長いほど感染症以外の疾患の可能性が高くなります。ここでは3週間以上咳が続いている場合について、病院ではどのような疾患を心配し、どんな検査が必要であるかをご紹介します。
最初に施行するのは、胸部レントゲン検査と胸部の聴診です。これは咳嗽診療の原則で、胸部レントゲンを施行する事によって、肺炎や肺癌、肺結核、気管支拡張症、重度の肺気腫、間質性肺炎などの疾患を除外することができます。また聴診では胸と背中の呼吸音を聞くことで、気管支喘息発作や間質性肺炎などを見つけることできます。
これらの検査で問題ない場合は喀痰検査を施行し細胞成分や細菌感染の有無を調べたり、呼吸機能検査や血液検査が必要なときもあります。
咳の症状において季節や1日の中で変動があるか、温度変化などの影響があるか、アレルギー体質かどうかなどの情報もとても大事です。咳が続いて心配な方は、是非一度病院を受診して下さい。症状は一見同じように見えても急性、慢性によっていろいろな原因ありますので 適切な治療をうけることをお勧め致します。
胃アニサキス症に注意しましょう
魚の生食にまぎれて人間の口から入り込み、主に胃で悪さをするアニサキスという名前の寄生虫がいます。
胃アニサキス症の症状は食品を摂取して数時間後の激烈な胃痛が典型的ですが、吐き気やじんましんを伴うこともあります。
これらの症状はアニサキス症に特異的なものではありませんが、食事内容の問診と典型的な症状から疑う病気の一つになります。
そして緊急で胃カメラを行うと、白くて細長い2cmほどの虫体が頭を胃の壁に突っ込んでにょろにょろもがいているのを観察できます。
確認されたら引き続き内視鏡を通じて鉗子(かんし)と呼ばれる器具を挿入し、つまんで除去します。
その後速やかに痛みは引けていき治療は完了です。
アニサキスはもともとクジラやイルカが宿主(寄生する先の生き物)であり、人間は宿主ではありません。
クジラやイルカに食べられる前のイカやサバなどの魚の体内で幼虫の状態になっており、人間に悪さをするのは実はこの幼虫なのです。
ですから人間の口からうまい具合に入り込んだものの、人間の胃はアニサキスにとって好適な環境ではなく、成虫にもなれずに迷走の末、胃の壁から出ようとしているのかもしれません。
もがいているうちに数日で自然に死んでしまい、吸収されたり便とともに排せつされたりして排除されます。
アニサキスは食品の70℃以上の加熱か、マイナス20℃以下で24時間の冷凍で死滅します。
なので確実な予防策としては加熱か冷凍を、ということになりますが、新鮮な刺身のおいしさは日本人にとって何物にも代え難いものであり悩ましいところです。
他の予防策として、食物に付着した虫体が肉眼で見える場合は除去したり、アニサキスは虫体が損傷すると動かなくなるため、よくかんで食べることで発症を防げる場合もあるだろうと想定されています。
新鮮な魚はアニサキスの寄生に注意しながら食べましょう。
急な下肢の腫れ
函館も気温が上がってきて晴れた日には屋外で過ごしたり、作業したりすることが増えると思います。そこで注意したいのが急な下肢の腫れです。 下肢が腫れる病気は沢山ありますが、今回のキーワードは2つです。まず長時間の同じ姿勢です。例えば家庭菜園でしゃがんだままの作業やほとんど歩かないままで立ちっぱなしの場合です。長距離の車の運転も当てはまります。
次は脱水です。何時間も水分補給していない場合や屋内外を問わず気温が高い時です。このような状態の後に急に発症することがあるのが下肢静脈血栓症です。 静脈という血管の中で血液がうっ滞して血栓(血の塊)で出来る病気です。血液が下肢から心臓に戻りにくくなることで急に下肢が腫れるのです。
特徴は3つあります。第一は急に起こること、第二に片方の下肢の腫れ、そして第三は痛みです。大抵発症は急で、何日の何時頃からと言えます。何週間も前からということはありません。また両下肢が同時に腫れることは稀で、他の人に後ろからふくらはぎを見てもらうと左右差がはっきりわかります。
血栓の出来た範囲によっては大腿部まで腫れてきます。そして痛みはふくらはぎに多く感じられ、正座するように膝を曲げると違和感や痛みが増します。 この病気の合併症には生命に関わる肺血栓塞栓症があり、エコノミークラス症候群とも言われます。
まず正確に診断することが重要で、専門科は心臓血管外科や循環器内科です。
もし整形外科を受診する場合は下肢が腫れるまでの経過をしっかり説明しましょう。









