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妊娠とウイルス感染

産科婦人科2010/03/23

妊婦さんから「子供が水ぼうそうになったが、お腹の子は大丈夫でしょうか?」「おたふくかぜになったのだけど…」等と質問されることがあります。今回はこれらのウイルス感染症の妊婦への影響についてお話します。妊婦さんが感染した時の話であり、妊婦のどの時期で感染したかにより、話は変わって来ます。ウイルス感染症の胎児への影響でよく知られたものは、風疹です。風疹は5〜10年ごとに流行し、1992年以来流行していないので、そろそろ流行るのではといわれていますが問題は予防接種の副作用で中断の時期があり、また1995年から個別接種となりワクチンをしていない人が、生殖年齢となってきています。妊婦さんが風疹に感染すると、妊娠11週まではほぼ100%の異常が発生がみられ、18週まで率は減っていきますが障害の発生がみられます。心疾患、難聴、眠症状、発育障害などです。サイトメガロウイルスの感染は、児に難聴、視力障害、脳性麻痺、精神発達遅延などの障害がでます。単純ヘルペスウイルスの感染は、児に奇形の発生はありませんが、分娩時に発症していれば児への感染を予防するため、帝王切開となります。「水痘」。帯状疱疹ウイルスは、妊娠20週以前に感染すると先天性水痘症候群といわれる異常が1〜2%出現するといわれていますが、日本ではまだ報告されたことはありません。肝炎ウイルスはB型、C型ともに奇形を起こす事はありませんが、キャリアとなり、将来肝癌となる可能性があります。パルボウイルスの感染「伝染性紅班、りんご病」は20週以前の感染で10%の胎内感染がおき、胎児水腫や胎児死亡となります。「流行性耳下腺炎」。はしかでは先天異常はおきないが、子宮内胎児死亡がおきることがあります。インフルエンザでは先天異常はおきません。発熱や発疹などの症状がでた時には産科医に相談することが大事です。


Text by 松浦 敏章( 2005年3月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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