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続・妊娠いろいろ

産科婦人科2010/04/02

 今回は流産の話です。妊娠22週までの流産は10%から15%と言われています。
そのうちの70%以上が妊娠12週までにおきす。

 流産は何故おきるのでしょう。
昔は出血を繰り返しているうちに栄養が赤ちゃんにいかなくなり流産すると考えられていました。
だから妊娠中に出血すると、流産を起こしかけている入院が必要、薬を飲みましょうと言われました。
現在では、流産は赤ちゃんに主な原因があると考えられています。
それは流産した胎児の大部分に染色体の異常が認められ、受精前後の細胞分裂期に偶発的に発生する染色体の不分離によると考えられています。

 だから一度早期流産をしても次の妊娠では、80%から90%の方はなにごともなく分娩します。

 しかし一部の女性では流早産。死産を連続して繰り返します。
これは不育症といいます。

 原因は

  • 子宮の形態異常
  • ホルモンの異常
  • 自己免疫異常
  • 夫婦の染色体異常
  • 血液型不適合妊娠
  • 免疫学的因子
  • 原因の不明なもの等

です。

 子宮の形態異常とは双角子宮「子宮の中にしきりがあり二つにわかれている。」等の子宮の奇形。
分娩、流産後の子宮内処置後の子宮腔癒着症等です。

 ホルモンの異常は、妊娠に必要な黄体ホルモンの産生能、分泌の低下。甲状腺ホルモンの異常等です。

 最近、これまで流産を繰り返す原因が分からなかった人達のなかに免疫学的異常が原因である女性が多数いることがわかってきました。
本来人の身体は異物が進入してくると、それを排除するようにできています。
それなのに胎児胎盤組織は母体に受け入れられるのは複雑な免疫内分泌学的機構がはたらいているからです。
そのどこかにうまくいかない部分があるために流産を繰り返すと考えられており、その診断のための検査。
その治療法も進んできています。


Text by 松浦 敏章( 2004年5月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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