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月経困難症の原因である子宮内膜症について

産科婦人科2010/06/15

 月経困難症とは、月経時に下腹部や腰に痛みを感じたり、下痢や頭痛、イライラするなど日常生活に支障をきたすことを言います。 今回は、その原因となる子宮内膜症について書こうと思います。
子宮内膜症とは、子宮内膜あるいはそれに類似した組織が子宮腔以外(腹膜・卵巣・卵管・腸など)に発生し、女性ホルモンの刺激をうけることにより増殖し、さまざまな症状を引き起こす疾患です。
また、子宮の筋肉内に病変が発生するものは、子宮腺筋症といいます。
子宮内膜症のほとんどは骨盤内に発生し月経時に子宮内膜と同様にはがれて出血します。
また、卵巣内で増殖すると、卵巣に毎月チョコレート状の古い血液がたまり、大きく膨れ上がり、チョコレートのう胞となります。 主な症状は、月経痛・月経時以外の下腹部痛、性交痛、排便痛、出血が多い過多月経や不正出血などの月経異常です。
そして、卵管や腹膜などの癒着によって卵子をつかみづらくなり不妊の原因にもなります。
子宮内膜症の患者様の30~40%が不妊であり、不妊の女性の50%に子宮内膜症があるといわれています。 検査は、問診、内診、直腸診、血液検査、画像診断、腹腔鏡など必要に応じて行います。 治療として、重症の場合は手術をして病巣を除去する方法と薬物療法があります。
薬物療法とは鎮痛剤で痛みを軽減させたり、ダナゾールやGnRHアナログという薬で病変を縮小させたりします。
その場合女性ホルモンが低下しますので更年期障害のような症状が出ることがあります。
また、避妊にも用いられるピルを服用することで、月経の出血量を少なくし、月経痛を改善させる方法もあります。 今まででしたらピルは自費扱いでしたが、最近は子宮内膜症の治療薬として「ルナベル配合錠」というピルが、保険適用となり患者様に使いやすいものとなりました。
ただの月経痛だと我慢せずに、つらい症状がある方は、婦人科を受診してみて下さい。 前回子宮頸がん予防ワクチンについてお書きしましたところ、多くの方々からお問い合わせがあり、接種される方も増えてきました。
1回目接種後、1カ月後に2回目、半年後に3回目の接種となります。
子宮がん検診と同様にワクチン接種をおすすめします。


Text by 櫻田芳弘( 2010年6月15日 「青いぽすと」掲載)

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