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コンピュータグラフィックスと矯正歯科

矯正歯科2008/08/13

 クオリティ・オブ・ライフ(QOL)は、一般的には生活の質とも訳され、患者の日常生活をどれだけ苦痛の少ないものにするかという意味で用いられております。

 医学、歯学の発達により、治療目標が向上し、ただ単に治すだけではなく、治療の手順、治療後の治り方まで考えておくことが当然となってきつつあります。開腹手術を行わないで、内視鏡手術が好まれるのも良い例と考えられますが、逆に、より高度な医療技術が要求されてしまいます。

 口唇顎口蓋裂(こうしんがくこうがいれつ)の治療、手術においても、30年前は、生まれた直後にぬいあわせて、矯正歯科治療も適用されていませんでしたが、現在では形成外科が担当し、形成外科医でもその得意分野としている医師のみが担当、矯正歯科治療も健康保険が適用され15年ほど経過してきました。

 また生まれた直後から、手術でよりよい結果を得るために、PNAMと呼ぶ、鼻の形や顎の形を矯正する目的の装置を入れるようになりました。その装置を作る際に用いられる模型もCT撮影を行い、その得られたデータから、立体模型をコンピュータグラフィックスにより構築します。さらに光造形法を用いて実体口腔(こうくう)内モデルを作製し、PNAM装置を作る方法を試み、一部実用化しております。今までは、歯科で使われる印象剤を用いて、生まれたばかりの赤ちゃんを、泣かせながら口の型をとる際に、危険性がありましたが、非常に安全なものとなりました。この方法は公立はこだて未来大学や、北海道立工業技術センターの指導により実現したもので、日本においても最先端医療方法です。

 函館には、医・歯学部を持つ総合大学がなく、組織同士の連携が取りづらいと思われがちですが、このように形成外科医、言語治療士、IT技術者、矯正歯科医など他分野の担当者同士が非常に密に連携を取り合うことで、考えたことがすぐに実現できる環境がここにはあります。また、北海道工業技術センターとの間で、このことに関して共同研究として取りあげていただいております。この方法を用いることにより、鼻の形態や、鼻中隔(びちゅうかく)の曲がり具合が良く分かるようになって、更なる治療法の可能性が考えられるようになり、患者さんや術者にとって、利益の多い、この分野では日本でも有数な治療を可能としております。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(  「」掲載)

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