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MRI検査の安全性

脳神経外科2008/09/19

 先日、ある患者さんから「MRIやCTは、放射線を浴びるから、何度も受けちゃ駄目だと友達に言われた」という話を聞きました。
MRI検査が導入されて20年を過ぎた今でもこんな風に思われているのかと少し驚きましたが、医療機関で検査を受けるときに不安になるのは当たり前でしょう。そこで今回は、MRI検査の安全性について、簡単にご説明します。

 レントゲン撮影やCT検査で使われるX線も、MRI検査で使われるラジオ波も、電磁波の一種です。
この電磁波のエネルギーは、その周波数にプランク定数という数字を掛け合わせたものになります。
現在、多くの病院で使われている超伝導のMRI装置で使われるラジオ波の周波数は60数MHz(メガヘルツ)です。
これはラジオのFM放送と同じ位です。一方、X線の周波数はその1千億倍にもなります。
つまり、MRI装置の電磁波エネルギーは、X線の1千億分の1ほどで、検査による健康被害の心配はないと考えられています。

 MRIは、日本語で「磁気共鳴イメージング」といい、字の通り磁気(磁石)を使います。そのため、金属には要注意です。例えば、鉄製のものは検査装置に人間の力では取れないほど強力にくっついてしまいます。
また、金属の種類によっては検査中に熱を発する可能性もあります。
このため、検査前に体内に金属がないかどうか、あるのならどんな種類のものかを確かめます。
入れ墨やアイライナーなどの化粧品にも金属が含まれているため注意が必要です。稀に「熱い」と感じることがあるようです(ヤケドの心配はないと思いますが)。
さらに、強力な磁気のため、クレジットカードなどの磁気カードを検査室に持ち込むとそのカードのデータは壊れてしまいます。
携帯電話もいけません。最後に、妊娠初期の胎児はデリケートな上に胎児への影響は不明なため、妊娠中の検査は慎重にと勧められています。

 このように物理学的影響は色々ありますが、注意点を守っていれば、極めて安全な検査ですのでご安心ください。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

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