家庭血圧を測りましょう
「えっ、血圧160もありますか? 家を出る前に測った時は、120だったんです。私、先生の前ではいつも高いんです・・・」
そう言ってAさんが提示した家庭血圧帳には、綺麗な折れ線グラフが描かれ、自宅で朝と夜に自己測定した血圧(これを家庭血圧といいます)はいつも正常であることを示していました。
このAさんのように診察した時の血圧は高いが家庭血圧は正常であるという場合は、ほとんど問題になることはありません。
それは診察のときに測る血圧よりも夜間や早朝の血圧のほうが、将来起こす疾病に関係するということが解っているからです。
病院で緊張した時などに血圧が高くなる事を白衣現象または白衣高血圧と言い、その頻度はけして少なくはありません。
家庭血圧を知ることによって、降圧薬を不必要に増量されることがなくなり、患者さんも医師も安心して治療を続けることができるようになります。
現在日本の家庭には、実に3000万台以上の家庭血圧計があり、高血圧の患者さんの8割弱の人が所有していると言われています。
しかし、これだけ普及した家庭血圧計ですが、ある調査では家庭血圧の高血圧基準値を正しく知っている患者さんは、2.4%しかいなかったとの報告があります。
来年の一月には、高血圧治療の基準となるガイドラインの5年ぶりの改訂(JSH2009)が日本高血圧学会より発表されます。
その中では家庭血圧の重要性が強調され、初めて家庭血圧による降圧目標値が暫定的に設定される予定です。
降圧目標値は①若年・中年者125/80mmHg未満②高齢者135/85mmHg未満③糖尿病、腎臓病、心筋梗塞後患者125/75mmHg未満④脳血管障害患者135/85mmHg未満になると思われます。
家庭血圧は、朝と夜に1回ずつ連日長時間測定し、その平均を評価していくものですので、その都度の測定値に一喜一憂せず、記録した血圧手帳を主治医にきちんと見せることがとても大切です。
手足のゆびの色調異常
血管には動脈と静脈があり、動脈は赤く静脈は青く描かれることがありますが、流れている血液の色が違うわけではありません。しかし手や足のゆびの色が変わることがあります。主な色は白、赤、紫です。この色は局所の血の巡り(循環状態)を表しています。
白色は動脈に血液が流れなくなった状態で「血の気がない」「虚血」と言い、赤色は動脈に急激に血液が流れ込んだ状態で「紅潮」、そして紫色は静脈に血液が滞っている状態で「チアノーゼ」です。
時間と共に複数の色に変化することをレイノー現象と言います。レイノー現象は寒冷刺激や精神的なストレスによって微細な血管がけいれんすることで起こりますが、その原因については不明のものが多く一次性レイノー現象、「レイノー病」と名付けています。
一方二次性レイノー現象は病気のひとつの症状として色調異常を来すもので「レイノー症候群」と言います。例えば動脈硬化によって血管が細くなり血流が乏しくなる閉塞性動脈硬化症、免疫の異常によって起こる膠原病(こうげんびょう)、肩口の血管が圧迫される胸郭(きょうかく)出口症候群などがあります。いずれも安静にすることで自然に軽快したり、マッサージをしたり温めたり、手や足の高さを変えると元の色に戻ります。何故ならば血流障害が改善されるからです。
このような色の変化が繰り返し起こる場合や元の色にもどらなくなった場合は医療機関で相談されることをお勧めします。専門科はリウマチ科、心臓血管外科、循環器内科などです。
これからは、細いだけじゃない、よく見える内視鏡
ここ数年、特殊光観察による強調画像を用いた胃・大腸カメラが普及してきました。
血液中のヘモグロビンに吸収される波長の光を照射することにより、食道・胃・大腸の粘膜表面の細かい血管構造を描き出し、正常粘膜とがんとをカメラで区別することができるようになりました。 すなわち、いままでの胃カメラや大腸カメラでは、見逃されることが多かった小さな病変が、この新しいカメラを使用することによって見つけやすくなったばかりでなく、がんを含めた腫瘍の大きさの範囲、深さ(進行度)が、詳細にわかるようになってきました。
胃カメラが、直径5~6mm程度の細さになっただけではなく、胃カメラ・大腸カメラの性能もこのように日々進歩しています。 一般のクリニックでもここまで精密な検査ができるようになったことに驚き、感謝しながら診療を続けている毎日です。
サプリメント外来/美と健康について
美容形成で『美しさ』そして『健康』を語るとき脳の働きと『心』は非常に大切です。
そして脳の働きと『心』を話すときたんぱく質やビタミンを摂っていることが大切であることもわかります。 サプリメント外来は今まで自己診断していたあなたの栄養状態を血液検査に基づき科学的に解析してあなたに必要な栄養素(高濃度高吸収率で信頼度の高いクターズメイドサプリメント)を提供し、栄養面から健康を数カ月間サポートするシステムです。 たとえば、栄養素であるたんぱく質に注目すると、肌がたんぱく質からできていることはもとより、私たちの体はほとんどがたんぱく質によって作られています。
その細胞のたんぱく質は常に入れ替わり、また、ほとんどの細胞も目には見えないけれども数週間の期間で新しい細胞に入れ替わっていることを多くの方は知りません。
新しい細胞を作るためには口から原料となるたんぱく質を摂らなければなりませんが、『果たして取っているかどうか』を検査するのが栄養解析検査です。『原料がなければどんな薬を投与しても私たちの細胞やその細胞が働くためのホルモンや酵素を作ることができない。』という考え方から、アメリカ合衆国の二人のノーベル賞を受けた精神学者が考案した生理学的に納得できる信頼の高い高濃度で吸収率の高いプロテインやアミノ酸を提供する予防治療方法です。 自分では十分に取っていると思っていても消化酵素で分解されて体に吸収されていないことが十分考えられます。
そのためにも血液栄養解析は必要です。 美は短時間に合理的にあなたを判断する一つの大きな基準です。
そして時間をかけて内面の本質を判定していきます。
美は色や形その調和(バランス)です。
生物的には美は健康と関連があります。
どうして美を求めるのでしょう。
どうして無意識に美に目を奪われるのでしょう。
美と健康は次の世代を築くためのパートナー選びに必要な判断基準の一つであるからです。
あなたの脳の中の遺伝子的記憶(先天的)には良きパートナーを選ぶ遺伝的行動・判断がす刷り込まれています。
あなたは無意識に美に一瞬目を奪われます。
そして次に理性が素早く取り巻く状況を判断して行動に修正を加えます。
周りの人には気がつかない速さで美は遺伝子的な共通の判断基準なので、あなたは自然と美を手に入れようと努めます。 美しい肌、健康な肌は健康な体に宿ります。
健康を害すると肌は美しさを失います。
健康な体はそれぞれの臓器をコントロールする脳の働きによってバランスよく調節されています。
ですから、健康そして美を語るとき脳の働きと『心』は非常に大切です。
しみ、しわ・たるみの治療と予防方法
しみの治療方法として今までよく行われてきたレーザー治療は照射治療後洗顔、化粧ができないことが女性の日常生活で大きな問題でした。
最近では、IPLという光治療によって洗顔、化粧ができるしみの治療方法が広く行われています。
しみの治療にあたって、専門医の診察を受けしみの色素が皮膚表面のどの層に存在するかを診断した上で、IPLによる光治療かレーザー治療か、患者様と相談して治療方法を選択いたします。
これら以外の治療方法として、ビタミンCを中心としたサプリメト、吸収性の高いビタミンC、レチノールなどを使用し、IPLによる光治療やレーザー治療に適した治療効率の高い薬用の化粧品を使用します。
シワの治療はRFによる高周波治療やレーザーピーリングがよ行われています。
とくにRFによる高周波治療は痛みも少なく施術後の赤みも少ないため化粧ももちろん可能で日常生活に支障はありません。
レーザーピーリングはシワの他に皮膚のきめ、にきび跡、毛穴の気になる方に行う治療方法です。
具体的に、目の周囲やほうれい線のしわの場合、RFの治療を行いながら、従来から行われているヒアルロン酸注入やボトックス注射による治療方法を行います。
また、部分的に表情筋を引き締める薬用の化粧品を使用します。
治療回数は治療方法によって異なりますので専門医より十分に説明を受けて頂きます。
たるみの有効な治療方法としてフェイスリフトしかありませんでしたが、最近では、この外科的治療方法には及びませんが、赤外線レーザー+RFの治療機器であるフォトRFリファームは、痛みが少なく洗顔、化粧ができる治療方法が行われ始めました。
治療回数は少なくとも3回程度は必要です。
また、個人差、部分的では有りますが、即時効果も認められます。
よく効果の持続期間について質問がありますが効果は永久ではなく、有限です。
しみ、しわ・たるみの症状は皮膚の老化です。
治療後も紫外線予防と老化予防のスキンケア、ビタミンCを中心にしたサプリメントの摂取することを心掛けて下さい。
外傷
外傷とは、日常生活で多く見られるケガのことです。その種類は、切創(切りキズ)、擦過傷(すりキズ)、挫創・挫滅創(ぶつけたキズ)、刺創(刺しキズ)、咬傷(咬みキズ)、などに分けられます。
このようなキズをきれいに治すには初めの治療が大切です。
擦過傷は、すりむいてできたキズです。
このようなキズは、皮膚の損傷は浅く、縫合せずに治すことができます。
しかし、キズの中に土砂やゴミなどが入っていることも多く見られ、そのままで治してしまうと刺青のように黒く残ってしまうことがあります。
これを防ぐにはよく洗浄して、細かい異物を取り除いておくことが大切です。
そのためには、局所麻酔が必要なこともあります。
挫創というのはぶつけてできたキズです。
切り傷などに比べると周囲の皮膚のダメージが大きくなっています。
そのまま消毒しておいても治ります。
ただし、時間がかかってしまいますし、治った後のキズアトは幅が広くなって目立つキズアトになってしまうこともあります。
このようなキズをきれいに治すには、まず、ぶつけてできたキズですので、傷口から細菌が入り込み感染症を引き起こしてしまうこともあるので、充分な洗浄が必要なこともあります。
そして、ダメージを受けた皮膚や皮下組織を切除して、ていねいに縫合することで、キズアトを目立たなくすることができます。
咬創は、咬まれたキズです。
キズそのものは小さくても深いことがあります。
また、引っかかれたキズも同様ですが、汚いことが多く化膿しやすいキズです。基本的には縫合せずに治療していきます。
乳幼児の下痢~水分と食事の与え方~
乳幼児は、さまざまな理由で下痢をします。基本的には、便がゆるくても、吐き気がなく元気で食欲があれば、食事を制限する必要はありません。吐き気が強く、嘔吐(おうと)を繰り返すときには、数時間、口に何も入れずにお腹を休ませますが、小児は脱水になりやすいので、点滴などの治療が必要になることがあります。
吐き気が軽くなってきましたら、乳幼児用イオン飲料や医師から処方された経口(けいこう)補液剤を、少量ずつ頻回に与え、徐々に量を増やしてください。このとき、大人用のスポーツ飲料は、電解質と糖分の組成が違いますので、乳幼児の下痢のときには不向きなことがあり、注意が必要です。吐き気がなくなりましたら、ミルクや母乳、消化の良い食べ物を少しずつ開始します。
乳児の場合、母乳はそのまま飲ませてあげてください。母乳は消化吸収に優れていますし、感染を防ぐ物質や下痢を治すための物質がたっぷりと含まれています。人工乳(ミルク)の場合は、下痢が軽いときには通常の濃度で、下痢が強いときには二分の一~三分の二程度に薄めたミルクから開始します。下痢が続くときには、特殊なミルクが必要な事もありますので、医師に相談してください。授乳の合間には、乳幼児用イオン飲料などで、不足している水分量を補いましょう。離乳食は、吐き気が無くなり水分が取れるようになってから再開します。下痢が軽いときは、一段階前の離乳食から開始し、下痢が強いときは、初期から再開します。便の様子を見ながら、あせらずにもとの段階にもどしていきます。
幼児の場合は、水分が飲めるようになった段階で、重湯(おもゆ)、野菜スープ、みそ汁などを経て、お粥、柔らかくゆでたうどんや野菜(にんじん、かぼちゃ、じゃがいもなど)、豆腐、白身魚、鶏のささみなどを与えていきます。
いずれの場合も、原因や重症度で対応が異なることもありますので、医師の診察とアドバイスは必ず受けましょう。
食育と横顔
最近話題に挙げられるフェイスニングは、いわゆる顔の筋肉の体操ですが、小顔や表情の豊かさが得られ、しわが目立たなくなり、すばらしい笑顔を得ることもできるといわれています。
食育といえば、基本法においても、食糧の自給率、あるいは、朝食を摂るという面が強調されています。しかし、よく噛(か)んですり潰してから飲み込むことが肥満を防ぎ、過不足のない食料の摂取が達成され、結果的に食糧危機を解消する方法であると、フレッチャー氏(米国の『噛む健康』提唱者)は述べております。
イヌイット(北米大陸などに居住するアジア系民族)や、オーストラリアのアボリジニー(オーストラリア先住民)の調査で、硬く噛み切ることが容易ではない食物をとり続けると、丁度よく歯がすり減り、口の周りの筋肉が発達して、歯並びがよくなり、バランスの取れた横顔や効率的な舌機能や、嚥下(えんげ=食物が咽頭から食道に送り込まれること)が起こることが、前述の調査をはじめ、いろいろな研究からわかってきました。
このように、良い噛み合わせは、健康や美容に大きく関与しております。
妊娠中のサプリメント「葉酸」
妊婦さんに、サプリメントについて質問されます。
実家から送られてきたのですが飲んでもよいでしょうか。
夫が買ってきたのですが、カルシウムを摂るように、鉄を摂るように等々です。
今は飽食の時代と言われており、余程の偏食の方以外は太りすぎのための難産が問題になっているのですから殆ど必要ありません。
但し葉酸だけは別です。
2000年12月28日に、厚生労働省から先天異常『神経管閉鎖傷害』の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性に対する葉酸の摂取に係わる適切な情報提供の推進についてという通達が出されています。
それは妊娠1ヶ月前から妊娠判明後3ヶ月の間、毎日食事で摂取する葉酸“通常、食事では200マイクログラム”に加えて400マイクログラム葉酸を摂取することで、神経管閉鎖傷害の発症リスクを低減することが期待できる。という情報です。
葉酸とはほうれん草から分離された、ビタミンB群の一種で体内で代謝され細胞増殖や成長に不可欠な補酵素として働きます。
盛んに細胞分裂を繰り返し成長を続ける胎児にとって重要な栄養素です。
葉酸は生体内では産生できないため、必要な量を対外から摂取しなければなりません。
また体内では非常に不安定なため毎日一定量以上の補充が必要です。熱に弱く、食物を加熱すると含有量が減少してしまいます。
葉酸の不足によって起きるのは神経管閉鎖傷害ですが、妊娠中毒症、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児発育遅延、口唇、口蓋裂等の妊娠合併症にも関与していると考えられています。
神経管閉鎖傷害とは無脳症、二分脊椎、髄膜瘤、脳瘤、等です。
他に動脈硬化、心筋梗塞、血栓症、脳血管障害、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、白血病との関連も指摘されています。
歯科医療と金属アレルギー
金属アレルギーと聞くと、指輪やピアス、時計などによりかゆみや湿疹、かぶれなどを起こす症状を思い起こす方が多いと思いますが、歯科の分野でも、金属アレルギーの問題が取り上げられる様になってきました。
ご存知の通り、歯の被せ物や詰め物には金属が使われることがあり、これらの金属がイオン化して体内に入るとアレルギー反応を起こすことがあります。
花粉症などと同じように、今まで何ともなかったのに突然発症したり、口の中以外に症状が出ることも多いため、口の中の金属が原因であることがわかりにくいケースもあります。
金属アレルギーのリスクを下げるには
- 金、チタンなどの溶け出しにくい金属を使う
- セラミックなどの非金属を使用する
- できるだけ同じ種類の金属を使う
アレルギーはご自身の体質にも依りますので、気になる方は医師、歯科医師に相談してみて下さい。









