アレルギー性鼻炎について
原因不明が多く、季節により症状が出る。(主な原因として)
- ダニ、ハウスダスト、カビなど
- スギ、ブタクサ、ヒノキなどの花粉
- 犬、猫(その他ペット)、食物抗原など
舌下免疫療法 〜新たなアレルギー性鼻炎の治療法〜
アレルギー性鼻炎の新しい治療法として舌下免疫療法が保険適用になりました。これは、原因物質を投与していくことにより、アレルゲンに暴露された場合に起こる症状を緩和する治療法で、対象はスギ花粉症の12歳以上の方です。アレルゲン抽出液を舌下に滴下するという方法で行い、初回は病院で、以後は毎日1日1回ご自身で行います。2週間かけて徐々に増量していき維持量になったら3年以上継続することが必要です。
この治療法の注意点は、
①治療の開始時期は花粉非飛散期に限られる。
②アナフィラキシーショックなどの強いアレルギー反応が起こる危険性がある。
③治療医は関連学会の講習を修了している者で副作用発症時に迅速に対応できる医療施設、あるいは対応できる医療施設と連携している医療施設でなければならない。
などです。
興味がある方は耳鼻咽喉科にお尋ねください。
男性の性(17)
去年の流行語に『草食系』とか『草食男子』というのがありました。Wikipediaによると、「協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプの男性」とあります。
草食動物の牛や羊やウサギには何となくセックスに淡白で小食、というイメージがあるので『草食系』という言葉もだいたい当たっているかもしれませんが、一方、馬も草食動物だけど精力の強さや性器の大きさを揶揄した『馬並み』という言葉もあるし、映画『ロッキー』の主役ロッキー・バルボアのリングネームは『イタリアの種馬』。
種馬と言う言葉を人間に使う場合は“女をとっかえひっかえする精力旺盛な色男”と言う意味だし、食欲に関しては大酒飲みの大食いに対して鯨飲馬食と言う言葉もあるから、馬だけは草食動物でも例外らしい。
それはともかく、明治の文明開化前までの日本人の食生活は、山間部などで鳥や鹿やウサギを例外的に食する以外はほとんど草食+魚食であり、その後も昭和30年代後半まではほぼ同様であったことを考えると、肉食が一般的になったのはつい最近であることが分かります。
四方を海に囲まれ魚介類が豊富に獲れ、コメと言う世界一おいしい主食があり、さらにその品種改良に努めたことと、四つ足に対する殺生を嫌う国民性のためだと思います。
もし、草食=恋愛(セックス)に積極的でない、肉食=恋愛(セックス)に積極的、という図式が本当なら、日本人は元々『草食系』で恋愛に積極的でなく、高度成長期からバブル絶頂期までの3〜40年間に肉食が進み恋愛(セックス)にも積極的になったけど、最近、元々の日本人としての性質を取り戻しつつあるという事になります。
それでは、実際の性生活は日本と他国では、また、昔と今ではどう違うのでしょうか?
それともあまり違わないのでしょうか?(つづく)
逆さ睫毛(まつげ)を永久脱毛
高齢者の逆さ睫毛(まつげ)は主に2種類有ります。
一つは瞼(まぶた)の皮が余ってしまうため瞼が内側を向いて睫毛が目にめり込んでしまう<眼瞼内反症:がんけんないはんしょう>、もう一つは瞼の形は普通なのですが目の方向に睫毛が生えてくる異常な毛根ができてしまう<睫毛乱生症:しょうもうらんせいしょう>です。
眼瞼内反症の場合は、余った皮膚を切除して瞼を外側に向かせる手術をします。細い糸を使って縫合(ほうごう)するので傷口はほとんど残りません。
睫毛乱生症の場合は、目の方向に生えてくる睫毛の毛根ひとつひとつに細い針を差し込み電気をかけて毛根を焼いてしまう<睫毛電気分解術(毛根破壊)>という処置をします。
もちろん麻酔をしてからしますので痛みもありません。
ただいま流行中! 感染性胃腸炎
感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌の感染が原因となって、吐き気や嘔吐、腹痛・下痢などの急性の胃腸炎症状を引き起こす、いわゆる「お腹にくる風邪」です。
主に、冬場にみられる胃腸炎は、ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどが原因となります。
特に、大人の感染性胃腸炎の大半を占めるノロウイルスは、比較的熱に弱いため、食品の中心まで十分に熱を通す(中心温度85℃で1分間が目安)ことが大切です。
予防には、うがい・手洗いはもちろんですが、まな板、包丁、ふきんなども熱湯や塩素系漂白剤で殺菌しましょう。
感染している可能性のある方の便や嘔吐物は直接触れず、汚れた衣類は他の衣類と区別して85℃以上の熱湯に10分以上浸すか、塩素系漂白剤に30分以上浸して下さい。
症状がなくなった後も、2週間は便中にウイルスを放出し続けるとされているため、周囲への感染は要注意です。
ウイルス性胃腸炎は、インフルエンザ等と異なり、有効な抗ウイルス薬はありません。
腹痛・下痢症状があるうちは、食事を控え、十分な水分の補給が必要です。
飲水が困難な時は、点滴治療が必要となることもありますので、その時は、医療機関の受診をお勧めします。
インフルエンザ、重症化を防ぐために
インフルエンザはワクチンで予防する事が大切ですが、罹患しても適切な時期に診断され治療を開始すれば早期に治癒する病気となりました。
しかし中には脳炎や肺炎など重症化するケースがあるのも事実です。
最近の研究でインフルエンザの重症化を防ぐ物として色々な方法が徐々に見いだされてきました。
ご存じの通りワクチンはインフルエンザにかからないことを保証する物ではなく重症化を防ぐ物として接種しています。
現在日本では鶏卵を使用してワクチンを製造していますが、ここに一つワクチンの効果が落ちる理由が隠されています。
この対策として鶏卵を使わない新しい方法でワクチンを製造する方法が数年の間に始まる事になっています。
さて実際インフルエンザに罹患してしまった場合、抗インフルエンザ薬を処方して貰うと思います。
薬を飲めば数日の間に解熱し快復に向かいますが、実は抗インフルエンザ薬を使用すると獲得免疫が非常に出来にくくなると言われています。
ところがクラリスロマイシンという抗生物質を一緒に内服すると抗体産生に強い味方となる事が分かってきました。
抗生物質としての効能以外の効果です。
インフルエンザは形が変わりやすいとは言え抗体が出来るメリットの方が大きいので最近はインフルエンザ薬と一緒に処方されることが増えてきています。
また既存の高脂血症治療薬の一部に脳症や脳炎の予防効果が見つかったり、栄養ドリンクに配合されているDADA(ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン)がウイルス量を減少させる可能性があることが実験で分かってきています。
実際にはその効果がまだ人で確かめられたわけではなく実験段階ですが、今後インフルエンザの治療において重要な役割を果たす可能性があります。
インフルエンザに罹患してしまったら薬だけでは無く食事を取ることが非常に重要です。
水分だけでは重症化を防ぐことが出来ませんので解熱剤をうまく使用しましょう。
妊娠と薬
妊婦さんから受ける質問で多いものに薬の事があります。
妊娠中の薬の服用に関して、サリドマイドによる薬害「サリドマイドという睡眠薬やサリドマイドを含む胃腸薬を、最終月経より32日目以降52日までに服用した妊婦さんが、特有の特徴をもった奇形児を出産した。」後、医師も一般の人達にも慎重を要する事が認識されて来ました。そのため妊娠がわかる前に知らないで飲んだ薬のために中絶を希望される方もいます。
また、妊娠がわかった後で治療が必要になっても、産科医が処方する薬まで拒否する方もいます。
妊娠中に頻繁に使用する薬は消炎、鎮痛薬、総合感冒薬、抗生物質、胃腸薬、抗ヒスタミン薬などです。
これらの薬には催奇形性はありません。
但し、鎮痛薬には妊娠末期に使用すると、胎児循環に悪影響を及ぼすことがあります。
産科医が薬を処方する時は、その薬の胎児への影響、妊娠がどの時期かを考慮して処方します。
妊娠4週から16週までが一番慎重を要する時期、特に4週から7週末までが胎児の中枢神経、心臓、消化器、四肢などの重要臓器が発生。
分化し催奇形という意味でもっとも重要な時期です。
妊娠がわかる前に使った薬、他科の先生が処方した薬などが心配であれば、薬の名称、内容が書かれた箱、薬の入れものなどを持って産科医に相談してください。
慢性の内科疾患、糖尿病、甲状腺疾患、高血圧、膠原病、やてんかん、精神科疾患などで薬を常に服用している方は、妊娠してから悩むのではなく、妊娠を希望するのであれば、主治医の先生にその薬を服用したままで妊娠していいのか相談してから妊娠するようにしてください。
最近のレーザー事情
レーザーというのは光の一種です。自然の光はいろいろな波長の光が混ざり合ったものです。それに対してレーザーとは単一波長の光のことです。
いろいろな波長が混ざった光を、ある媒体(ルビー、アレキサンドライト、ヤグなど)に当てると単一な波長の光だけを取り出すことができます。
これがレーザーで、その媒体の種類によって、取り出される光には固有の波長があります。
それがレーザーの種類になり、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザーなどと呼ばれます。
そして、それぞれ固有の波長があるため、一つのレーザーはある固有の色にしか吸収されないのです。
ですからレーザーは種類によって効く色が違うのです。レーザーを生体組織に当てると単一の色(水、ヘモグロビン、メラニン)に吸収されて熱を出します。
こうして発生した熱によって、メラニンをこわしてシミを取ったり、毛根こわして脱毛したり、毛細血管をこわして赤いアザを取ったりしているのです。
しかし、熱を出すということは、周囲の正常な組織にも熱が伝わるということです。
近年、この周囲の熱をできるだけ押さえるためにQスイッチといって高いエネルギーのレーザーを極短時間だけ照射する装置ができてきました。
これによって正常組織への熱の影響を減らすことができるようになりました。
さらにIPL(Intense Pulsed Light)といって波長を単一ではなく、ある幅を持った波長に することによって熱による影響をマイルドにしようとすることも考えられました。
また、皮膚の真皮層に熱を加えることによってコラーゲンの再生をうながすことができることがわかってきました。これによってシワ、ニキビ跡、キズアト、毛穴の開き、を改善し、皮膚のキメを整えることができます。
最近では、フラクショナルレーザーといって一平方センチメートルに何十という極細いレーザーを当てて表皮のダメージをできるだけ少なくして、目標とする真皮層に多くの熱を与えるようなものもできてきています。
ペットボトル症候群をご存知ですか?
ここ数日、湿度が高く暑い日が続いていますね。
こんな時、冷たい飲み物をたくさん飲みたくなります。 糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続けると「ペットボトル症候群(正式名称: ソフトドリンク・ケトーシス)」になることがあります。
血糖値を一定に保つホルモンのインスリンの働きが、一時的に低下してしまうことで起こる症状です。 意識がもうろうとしたり、倦怠感が続き、時には、昏睡状態に陥ることさえあります。
糖分の過剰摂取で血糖が急激に上がると、それを薄めようとしてさらに水分が欲しくて喉が渇き、尿の回数も増え、喉の渇きに任せてさらに甘い飲み物を飲む・・、という悪循環に陥ります。 一般的な清涼飲料水には、1リットル当たり100グラム前後の糖分が含まれています。
角砂糖1個が5グラムだとすると、1リットルの清涼飲料水をがぶ飲みすると、角砂糖20個をかじっているのと同じくらいに相当します。
身体にいいと思われているスポーツ飲料やフルーツ果汁の入った野菜ジュースにも糖分が含まれているため、例外ではありません。
夏場に中高生が部活動で水代わりに大量に清涼飲料水を飲んだりすることにも、十分に注意が必要です。 お茶・お水などの糖分の入っていない飲み物でこまめに水分補給をし、下痢・嘔吐後や大量に汗をかいたときなどは、スポーツ飲料を薄めて飲むこともいいでしょう。
糖尿病や糖尿病予備軍と呼ばれる人たちは、インスリンの働きが悪く、よりリスクが高まります。最近では、経口2型糖尿病治療薬としては、10年ぶりに新薬も発売され、糖尿病の治療の選択肢も増えています。 糖尿病は、早期に発見し、適切な対応や治療をすることで上手に付き合っていける病気です。
自覚症状がなくても、糖尿病の検査をしておくことが大切です。
特に、中年以降の方で急激に血糖が高くなった場合、膵がん、肝がんなどの悪性腫瘍が原因となっていることもあります。
また、2型糖尿病では、大腸がんの発生率が高いことも報告されています。
定期的な血糖の検査、そして血糖値が高いことを指摘されたときは、エコー検査やCT検査など、がんの検査もとても重要となります。
逆流性食道炎と生活習慣について
食後にちょっと一休み…と横になったときや前かがみの姿勢になったときに、酸っぱいものが上がってくる。
…何となくジリジリと胸やけがする。
最近やたらとげっぷが出る。
…などの症状が起きることはありませんか?これらの症状は胃液(胃酸)が食道へ逆流するために起こるもので、「逆流性食道炎」という病気の可能性があります。
逆流性食道炎とは、胃と食道の境目にある括約筋が様々な理由で緩んでしまうことによって胃から食道へと胃酸が逆流し、食道の粘膜にただれが起こる病気です。
最近は食生活の欧米化に伴い、高脂肪食の大量摂取などが原因で日本人にも逆流性食道炎が増加してきています。
胃酸の逆流を防ぐには、食べ過ぎ・飲みすぎをしないようにし、とくに脂っこい食べ物(フライ・天ぷら)や甘い物(ケーキ・チョコレート・あんこ)、刺激の強い物(香辛料、アルコール、コーヒー、タバコ)などを控えるようにしましょう。
また、お腹を圧迫しないようにベルト・コルセットなどはゆるめにして、あまり前かがみの姿勢にならないこと、食後2時間は横にならないで、眠るときは少し上半身を起こすようにすることなどを心がけてみましょう。
以上の対処法でもなかなか症状が改善しないという場合には、一度医師の診察を受けられることをお勧めします。
当院では問診の結果で逆流性食道炎が疑わしい場合には、患者さんの苦痛が少なく楽にできる鼻からの経鼻内視鏡検査を随時施行しています。
内視鏡検査で食道粘膜のただれの程度を確認し、まずは2ヶ月間、胃酸分泌を抑える治療薬を内服して経過をみることになります。
長年、逆流性食道炎の状態を我慢して放っておくことで、食道粘膜のただれが変化して、稀ではありますが、食道腺癌が発生することも分かっています。
大切なことは、症状のあるときには勇気を持って早めに検査を受けてみる!ということです。
今は、内視鏡検査も昔に比べると格段に楽になってきています。
検査に抵抗のある方も、まずは症状のご相談だけでも受診してみて下さい。









