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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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夏休みのあとに

産科婦人科2010/04/12

 毎年、夏が終わり9月になると、若い未婚の患者さんが少し増えます。中学生、高校生もです。
訴えは二つです。
一つはおりものの異常で、もう一つは、望まぬ妊娠です。
夏の冒険のお土産です。今年の夏は暑くなりそうもないので、どうなることでしょう。 性への好奇心と、夏の開放感の結果です。 性交渉には必ず「妊娠」と「性感染症」がついてくることを忘れないでください。 その場の雰囲気、勢いに流されることなく、男性は義務として、女性は自分の身を守る為に、必ず予防をする。
予防させることを心がけてください。 何回か、このページで避妊法、性感染症について書いてきました。 難しいことでも、面倒なことでもなく、最初からコンドームをつける。
ただそれだけのことです。 先日も激しい下腹痛と、発熱を訴えてきた若い女性が開腹すると淋菌による腹膜炎でした。
両側の卵管を取らねばならず、このあと妊娠は体外受精でしかできなくなりました。 又ここ2ヶ月で母親に付き添われて妊娠の診察に来た中学生、高校生も何人かいました。
 好奇心のみで、またその場の雰囲気に流されることのないように…。


Text by 松浦 敏章( 2003年9月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

スクラブ洗顔にご注意

眼科2010/11/29

スクラブ洗顔というのをご存じでしょうか。
元々スクラブというのは研磨剤のことです。
洗顔石けんの中に入っている細かい粒が、古くなった角質(かくしつ)を落としてくれてさっぱりするということで女性に人気があります。
でもこの細かい粒がくせ者です。
顔を洗う時には目をつぶっているはずですが、その粒が目に入って上瞼(まぶた)の内側に引っ掛かってしまうとなかなかゴロゴロがとれません。
元々目に入ったゴミは上瞼に引っ掛かると自分では瞼をめくることも難しいためなかなかとれませんが、スクラブ洗顔の場合その粒の大きさも極小さい物なので、瞼をひっくり返せたとしても肉眼で見るのは難しいのです。
幸いその粒はツルツルした球形でゴロゴロする割には角膜に傷はつきませんので、検査用の顕微鏡で見ながらとってあげると痛みもすぐに治まり目薬もいらないことが多いようです。朝起きたら突然ゴミが入ったようにゴロゴロして治らない事があります。
目にゴミは入っていないのですが、角膜の表面の皮=上皮(じょうひ)が数ミリ程度丸く剥(は)がれかかっている事があります。
角膜に傷をつけると一度は直るのですが、そのときできるカサブタのように弱い皮が寝て起きる時に上瞼の裏側と引っ掛かって突然剥がれて痛くなるのです。
この状態は繰り返すことが多く、再発性角膜上皮剥離(さいはつせいかくまくじょうひはくり)と言います。
程度が軽い場合にはヒアルロン酸の点眼薬を処方しますが、重度の場合には剥がれてきている上皮をピンセットで完全に取り除いてから手術用のメスで軽く角膜表面にスジを入れてあげると、後で再生してきた上皮がそのスジの中に入り込んでがっちりくっつくようになるので再発しなくなります。
皮を取り除いたときには寝たままでもつけていられる治療用のコンタクトレンズを2日間くらい乗せてあげるとしっかりした上皮が作られ痛みが無くなります。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2010年11月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

新型コロナ感染症が5類になりました

内科2023/05/31

5月8日より、新型コロナウイルス感染症が5類になり、これからは医療もウィズ コロナの時代となります。

5類になって、感染者の自宅療養についての法的拘束力はなくなり、自己判断となります。 発症日を0日として5日間、かつ、風邪症状が消失して24時間経過していることが目安となります。感染力の強いウイルスなので、5日間たったから大丈夫ということではなく、症状が改善しているかを考慮しましょう。

この間の、公共の交通機関の利用や買い物などは規制されません。ただし、感染を広げないように、移動・買い物は短時間で済ますこと。ウイルスの排出の少ない不織布のマスクを着用しましょう。 感染後10日間は、マスク着用が推奨され、この間はリスクの高い高齢者との接触は避けましょう。

コロナ感染症は、セルフチェックができます。現在、コロナウイルス感染の抗原検査キットが販売されています。検査キットは、厚生労働省の認可済みのキットを使用してください。ケースに研究用と書かれているものは不可。厚生労働省の認可済みのものは、体外診断用医薬品(第1類医薬品)と表示されています。認可済みのものは、われわれ医師の使っているキットと同じ精度です。

また抗原検査キットの使用についてはこつがあります。熱が出たので心配で…すぐ検査。という気持ちは分かりますが、しっかりと判定するためには、24時間程度時間が経過してからの方が正診率が上がります。発症直後には、ウイルス量が少なく、反応しないことがあるので要注意です。

熱冷ましや風邪薬を使用しても検査には影響がありませんので、熱が出たらまずは仕事を休む。その後検査キットを使用して確認する。キットが陰性でも風邪の症状があるうちはできる限り人と接触しない。会うのはマスクを着用して短時間で。

ウイルスは何も変わっていません。恐れ過ぎず、賢く付き合いましょう。


Text by はら内科クリニック 院長 原 信彦( 2023年5月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

眼瞼下垂(がんけんかすい)を治して明るい視界を!!

眼科2010/11/01

 眼瞼下垂とは、上まぶたが下がり視界が狭くなり、物が見づらくなる状態をいいます。
先天性と後天性があり、後天性では神経・筋肉・腱膜の異常で起こります。
アトピー・逆さまつげ・花粉症・長時間のパソコン使用・女性の化粧などで目をこする人に早く現れます。 症状が悪化すると、おでこの筋肉を使ってまぶたを上げようとするため、首から肩にかけての筋肉も緊張し、頭痛・肩こり・吐き気・めまいなども起きてきます。
下がり具合がひどい場合は手術が必要となることがあります。
最近では、炭酸ガスレーザーで手術を行う施設もあり、メスでの切開に比べ、出血や術後の腫れも少なく傷の治りも早くなっています。
手術後1週間で傷も落ち着き、まぶたが自然に上がるようになり、視界が明るくなります。
目をつぶり、両人さし指で両方の眉毛の上を強く押さえて、まぶたがうまく開かなければ、眼瞼下垂の可能性があります。 眼科を受診し、相談をしてみて下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2010年11月1日 「みなみ風」掲載)

ビスフォスフォネート系薬剤を服用しての注意点~顎骨壊死について~

歯科2012/03/19

 医科で処方されますビスフォスフォネート系薬剤は、悪性腫瘍(癌)の骨への転移、悪性腫瘍による高カルシウム血症、骨粗鬆症に用いられています。
近年、これが顎骨壊死に関わっているとの報告が相次いでいます。

 この顎骨壊死はビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様にまれに起こり、顎の骨が部分的に腐った状態になり、口の中の細菌が感染します。
その場合、
①口の中の痛みや腫れ、膿が続いている
②歯茎に白い硬いものを感じる
③歯がグラグラする
④下唇のあたりがしびれる
などの症状が現れます。

 こういったビスフォスフォネート系薬剤による骨壊死は顎の骨以外では見られなく、特に下の顎に起こりやすいと言われています。
口の中の粘膜は傷つきやすく、口の中の細菌が顎の骨に感染する可能性が他の骨に比べ高いためだと考えられています。

 また、ビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様が抜歯などの口の中の外科治療をした場合も顎骨壊死が生じる原因に挙げられています。

 ビスフォスフォネート系薬剤は、悪性腫瘍、骨粗鬆症の治療に非常に有用です。
こういった顎骨壊死のリスクがあるので、服用されている患者様はかかりつけの歯科医にあらかじめ伝えておくことが必要です。
そして、どうしても抜歯などの治療が必要であれば、ビスフォスフォネート系薬剤を処方している医師と薬剤師と歯科医が連携を取った上で治療を進めてもらった方が良いでしょう。

 先ほども述べましたとおり、この顎骨壊死は頻度としてはまれに起こるものですが、ビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様はそのリスクを減らすためにも、口の中を清潔に保ち、定期的な歯科クリニックでの口腔清掃をすることをお勧めします。


Text by 北斗歯科クリニック 土永 浩史( 2012年1月17日 「青いぽすと」掲載)

クラミジア感染症

産科婦人科2011/02/24

 つい先日、性感染症の1998年、1999年の全国調査の結果が届きました。
クラミジア感染症。淋病が98年より99年が増加しています。北海道は男女共にクラミジア感染症が全国平均より50%多く、淋病も40%多くなっています。
10代、20代の感染症が全国平均より多くなっていました。 それで今回クラミジア感染症について述べたいと思います。 クラミジアは昔からトラコーマ、オーム病の病原体として知られていましたが、最近性感染症の代表的なものとなっています。 男性では非淋菌性尿道炎の35%~60%がクラミジアによるものと考えられ、排尿不快感、膿性分泌物を訴えますが、症状は軽く、自然に
軽快する事も多く、女性ではおりものが増えることが最初の症状ですが、無症状の事が多く、それが感染の増加の原因となっています。 女性では子宮頚管に病巣を作り、次第に子宮内、卵管と上行して卵管炎を起こし、下腹痛、性交痛と症状が表れてきます。
菌量が多いと卵管に膿がたまり骨盤腹膜炎となって開腹手術が必要となることもあります。
その結果、不妊症。子宮外妊娠の誘因となり流早産、前期破水の原因となることもあります。
また、分娩時に赤ちゃんに感染し、結膜炎や肺炎の原因となります。 治療は薬で治りますが、パートナーと同時に治療することが必要です。 最近の性感染症の問題点は、症状が軽くなっているものが多く、その為治療を受けることなく感染者を増やしていること。
性器だけでなく咽頭粘膜、直腸にも感染が広がっている事。
性器と性器の結合がなくても感染すること。
感染源が、性を職業としていて人のみでなく、一般の人が増加していること。
10代20代前半に多くなっていることである。 女性にとって将来の妊娠、分娩にも影響することであり、予防(コンドーム)に十分注意し、症状が少しでもあれば、必ず専門医を受診して下さい。


Text by 松浦 敏章( 2000年 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

お産の話

産科婦人科2010/03/19

 少し前の話になりますが、福島県立大野病院での癒着胎盤による妊婦さんの出血死に対する判決が新聞にも掲載されました。
ここではそのことではなく、まだお産で死亡するという事についてお話したいと思います。

 日本では1950年には4117人の妊婦さんが亡くなっていましたが、1994年以降は70人前後と減ってきています。
母子保健活動による意識の向上と、産科学の進歩によるものですが、お産では予測できない突発的に起こるものがあるため、まだ“0”にはなっていません。
我が国では出生数10万につき6前後、欧米先進国の中では少ないところで4-5というところもあります。

 死亡の原因の1位は出血。
ついで頭蓋内出血、「妊娠中毒症といわれていた」妊娠高血圧症候群の3つが多く、あと肺血栓塞栓症、羊水塞栓症、つわり、流産などです。

 出血は常位胎盤早期剥離、子宮破裂、弛緩出血などによるもの、またそれにより起こる血管内血液凝固症候群。

 妊娠高血圧症候群では、重症となることで起こる合併症子癇、胎盤早期剥離、肺水腫が問題となります。
また、妊娠高血圧症候群では子宮内胎児死亡や胎児の発育遅延を起こします。

 妊娠、分娩は常に危険と隣り合わせなのです。
これを防ぐのは定期的に妊娠検診を受けることです。
放っておいても10ヶ月経てば元気に生まれてくると思っていると、とんでもないことになることもあります。
医師、助産師の言うことをきちんと守ってください。


Text by 松浦 敏章( 2008年11月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

自律神経失調症について

心療内科2008/08/13

 身体的な病気が無いのにもかかわらず様々な症状が出現する場合、「自律神経失調症」と言われることがあります。「自律神経失調症」というのは本来正式な病名ではないのですが、自律神経の機能が働き過ぎたり働きが悪かったりでバランスが崩れている、機能的に失調している状態という意味で習慣的に使われています。

 基礎となる身体的疾患が無いということは、全く異常が無いとか、気のせいだとかということではありません。これからは次第にそのような症状の発現に関与する病態が明らかになってくるでしょう。

 身体的な症状としては頭重感(ずじゅうかん)、めまい、口渇、身体の冷え及び火照り、痛み、動悸、立ちくらみ、息切れ、はき気、心窩部(しんかぶ)の不快感、ふらつき、発汗の異常(過多、冷や汗など)、肩凝り、倦怠感、その他実に様々なものがあります。身体の一部が冷たくて他の部分が熱い、異物感、何か動くような感じがする、といった奇妙な症状が見られることもあります。不安感、注意集中困難、意欲低下、憂うつ感、記憶力低下などが見られることもありますが、これらが目立つ時に は神経症やうつ病などの疾患を考える必要があります。

 脈波検査、サーモグラフィ、心電図、などの自律神経機能検査で異常が見られる場合もありますし、それでも異常が見られない場合もあります。

 このような状態に対しては、一般的に精神安定剤(抗不安薬とも呼ばれています)、自律神経調整薬が有効ですが、自律訓練法などの自己コントロール法が奏功することもあります。また、心理的な影響を受け易いので、ストレスを減らす工夫によって軽快する可能性があります。

 何か知らないうちに負担がかかっていないか、今までの過ごし方で良いのかを見直す時期、あるいは今までの自分が変化していく、言葉を変えれば一層の成長が求められている時期にあるのだという視点も必要かもしれません。

 自分でコントロールすることが困難であり、症状が続く場合には気軽に治療を受けるようにして頂きたいと思います。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司(  「」掲載)

妊娠期の食事 ーすでに赤ちゃんの歯が作られていますー

歯科2016/01/14

 妊娠したと分かるとうれしい気持ちになる妊娠初期ですが、この時からお母さんはご自分の体だけではなく、お母さんのお腹の中で育つ胎児のために母体を大切にしていかなくてはなりません。

 妊娠4~7週の時は、心臓、目、耳、手足など胎児の体の重要な器官が作られていく大事な時期で、薬や放射線などの影響を最も受けやすい時期とされています。
それと同じくして歯や口蓋の形成が開始されます。
乳歯は前歯から奥歯まで全部で通常20本有りますが、妊娠6~10週の間に胎児のお口の中で、その乳歯全部の歯胚(歯の芽、つまり歯と歯周組織の基となる細胞)ができ始めます。
その後、妊娠18週頃には胎盤が完成し、臍帯(へその緒)を通して母体の血液からカルシウムやリンなどを取り入れ、それらが結合して石灰化し、歯が作られていきます。
さらに、永久歯の第一大臼歯(6歳臼歯)や前歯の歯胚もその頃にはでき始めています。

 虫歯のできやすさの要因を大きく分けてみると、「虫歯菌」「砂糖」「歯質」「時間」の4つの因子があります。
このうち「歯質」に分類される要因として「歯の形や大きさ」「歯並び」などといった遺伝的なものもありますが、「歯質の強さ」も1つの要因となります。
この歯が作られ始めている時期に母体への栄養が不足すると、胎児の歯が強く作られにくくなることもあり、胎児の歯質の強さへの影響が心配されます。

 胎児の歯が作られているこの時期の食生活は、バランスの良い食事が望まれます。
偏食を避け、できるだけ栄養剤やサプリメントに頼らず、自然の食材を幅広く摂ると良いでしょう。


Text by Array( 2015年9月11日発行 「青いぽすと」掲載)

矯正治療の開始時期について

矯正歯科2008/08/13

 歯の矯正治療は、いつ始めたら良いのでしょうか?

 病気は、早期発見、早期治療が基本です。矯正治療においても早期発見は重要です。しかし、早期治療はどうでしょうか?

 人間の歯は、乳歯から永久歯に生え替わります。最初の永久歯が生えるのが6歳頃ですので、どんなに早くても7歳頃が矯正治療の開始時期となります。子供の場合、身長が大きくなる(成長)と同様に、この時期に顎(あご)の骨も成長しています。

 受け口(反対咬合=はんたいこうごう)や出っ歯(上顎前突=じょうくぜんとつ)等の上下顎骨の大きさのバランスが悪い場合は、この時期を利用して上手くバランスを整えることが重要になります。凸凹した歯並び等、比較的軽症の場合は、永久歯がほぼ揃う10歳頃から治療を開始するのが良いと言われています。また、上下顎骨の大きさのバランスが悪い場合は、早期より長期にわたって治療することになります。

 もちろん、治療により正常な成長の軌道に乗った場合は、いったん治療を中断し、定期的に成長を見守ることになります。どちらにしても、判断は専門的な知識が必要となります。


Text by 大内歯科医院 大内 英樹(  「」掲載)

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