■ご訪問者数:26984988
カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

コラムを読む

男性の性(2)

泌尿器科2010/03/19

−染色体的性の決定−
 ヒトがオトコになるかオンナになるかは、精子が卵子と受精した瞬間に決まります。
卵子の染色体はどれも22+Xですが、精子の染色体は22+Xと22+Yの2種類あって、22+Xの精子が卵子と受精すると受精卵は44+XXでオンナになり、22+Yの精子が卵子と受精すると受精卵は44+XYでオトコになります。
つまり、受精卵がオトコになるかオンナになるかは精子によって決まるわけで、X染色体を持った精子ならオンナ、Y染色体を持った精子ならオトコ、ということになります。
昔、歌手のちあきなおみは“X+Y=LOVEという歌の中で、『X、それは貴方、Y、それは私、プラス、イコール、ラブ、ラブラブアイラブユー〜(作詞:白鳥朝詠)』と歌いヒットさせました。
“喝采”が大ヒットしてレコード大賞を取るずっと以前の、まだセクシーアイドル路線で売り出していた頃だと思います。
またプロレスの世界では“ミスターX”という覆面レスラーがたびたび登場し(複数いたらしい)、どうも世間では“X=オトコ”というイメージが強いようですが、染色体的にいうとYがオトコなのであります。

ー性器的性の決定ー
染色体によりオトコと決定された受精卵はその後、お母さんのお腹の中(胎内)で成長していくわけですが、その間、男性ホルモンやある種の女性化抑制物質(ミュラー管抑制物質)により、性器は男性型へと発達していきます。
逆に言うと男性ホルモンや女性化抑制物質が正常に分泌されないと、いくら染色体的にはオトコでも性器は女性型となってしまいます。
なかなかオトコになるの大変なのであります。
通常、胎生12週ぐらいで男性器が形成され男女の区別がつくようになります。
ただこの時期、外性器(陰茎・陰のう)はそれらしき形をしているものの、陰のう内にまだ精巣(睾丸)は無く(胎生12週では睾丸は腹腔内にある)、胎生30週くらいになってやっと、精巣(睾丸)もあるべきところー陰のうーに納まり、外見的にはこれでようやくオトコが完成します。
では、なぜオトコだけが股間にあのようなものをブラブラさせているのでしょう?(つづく)


Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士( 2005年8月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

高齢者って、何歳?

内科2021/12/15

世界保健機構WHOの定義では、65歳以上を高齢者と呼びます。近年、日本の高齢における心身の健康調査からは、20年前と比較して、加齢による衰えが、5~10年遅くなった「若返り」現象がみられました。世論調査でも、70歳以上を高齢者と考えると言う意見が多かったそうです。

そうは言っても、寄る年波には勝てませんから、身体が次第に弱っていくのは避けようがありません。「要介護」状態に陥る原因としては、第一位が「認知症」、「脳卒中」、「高齢による衰弱」、「転倒・骨折」、「関節疾患」と続きます。脳卒中のように、突然、健康寿命が終わってしまう場合もありますが、「いくつかの病気が重なって、次第に不調がつのり、だんだん要介護になっていく」という場合が多いと思います。

「要介護」の前段階と言える心身の弱った状態をフレイル(脆弱・もろい)と言います。フレイルには、三つのタイプがあります。①加齢と運動不足で、筋力が衰えて転倒しやすくなる「身体的フレイル」。②うつ病や認知症による「精神・心理的フレイル」。そして、③社会的問題等で、引きこもり、ストレスに弱くなった「社会的フレイル」です。

身体的フレイルのチェックは、体力テストです。世界17ヶ国15万人を4年間追跡調査した結果では、握力の弱い人で死亡リスクが大きくなるそうです。握力が5㎏低下する毎に死亡リスクが16%上昇すると言うことです。握力計がなければ、簡単にできるのは、開眼片足立ち検査でしょう。目を開けて、片方の足で立ちます。挙げた足を着いたり、ケンケンしたりすると終了です。2回やって、良い方が自分の記録です。65歳の平均は、50秒です。足の筋力とバランスを同時にテストできます。握力も片足立ちの時間も、トレーニングで変えられます。自分の未来や寿命を変えられるのかもしれないのです。まずは、けがをしないように、周りを片付けて、片足立ちしてみてください。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨( 2021年7月19日 「北海道新聞夕刊」掲載)

不妊治療の負担は検査機器の進歩によって軽減されつつあります

産科婦人科2009/08/21

 体外受精・顕微授精といった高度生殖補助医療の進歩によって、これまで赤ちゃんを授かることが難しかったご夫婦にも妊娠・出産の機会が増えてきました。

 不妊治療を受ける場合、女性側の心身の負担はどうしても男性側より多くなります。
たとえば、体外受精・顕微授精では成熟した卵子を育て、採取するためにホルモン補充を行う卵巣刺激法が必須です。
このため、血液検査で生殖に関係する数種類のホルモン量を調べる必要があります。
検査によって正しいホルモン分泌量がわかれば、その人にあった卵巣刺激法を選択することができます。
卵巣を過度に刺激するような過剰なホルモン投与を避けることができるわけです。

 また、同じ方でもホルモンの分泌状態は月経周期によって微妙に違います。
その都度、適切なホルモン補充療法を行うには、回数多くきめ細かにホルモン状態を調べる必要があるわけです。
さらに採卵から体外受精を経て子宮内に受精卵を戻したあとは、受精卵の着床と発育を促すために黄体ホルモン補充療法を行いますが、この場合も個人差に合わせるためには、ホルモン量を正確に調べる必要があります。

 このように、治療の過程では何度か採血してホルモン定量検査を受けるのですが、結果が出るまでの待ち時間は特に仕事を持つ女性にとってはかなりの負担になります。

 しかし最近は短時間で検査結果が出る迅速なホルモン検査機器が登場しており、待ち時間の負担が大幅に軽減されつつあります。
何よりも患者さんにとってメリットになるのは、迅速に検査結果が得られることでより正確により適切なホルモン補充療法を受けられることでしょう。

 日々進化する医療機器や検査機器を積極的に導入し、患者さんの心身の負担の軽減に努めるのも、不妊治療医に欠かせない条件のひとつかと考えます。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史(  「」掲載)

脱毛症

形成外科2015/12/07

 脱毛症と発毛障害の原因はそれぞれ異なっている事があり、それぞれ適応した治療があるため、脱毛症にはどんな種類があるかを知ることが大切です。

 びまん性脱毛症は女性に多い脱毛の一つで、頭部全体が均一に薄くなり毛根は正常ですが、アミノ酸やビタミンなどの栄養素が十分に供給されていません。
遺伝子性脱毛症は男性ばかりではなく女性にも生じますが、男性の場合は早い時期から始まり、見かけも顕著です。
症状は男女で異なり、男性は額の生え際と後頭部に生じますが、女性は前頭部に生じます。
原因は内因性のホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に対する毛根の過敏性反応です。

 主な原因は感染症、血行障害、ストレス、アレルギー、栄養障害、ホルモンの変化などいろいろありますが、治療において大切なことは専門医と相談、診断を受け、原因を特定して治療を受けること、治療薬には副作用もありますので専門医の十分な説明を受けて行いましょう。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2015年12月7日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

受験シーズン到来、うちの子は大丈夫?

内科2012/03/19

 センター試験も終わり、受験モード真っ最中のお子さんも多いでしょう。

 これからの時期は、お子さんの受験・就職はもちろん、親も転勤・転居と生活環境が大きく変化してきます。
その中で、ストレスのため新しい生活環境に対応できず、様々な病気になってしまうことがあります。

 今回は、原因不明の下痢や便秘、又は両方を長期間繰り返す病気「過敏性腸症候群」のお話です。

 今や、5~10人に1人が、悩んでいるといわれているこの病気は「下痢型」、「便秘型」、下痢と便秘を交互に繰り返す「混合型」の3つに分けられます。

 下痢型は 男性、便秘型は女性に多くみられ、10歳代~40歳台の比較的若い世代にかかるケースが多く、風邪や食あたりによる腸炎とは異なり、なかなかな改善しにくいことが特徴のひとつです。
主にストレスが原因とされ、例えば、受験が終ると症状が改善してくるなど、何らかのストレスがなくなることで改善される場合がありますが、実は、自分自身ストレスを感じていないにも関わらず、「過敏性腸症候群」となる方もいます。
そのほとんどが、不規則な生活習慣が原因となっています。
適度な運動、規則正しい食事・排便習慣、良質な入浴、睡眠など、本人自身で少しずつでも改善することがとても重要です。
治療は、このような生活指導のほか、整腸剤や下剤、ストレスの状況によっては安定剤などを処方します。
腸の運動をコントロールする「セロトニン」の働きを抑える内服薬も、新しい治療法の1つです。
また、最近の研究では、感染性腸炎との関連も指摘されています。
それは、過敏性腸症候群の患者さんの多くが、過去に感染性腸炎にかかった経験があり、それが原因で腸粘膜に微細な炎症を引き起こしたり、腸内細菌のバランスを破壊することで、炎症がない人には問題とならないストレスでも、下痢や便秘の症状を引き起こすことがあるといわれています。

今後、これらの研究が進むと、また、今までとは異なった治療法が確立されてくる可能性も大きいでしょう。

 下痢や便秘などの自覚症状はあっても、重要視せず病院へ行かないことも多いと思いますが、軽症の段階で適切な治療をすると改善も早く、様々な合併症を防ぐことが出来ます。
また、大腸ポリープ・クローン病・潰瘍性大腸炎・痔、進行した大腸がんやすい臓がんでも、同様の症状が続くことがあるので、十分な注意が必要です。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2012年1月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

夜間頻尿について

泌尿器科2014/05/15

泌尿器科を受診される患者さんの中で夜におしっこに起きることで悩まれている方は実に多いです。
しかも長年我慢されている方も多いのが特徴です。
夜間頻尿とは、夜眠りについたあと排尿のために1回以上起きなければならないという悩みがあり、そのことで日常生活に支障をきたしている状態をいいます。
夜間頻尿は年齢を重ねるごとに増加し、夜間の排尿回数も増え著しく生活の質を低下させます。
夜間頻尿は前立腺肥大症が原因の男性の病気だと思われがちですが、女性の患者さんも多く、男女差はほとんどありません。
夜間頻尿は慢性的な睡眠不足を引き起こします。
そのため、日中の眠気で日常生活に多大な支障をきたします。
また、夜に暗い中トイレに行く回数が増えることは、転倒による怪我や骨折の危険が増えます。
これらは寝たきりの原因になることもあります。
原因は多岐にわたっております。
本来尿は日中に多く作られますが、年齢とともに、心臓や腎臓の働きが低下すると、夜間に尿量が多くなってしまいます。
また、尿量を減らす抗利尿ホルモンの分泌リズムが変化し日中に尿が少なくなり、その分夜間に尿量が多くなることも原因のひとつです。
水分摂取も適度な量であれば問題ありません。
しかし過剰摂取することにより、一日の尿量自体も多くなりその分夜間の尿量も増えます。
バランスを考えた水分摂取をおすすめします。
睡眠障害で、目が覚めるからトイレに行くという方も多く存在します。
睡眠障害の原因も不眠症、睡眠時無呼吸症候群、むずむず足症候群(脚を中心に強いかゆみや痛みなど虫が這うような不快感が起こり、じっとしていられなくなる病気)など多岐にわたります。
夜間頻尿という症状は多くの原因もしくはその組み合わせで生まれた結果で、実はかなり複雑な疾患なのです。


Text by むとう日吉が丘クリニック 武藤 雅俊(  「函楽 2014年5月15日発行」掲載)

スマホに子守をさせないで

小児科2013/12/24

「『スマホに子守をさせないで!』。日本小児科医会(松平隆光会長)は、乳幼児の心身の発達への影響が心配されるとして、来月から、スマートフォンの利用を控えるよう保護者に対し啓発活動を行う。(中略)内海裕美常任理事は、『乳幼児期は脳や体が発達する大切な時期。子供がぐずるとスマホを与えて静かにさせる親がよくいるが、乳幼児にスマホを見せていては、親が子供の反応を見ながらあやす心の交流が減ってしまう』と指摘する。また、画面をなぞるだけの仮想体験を重ねることが、手の機能や五感を育むことに影響を与えかねないと心配する」(読売新聞医療サイト「ヨミドクター」2013年11月16日より引用)。

日本小児科医会ではこれ以前にも、
①2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
②授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴はやめましょう。
③すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。
④子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。
⑤保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。

と、家庭でのテレビ、ビデオ、ゲームなどの子供と電子メディアの接触をできるだけ制限するよう保護者に求めてきました。
子供が育っていくためには、周囲の大人との心の交流が必要です。
今までは子どもが極限状態でないと症状が出てこないといわれていた反応性愛着障害という状態が、ちょっとした交流の少なさでも出てきているといわれたり、発達障害等の症状もその結果として出てきていたりするとする研究者も少なくありません。
スマホのアプリは子供をその場で静かにさせたり、気を紛らわせるためにはとても便利に感じるものです。
でも、子供は大人を小さくしたものではなく、親が手塩にかけて育てていくものです。
子供にかかる時間は人の一生の中ではほんの短い間です。
機械に頼る子育てではなく、自分の感性を豊かに表現する子育てであってほしいものです。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2013年12月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

睫毛(まつげ)ダニとは?

眼科2018/07/23

 最近テレビなどで取り上げられている睫毛ダニは、睫毛の根元にすみつきます。
睫毛ダニは、ひとたび目の周りが不衛生になると、皮脂や化粧品を食べて活発に繁殖しだします。

《症状》睫毛の生え際がかゆい・ふけのように白くなっている・ゴロゴロする・充血する・まぶたが腫れる・目やにが大量に出る・目が乾く・睫毛が抜けやすくなった、などの症状がある方は、睫毛ダニがいるのかもしれません。

《原因》寝たきりで洗顔ができていない・メイク落としが不十分・洗顔しないで寝る・「アイライン」「マスカラ」「つけまつげ」「エクステ」で睫毛の内側の皮脂腺が詰まっている、などの原因が考えられます。

《診断》肉眼では分からないので自分で見つけるのは困難ですが、眼科では、睫毛を数本抜いて顕微鏡で診察すると見つけることができます。
特に濃いアイメイクやエクステなどをしていて目が乾く症状が強く出ている方は要注意です。
日本人の5人に1人はすみついており、20代の方では2人に1人がすみついているとも言われています。
心配な方は、眼科で調べてもらいましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年7月23日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

メディカルスキンケアと美肌点滴/高濃度ビタミン点滴療法と肌老化予防・光・レーザー治療

形成外科2010/04/12

 肌のトラブル『肌の荒れ・しみ・くすみ・しわ』を改善するためには、肌の表面だけの治療ではなく、体内に欠乏している『各種ビタミン、ミネラル』を同時に補給することでより早く効果が期待できます。
点滴よって成分がほとんど、血液にて細胞や組織に直接活性を与えることで、短時間に全身の新陳代謝が盛んになり効果が実感できます。 また、定期的に続けることで、しみ、くすみ、しわ、肌の荒れ防止に効果を発揮します。
体力の衰え、若返りにプラセンタ点滴、健康維持などに、ビタミンB(にんにく点滴)、ひとりひとりの肌の状態や悩みなど、美容効果だけではなく疲労回復などの健康づくりにも効果があります。
今、一番必要としている『ビタミン・ミネラルなど』生理活性物質を選択して処方します。 注目されている点滴療法のマイヤーズ・カクテルはアメリカの開業医で広く行われている高濃度のビタミンC、ミネラルの点滴で、ビタミン・ミネラルを症状に応じて全身の細胞に直接送り込み、免疫改善、肌などの老化予防、慢性皮膚炎、慢性疲労、耳鳴り、線維筋痛症など一般的治療に抵抗性のある疾患に効果があります。 また、美肌の点滴療法では、これらの点滴にプラセンタ『人の胎盤から抽出した各種アミノ酸、酵素、核酸、ビタミン、ミネラルなど細胞活性因子』併用してさらに大きな効果を得ております。
 こんな所が気になる方に

  • 不規則な生活による慢性的栄養不足の方
  • お肌のトラブルが気になる方で、仕事が忙しく時間がない方
  • 最近疲れやすく、お肌の老化が気になる方
  • その他いろいろ試してなかなか効果が見られない上記の疾患で悩んでいる方

 通常、週に1~2回のペースで継続されることが理想です。所要時間は2~30分程度です。
 ワンランク上の美肌メディカルスキンケアは高濃度のビタミンC、ミネラル、細胞活性因子の点滴療法と同時にしみ・しわのIPL(光)・RF(高周波)・レーザー治療でストレスよって疲れた肌の免疫能力を改善させ、くすみのない美しい肌へのメディカルスキンケアと肌老化予防の時代です。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二(  「」掲載)

高齢になっても元気で自立した生活をするために

整形外科2008/08/13

 日本は今や世界一の高齢化社会です。年金問題が話題になっている様に、高齢化社会では単に医療的なことに留まらず、政治経済、社会保障など、全ての面において新しい対応を迫られています。

 整形外科においても、これからは生活習慣病と同様に、普段の健康管理や予防医療が大切になります。予防医療として特に私が重要と考えていることは次の三点です。

(1)骨粗鬆症の予防
(2)歩行能力、関節機能の維持
(3)肥満の防止

 (1)の「骨粗鬆症の予防」については食事や栄養管理、適度の運動がまず基本です。さらに骨粗鬆症の程度に応じての治療が必要になります。

 女性の場合は40歳代後半から急激に骨量が減少し、70歳代では若い頃の約半分になってしまいます。骨量は外見からは分かりませんので45歳位から年に1回位は検査し、長期的に治療方針を立てなければなりません。

 次に(2)の「歩行能力、関節機能の維持」についてですが、日常生活において最も重要な運動能力はやはり歩行でしょう。人間だけの特徴である二足歩行は簡単な様に見えて実はかなり高度な運動であることを認識すべきです。

 安定した歩行をするためには下肢の筋力だけではなく体幹を保持する筋力や平衡感覚、視力の助けも必要です。平衡感覚とバランス保持のテストとして片脚で立位保持が可能かどうかやってみて下さい。どちらか一方でも15秒以下の方は要注意です。

 最後に(3)の「肥満の防止」ですが、これは達成することが一番むずかしい課題かもしれません。とにかく病院での治療よりも皆様の自覚、日々の努力が必要だからです。「二十一世紀の医療は肥満との戦い」とも言われています。ダイエットについては、テレビや雑誌に取り上げられている様な、近道や楽な道はありません。

 (1)から(3)の課題はお気付きの様にかなり共通した面を持っています。それはスポーツをすることによってかなり効果が期待できるということです。40歳代以降から自分の体力、内科的状態などをよく考慮し、高齢になっても可能なスポーツを見つけ、元気で自立した生活を目指してください。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

はこだて医療情報に登録されている詳細ページリスト(50音別)

医科 歯科  
医科 歯科  
医科 歯科  
医科
医科 歯科  
医科 歯科  
医科 歯科  
医科