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たかが便秘、されど便秘

消化器内科2012/08/27

 便が硬い、出づらい、なかなか出ない、などいわゆる便秘症は罹患している方の大変多い疾患といえます。
高齢者に多く、またホルモンや体の構造の影響から男性よりも女性が多くなります。
便秘はその原因から続発性便秘と特発性便秘の二種類に大別されます。
続発性便秘は薬剤の副作用や大腸癌など特定の原因があるもの、特発性便秘は大腸に目に見える異常はなく腸の動きや機能の異常が原因のものです。

 便秘になった時まずなにより大切なことですが、大腸癌など大腸の通過障害が原因の場合は腸閉塞になる危険が迫っているサインのため、専門医を受診してそのような異常がないことを確認する必要があります。
特に、最近急に便秘になった、便が細くなった、血便がある、などの場合は大腸癌の症状の可能性がありますので早急に専門医を受診しましょう。
続発性便秘の原因となりやすい薬剤の種類は広範囲に及びますが、精神・神経系に作用する薬剤などではその頻度が高くなります。
他にも甲状腺ホルモンや電解質異常などの隠れた病気が便秘の原因の場合もありますので、担当の先生とよく相談しましょう。

 一方便秘の大多数は目に見える異常のない特発性便秘ですが、これはその方の体質だけでなく生活習慣とも密接な関係があります。
水分や野菜・果物・穀物など繊維分の多い食物を十分にとり便の性状を良くする、十分な運動をして腸の動きを高める、などが大切です。
それでもうまく便が出ない場合は下剤を服用することになります。
下剤は大きく分けて塩類下剤(便を柔らかくする薬)と刺激性下剤(腸を刺激して動かす薬)に分類されます。
それぞれの方の便秘の性状によって使い分けることが有効ですが、両者を併用することもあります。

 便秘が高度になると、糞便性イレウスといって硬くなった便自体が原因となって腸閉塞となり重症化することもあります。
「たかが便秘」と軽く考えず毎日排便があるよう日頃から調整を心がけましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2012年8月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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