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ロコモティブシンドロームを知っていますか?

整形外科2012/10/01

 内科での「メタボリックシンドローム」は誰でも一度は聞いたことがあると思います。
その意味は内蔵脂肪型肥満を主因とする様々な成人病の危険性を高める状態といわれています。

 それと同様の考え方で、運動器(骨、関節、筋肉)の障害により、自立した生活ができなくなったり、介護が必要となる危険性を高める状態を「ロコモティブシンドローム」といいます。
これは2007年に日本整形外科学会が提唱した新しい概念です。

 実際、75歳以上の高齢で介護が必要となる原因の中で、運動器疾患は24%で脳血管障害とほぼ同率となっています。
「ロコモ」(略して)では先ず「起立」や「歩行」の障害として症状が始まります。
歩く為には、先ずバランスよく「起立」しなければなりません。
更に「歩行」という運動は単純な動作に見えますが、実はかなり複雑に、神経系、骨格、筋肉の総合的な機能が関与しています。
特に歩行時には、短時間ですが片脚で立たなければならない動きがあります。
これが不可能になると高齢者によく見られる「ひきづり歩行」となります。

 そこで「ロコモ」の予防のために最も有効な運動の一つとして「片脚起立運動」が勧められます。
ふらつきがある場合には何かにつかまっていてもいいのですが、片脚で1分間立ち左右3回繰り返すだけです。
室内で簡単にできますが、転倒には十分注意して下さい。

 筋力に自信のある方、40〜50代の方は更に「片脚スクワット」や「片脚つま先立ち」を加えてもいいと思います。

 高齢化は、これからもどんどん進み、医療、介護の将来も厳しいものがあります。
40〜50代から「ロコモ」の予防をして、更に親の世代にもアドバイスなどができれば介護の負担が減る可能性もあります。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2012年10月号 「Dr.Dr.プリーズ」掲載)

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