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歯の進化について

歯科2013/01/28

 ときしらずといえば、魚や花を連想するように、「親しらず」は、歯のことだとほとんどの方がわかるほど、一般的に使われている言葉です。
専門的には第三大臼歯あるいは智歯といい、骨の中で形成される時期も遅く、最も進化による影響が出やすい歯です。
進化により顎が小さくなると、最も遅れて出てくる智歯は、その出る場所がなくなり、歯冠の一部のみが頭を出し、その他の歯根は氷山のように歯ぐきの中に深く深く埋ったままになります。
その一部露出した部分に食物がたまり、細菌が繁殖し、智歯の周りの骨にまで拡がると「親しらずがハレタ」という状態になり歯医者さんに駆け込むわけです。
また、歯自体も進化の影響を受け異常な形をしていたり、小さくなってなくなってしまう場合も少なくありません。

 映画「ジョーズ」に出てくるあの忌まわしいサメは恐怖映画の主人公にされるほどするどい歯を持っています。
その歯は一生の間、何度も生え替わります。
だから常にとがった鋭い歯でいられるわけです。
その他にもサメは歯に関して別な重要な面を持っています。
サメハダといわれるように、サメの体を包んでいる皮には硬いザラザラ感を持ったウロコ様のものがあります。
このサメのウロコが歯の元祖であるといわれているのです。
よくみますとサメのウロコには、われわれの歯のエナメル質や象牙質に相当する部分があり、動物の歯の大元締であると考えられております。
人間が持っている歯の形は、前歯は切るのに適した肉食のための形、奥歯はすりつぶすための臼(うす)の形をしているため草食に適しております。
しかし、肉食獣に比べると、切るための筋肉も弱く、また、草食動物の牛などに比べると食道から直腸までの消化管の長さが短く、「草食動物」よりは「穀物食動物」といわれています。
人間の永久歯は、サメと違い生え替わりませんので、「親しらず」といえども、できるだけ大切に残しましょう。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(2013年1月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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