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成人の視力障害原因の第1位は?

眼科2013/02/25

 現在、成人の視力障害の第1位は糖尿病網膜症です。

 糖尿病網膜症は糖尿病に伴う3大合併症の1つで、その程度は様々ですが、場合によっては失明することもあります。
眼の網膜は細い血管で構成されていて、糖尿病により血液中の糖分が増え粘度が高くなると、網膜血管がつまってしまいその結果、網膜に血液が循環されなくなります。
これが原因となって網膜に出血や浮腫を起こしたり、硝子体に出血を起こし、視力が低下すると考えられています。

 糖尿病網膜症にならないための一番の予防は血糖のコントロールです。
糖尿病網膜症の進行スピードは人それぞれ異なりますが、血糖のコントロールが悪ければ悪いほど、悪い期間が長ければ長いほど、糖尿病網膜症は早く進行することが知られています。
また、高血圧や高脂血症も糖尿病網膜症の進行の危険因子であることが知られています。
これらを改善するためには内科へ定期通院し、全身管理を継続的に行うことが大事と考えられています。
我々、眼科医は採血データの中でHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を指標にして、網膜症の進行を予想しています。
眼科と内科の連携には糖尿病手帳というものがあり、HbA1cも記載されますので、是非利用してください。

 糖尿病網膜症は初期には自覚症状に乏しく、視力の低下など自覚症状が出てきた時には病気がかなり進行していることがあり、場合によっては視力の回復が難しいことがあります。
しかし、早期から眼科を定期的に受診し眼底検査をしていれば、必要な時点でレーザー治療を行え、病気の進行をある程度予防することが可能です。
糖尿病になったら、たとえ自覚症状がなくても、定期的に眼科を受診してください。
また、血糖のコントロールが落ち着いていても、糖尿病網膜症は数十年してから発症することもありますので、最近通院されていない方もこれを期に一度眼科を受診されてはいかがでしょうか。


Text by 江口眼科病院 杉本 哲理( 2013年2月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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