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加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)について

眼科2013/08/26

 加齢黄斑変性は欧米では中高年の視覚障害の原因の第一位ですが、日本では緑内障や糖尿病網膜症がその上位で、あまり注目されていませんでした。
近年、日本でも患者が増加し、滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性に対する人工多能性幹細胞(iPS細胞)の網膜移植の臨床研究が世界で初めて始まり、注目されるようになりました。

 眼に入ってきた光は、角膜や水晶体、硝子体を通り、網膜の上で像を結び、見ることができます。
この網膜の中心にある黄斑は、重要な細胞が集中し、この部位に障害が生じると、視機能は大きく低下します。
滲出型加齢黄斑変性は、網膜色素上皮の下に病的な新生血管ができ、血液中の成分が漏れ出て、黄斑部の神経網膜が障害されるものです。
その症状は、初期は見ようとする部分がゆがんだり、ぼやけたりし、進行すると急激に重篤な視力低下を起こすことです。

 この現在の最も有効な治療は抗VEGF薬療法です。
これは新生血管を成長させる血管内皮増殖因子(VEGF)を抑える薬を硝子体に注射する方法です。
やや高価で継続した複数回の投与が必要な治療ですが、視力の改善の効果があり、有効な治療といえます。
他に光線力学的療法があり、この2つの単独あるいは併用療法が現在行われています。
しかし、病状が進行した場合、治療にかかわらず視機能の改善に限界があるのが現状です。

 今回始められるiPS細胞の臨床研究では、患者の腕から採取した皮膚組織を使って、iPS細胞を作製し、網膜に穴をあけて病的な新生血管や色素上皮を取り除き、この部位にiPS細胞から網膜色素上皮細胞に変化させたシートを移植するものです。
これは将来の治療につながるという意味では非常に期待がもたれます。
しかし、今回の研究はあくまで安全性に関する研究であり、視機能の改善の検討はその先になります。
現状を冷静にとらえて、早期に病気を発見し、現在の治療を開始、継続することが重要と考えます。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2013年8月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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