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咽頭癌〜女性患者の増加が懸念されます〜

 我が国の三大死因は癌、心疾患、脳血管疾患ですが癌は最多の30%を占めます。
癌は怖い病気ですが、十分な知識を持ち対処すれば根治も可能な病気です。
頭頸部癌は全癌の約5%を占めます。
癌患者数は300万人を超えると推定されていますので、約15万人の患者さんがいることになります。
頭頸部癌には舌癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、上顎癌、唾液腺癌、甲状腺癌などがあります。
今回は頭頸部癌の中でも早期発見で十分治癒が望める喉頭癌についてお話しします。

 1年間に喉頭癌で亡くなられる患者数は約1,000人で、男女比は9:1で男性に圧倒的に多い癌です。
発癌の大きな要因は、喫煙で非喫煙者に対し喫煙者は100倍、喉頭癌になりやすいと言われています。
喉頭癌患者さんの平均的な喫煙歴は1日30本以上、30~40年です。
禁煙区域の拡大、分煙環境の整備が進み全体の喫煙率は低下傾向ですが、それは主に男性の喫煙率の低下で女性の喫煙率は増加傾向がうかがわれますので、今後,女性患者の増加は懸念されます。
道南はまだ喫煙率が男女ともに率が男女ともに高い地域ですので、喉頭癌に十分な知識を持つことは重要です。

 喉頭癌の初期症状で最も多いのは声のかすれで改善しない場合は、ためらわず耳鼻咽喉科を受診すべきです。
喉頭癌のほとんどは扁平上皮癌という癌で放射線がよく効きます。
早期癌であれば放射線療法のみで80~90%で治癒が望めますし、声のかすれも改善します。
放置した場合には、最終的には呼吸困難に陥ります。
進行癌になってしまうと放射線療法のみでは治癒は望めなくなりますので、抗癌剤による化学療法や手術をさらに追加し組み合わせて治療をすることになります。
手術は喉頭全摘出術、永久気管孔造設術を基本的に行いますので、声は失われます。
進行癌になっても頭頸部癌の中では最も治療成績はよいのですが、癌になってしまうと治療のために2~3ヶ月の入院を強いられ、声を失うという機能障害を残す可能性があるわけですから、やはり予防が大切です。
禁煙したその日から発癌の危険性は低下しますので、是非とも禁煙をおすすめします。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2013年9月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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