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再生医療とリハビリテーション

脳神経外科2013/09/30

 京都大学山中教授のノーベル賞受賞以来、iPS細胞による再生医療に対する期待が高まっています。
一部の病気で臨床試験が間もなく開始されるという報道もあり、いよいよ現実味が出て来ました。
こうした状況を受けて、患者さんの中には「もうすぐ再生医療が実用化されて、自分の脳卒中後遺症は細胞を移植すれば治る。だから、リハビリなんか止める」という人が出て来ました。
果たして、iPS細胞から作った神経細胞(正しくは神経幹細胞)を移植すれば、脳の病気は何でも治るのでしょうか? リハビリは不要になるのでしょうか?

 答えは「ノー」です。
脳は、よくコンピューターに例えられます。
脳卒中で脳が大きく壊れた時、これに再生医療技術を用いるのは、いわば、パソコンを「リカバリー」して、買ってきた時の状態に戻すことに似ています。
実際には、買ってきたパソコンは色々なプログラムが入って、初めて使えるようになります。
例えば、脳梗塞で脳の一部が障害された状況を思い浮かべます。
病気の範囲が小さくて、パソコンでいえば「回路の一部が切れた」程度ならば、細胞移植だけで回復する可能性は大きいでしょう。
しかし、病気に侵された範囲が広い場合、事は簡単ではありません。
神経回路が回復しても、それまでの人生で身に付けたこと(プログラム)は、もう一度脳に覚えさせなければなりません。

 別の例えで言えば、体が自動車で、脳がドライバーだとします。
ドライバーが病気になったなら、ドライバーを交代させれば良いはずですが、交代ドライバーとして移植された細胞は、まだ運転の仕方を知らない子供のようなものです。
手足は自在に動かせますが、運転操作は練習で身につけなければなりません。
この練習こそ、リハビリテーションです。

 残念ながら、再生医療が実現しても、何の努力もなしに元通りになるということは期待しない方がいいでしょう。
むしろ、リハビリは益々重要になってくると思われます。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2013年9月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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