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ピロリ菌を知っていますか?

内科2013/11/30

 ピロリ菌という名前を聞いたことがありますか?正式な名前はヘリコバクターピロリといって、人の胃の中に住み着いて悪さをする細菌です。
胃の中には、強い酸性の胃酸がありますが、ピロリ菌は酸から胃を守っている粘液層の中に住みつくことで胃酸の影響を避け、更に自らウレアーゼという酵素を出して胃液の中の尿素を分解し、アルカリ性のアンモニアを作り出して自分の周りの胃酸を中和して生き延びています。
この、ピロリ菌が作り出すアンモニアや、人側のピロリ菌をやっつけようとする免疫の働きで胃の中に炎症が起こります。
ピロリ菌は、多くは5歳以下の子供のときに感染して、治療しない限り胃の中に住み続けて炎症を起こすのがほとんどですが、最初のうちあまり症状はありません。
炎症が長く続くと胃の表面が薄くなってきて、(萎縮といいます)萎縮が進むと胃もたれや胃痛の原因になったり、癌の原因になったりするといわれています。
大人になってからピロリ菌に感染した場合、激しい胃の痛みなどの症状が出ることがあります。
ピロリ菌の感染については衛生環境が大きく影響していると考えられており、現在の40代よりも上の年代では感染率が高く、その下の年代では感染率が下がってきています。
胃カメラなどでピロリ菌に感染している疑いがある場合は、検査をして陽性であれば内服薬による治療が出来ます。
抗生物質を2種類と胃酸を抑える薬を1週間内服するのですが、きちんと飲まないとうまく治療できないことがあります。
また、抗生物質に対して抵抗性の菌であった場合、きちんと薬を飲んでもピロリ菌がうまく消えないこともあります。
そのときは薬の種類を変えてもう一度、治療にチャレンジすることが出来ます。
ピロリ菌の検査方法は、胃カメラで調べる方法や、血液や便で検査する方法、呼吸中の尿素を調べる方法などがありますが、人によって出来ない検査もあるので、お近くの病院で相談してみてください。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2013年12月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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