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生活習慣病って何?

 生活習慣病は数年前までは成人病と呼ばれていましたが、中高年だけの病気ではないこと、また発病の原因が日常生活に関わっていることからこのように呼ばれるようになりました。 生活習慣病は30〜40歳代に急増していますが、近年は食生活の変化や運動不足が原因で発症年齢が低下し、若い人たちにもその兆候が見られるようになったのです。
私たちの普段の生活習慣、家庭環境の他に、体質的要因、さらにはもちろん加齢も影響します。
不規則な食事時間やアンバランスな食事内容、運動不足、ストレス、喫煙や過度の飲酒がこの病気を引き起こしてしまうのです。 生活習慣病は、高脂血症、糖尿病、高血圧、内臓型肥満などで、これらの病気は互いに合併しやすく、また合併することで加速的に動脈硬化、心筋梗塞へと発展します。
その生活習慣病を予防するための対策でまず重要な要素が食事です。
特に高脂血症の方は、脂っこい食べ物を取らずにいても、甘い物などの糖質を多く取ってしまえば脂肪分は増えていきます。 体の脂肪分を減らすには、まずは摂取するカロリーを制限する必要があります。 肥満傾向が強い人は、体重を減らすことがとても大事になるのです。
もちろん、コレステロールの多い食品を避けることも、重要なポイントです。
コレステロールは、筋子、たらこ、レバーなどをはじめ、イカ、えびなどの甲殻類にも多く含まれています。
厚労省が勧めている日本人のコレステロールの摂取量は1日300㎎以下です。
卵1個の黄身には、約200〜250㎎含まれているので、それだけでほぼ1日の摂取量に達してしまうことになります。 一方、食物繊維は血中コレステロールを低下させる働きがあるので多く取るように心がけましょう。 食事療法と運動療法で効果が表れない場合は、薬物療法となります。
生活習慣病を早く見つけるためには、職場や自治体などが主体となって行っている健康診断を定期的に受けてみてはいかがでしょうか。
健康診断は、ほとんど自覚症状がない生活習慣病の早期発見に大きな役割を果たしています。 健康に自信があるときこそ、健康診断を受ける意味があるのです。
そして定期的に受診することで身体の変化がわかり、病気の早期発見につながります。
また、再検査や精査を勧められたときには、自己判断せず迷わず受診することをお勧めします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2010年7月26日 「北海道新聞」掲載)

現在のリウマチ治療

整形外科2018/09/25

 関節リウマチは喫煙や歯周病などの生活環境や加齢に伴うホルモンの変化、あるいは遺伝的要因により関節内に炎症が起こることが最近の研究で明らかになっています。
具体的には体を構成しているタンパク質がいろいろな作用により異常なタンパク質に変わり、免疫は排除しようとして炎症が起こります。

 関節は関節包で覆われていますが、内部には滑膜と呼ばれ関節液を作る薄い膜があり、正常では関節液を作って軟骨の滑りをよくしています。
関節リウマチでは滑膜に炎症が起こり、関節包が厚くなり関節液をたくさん作るため関節が腫れ、炎症が持続すると軟骨や関節内の骨は壊れ、変形してしまいます。

 関節炎は例えると「火事」で、消火活動をしなければ建物は壊れてしまいます。
つまり関節炎を「消火」する治療、すなわち薬を使わなければなりません。
薬には痛みを抑える鎮痛剤、少量のステロイドなどありますが、関節炎を「消火」するわけではありません。
疾患修飾抗リウマチ剤と呼ばれ、関節炎を起こしている異常な免疫に作用して関節炎を抑える薬の使用が必要となります。
従来から免疫調整剤、抑制剤があり、代表的なのがメトトレキサートという薬です。
リウマチ治療のガイドラインでは関節リウマチの診断がつけば、メトトレキサートの使用が推奨されています。

 さらに近年、分子標的薬と呼ばれ、免疫細胞間の刺激を伝達するサイトカインの働きを抑える、あるいは細胞内に入った刺激が遺伝子に働くのを抑える抗リウマチ剤が相次いで登場しました。
現時点で7種類の抗体製剤と2種の化合物質があり、治療により関節炎が消失し「寛解」と言われる、いわゆる治ったに近い状態を達成することが可能となりました。

 ガイドラインではメトトレキサートが十分な効果が得られない場合に使用が薦められていますが、治療費用が高額で希望すれば誰でも受けられる治療とは言えません。
しかし、高額な治療費を支払わなくても済む国や地方の支援制度がありますので、治療を希望される方は医師に相談されると良いでしょう。


Text by 道南リウマチ・整形外科 北村 公一( 2018年9月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

あなたも過活動膀胱かもしれません

泌尿器科2017/01/10

前ぶれもなく起こる急な尿意を感じたら泌尿器科へ!

過活動膀胱は男性、女性、若年、高齢にかかわらず誰もがなりうる病気です。

40歳以上では8人に1人が過活動膀胱の症状を持つと言われています。

間に合わずに漏れそうになる、人よりもトイレに行く回数が多い、夜何度もトイレに行くので眠れない、おしっこをした後なんとなく気持ち悪い、などの症状があればそれは過活動膀胱かもしれません。

泌尿器科には行きたいけどちょっと恥ずかしいし、どんな検査をされるのか不安。こんな思いをされている方は多いと思います。しかし排尿に関する医療の進歩により、難しい検査をしなくても診断や治療ができるようになりました。

泌尿器科を初めて受診された場合、まず症状や普段の状況を詳しくうかがいます。
そして、病気に関連するいくつかの質問をさせていただき診断を導きます。
診断が確定できない場合には検査を行うことになりますが、その場合も尿検査や超音波検査など苦痛の少ないものを優先的に行うので心配はありません。

治療が始まった後も、その後の症状の変化を確認しながら無理なく続けられる治療方法を相談しながらすすめてゆくので不安なく継続してゆくことができます。

悩むよりはまず泌尿器科へご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2016年6月14日発行号 「青いぽすと」掲載)

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)について

眼科2013/08/26

 加齢黄斑変性は欧米では中高年の視覚障害の原因の第一位ですが、日本では緑内障や糖尿病網膜症がその上位で、あまり注目されていませんでした。
近年、日本でも患者が増加し、滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性に対する人工多能性幹細胞(iPS細胞)の網膜移植の臨床研究が世界で初めて始まり、注目されるようになりました。

 眼に入ってきた光は、角膜や水晶体、硝子体を通り、網膜の上で像を結び、見ることができます。
この網膜の中心にある黄斑は、重要な細胞が集中し、この部位に障害が生じると、視機能は大きく低下します。
滲出型加齢黄斑変性は、網膜色素上皮の下に病的な新生血管ができ、血液中の成分が漏れ出て、黄斑部の神経網膜が障害されるものです。
その症状は、初期は見ようとする部分がゆがんだり、ぼやけたりし、進行すると急激に重篤な視力低下を起こすことです。

 この現在の最も有効な治療は抗VEGF薬療法です。
これは新生血管を成長させる血管内皮増殖因子(VEGF)を抑える薬を硝子体に注射する方法です。
やや高価で継続した複数回の投与が必要な治療ですが、視力の改善の効果があり、有効な治療といえます。
他に光線力学的療法があり、この2つの単独あるいは併用療法が現在行われています。
しかし、病状が進行した場合、治療にかかわらず視機能の改善に限界があるのが現状です。

 今回始められるiPS細胞の臨床研究では、患者の腕から採取した皮膚組織を使って、iPS細胞を作製し、網膜に穴をあけて病的な新生血管や色素上皮を取り除き、この部位にiPS細胞から網膜色素上皮細胞に変化させたシートを移植するものです。
これは将来の治療につながるという意味では非常に期待がもたれます。
しかし、今回の研究はあくまで安全性に関する研究であり、視機能の改善の検討はその先になります。
現状を冷静にとらえて、早期に病気を発見し、現在の治療を開始、継続することが重要と考えます。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2013年8月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

女性ならではの繊細さと最新機器を駆使。一般的皮膚疾患から美容皮膚まで幅広く対応。

病院紹介2011/03/07

 うめき皮膚科は、市立函館病院皮膚科科長を務めていた梅木薫院長が、2006年に石川クリニックモールに開院。
院内は、診療室2室、処置室、美容施術室2室と、全室個室化され患者のプライバシーに配慮し好評だ。
女性の医師ということで、ニキビに悩む若い患者など、特に女性が安心して受診できるクリニックとして親しまれている。「例えばニキビなど、こんなことで病院に掛かっていいのかと躊躇される人は多いですが、ニキビも立派な皮膚病です。
時には悪性黒色腫が発見され、早期受診だったために簡単な手術で治ったという人もいますので、皮膚の気になる症状があれば恥ずかしがらずに早めの受診、ご相談ください」と梅木院長は話す。 同院では、保険診療を基本にニキビや水虫、アトピー性皮膚炎の治療をはじめ、副作用が少なく効果の高い経口剤の投与による爪水虫治療、函館では数少ないナローバンドUVBを導入し、水虫と間違いやすい掌蹠膿疱症の治療などに効果をあげるなど、地域の信頼を得ている。 また保険外診療においても、北海道で初めて導入された資生堂のケミカルピーリングとイオン導入、皮膚を吸引しながらマイルドな光を照射するニキビ治療に優れた光治療アクネ、痛みがほとんどない光脱毛など美容診療の多様なニーズにも対応し喜ばれている。


Text by うめき皮膚科( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

メタボじゃなくてもご用心!

内科2008/08/13

 昨年の流行語大賞となった「メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)」。危険因子として、肥満・高血圧・高血糖・高脂血症(特に高中性脂肪・低HDLコレステロール)が挙げられ、欧米では、このうち3つ以上があてはまると「メタボリック症候群」と診断されます。

 しかし、日本の診断基準では、肥満(ウエストサイズ―男性85cm以上、女性90cm以上)が必須で、更に、高血圧・高血糖・高脂血症のうち2つ以上があてはまる場合となっています。つまり、血糖値がかなり高くても、太っていなければ同症候群には該当しないことになります。しかし、やせた人でも、体質的に高血糖や高血圧を起こしやすい人がいて、そういう人は太っている人よりむしろ心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の危険性が高いという報告もあるので、メタボじゃないからと安心する訳にはいきません。

 肥満の指標として、ウエストサイズのほかに、BMI(体格指数)という測定の方法があり、

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算定されます。

 BMIでは、20未満がやせ、20~24が正常、25以上が肥満と診断されます。この基準を満たしていると、やせや肥満に関係する合併症が少なくなり、最も病気になりにくいといわれる数値を算定したものです(ただし、これはあくまでも指標であって、骨格や筋肉のつき方で異なるため参考程度にしてください)。

 もし、「メタボリック症候群」や肥満の傾向がある方は、まず、体重を目安に減らしましょう。

 体重のおよそ5%を減らすと、血糖値・血圧・中性脂肪値が改善されることがわかっています。そして、体重の5%を減らすには2~3カ月程度かけて無理のない減量をしましょう。急激なダイエットで体重が減るのは、脂肪ではなく水分が減り、さらに体が飢餓状態を感じると体内のたんぱく質が分解されるため、筋肉が減ることも知られています。

 今のこの時期が、季節的にも心地よく運動するには適しています。明日の朝、通勤やお買い物は少し遠回りをして散歩をしてみてはいかがでしょうか。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

生活習慣病、メタボリック症候群

脳神経外科2021/07/08

「生活習慣病」や「メタボリック症候群」という名前は、ご存知でしょう。医療者は病気に色々名前をつけますが、診断された人は気持ちの良いものではありません。診察の際に「メタボですから」と恥ずかしそうに、苦笑いを浮かべる人がいます。どうして苦笑いなのでしょう。

「スティグマ」という言葉があります。ギリシャ語で、奴隷や犯罪者に付けられた「印」の意味です(日本でも「島流し」から戻った犯罪者の腕に入れ墨が入れられました)が、現代では、身体的な障害や宗教など、周りとの違いが好ましくないとして区別する「印」として使われます。さて、「生活習慣病」や「メタボ」と診断されると、自身も、周囲の人間も「乱れた生活から、病気になったダメ人間」のレッテルを貼ってしまいます。この「レッテル」がスティグマです。結局、心配なので毎年、健診は受けますが、健診結果を隠し、医師には相談しません。「ダメ人間」のレッテルを見せたくないのです。

最近、糖尿病学会の偉い方の講演をオンラインで聞きました。糖尿病に対する「スティグマ」を取り除きましょうというお話でした。現在、世界中がコロナウイルス感染で苦しんでいますが、糖尿病などの病気を持っている人の死亡数が多いという報道がされています。そのため、糖尿病患者さんの中には「私なんか、コロナにかかったら、一発でお終いですヨネ」などという人がいます。今回聞いた講演によると、これまでに分かっているデータからは、糖尿病でも血糖コントロールが良好な人達では、糖尿病でない人達と死亡率に差はないということでした。

結局、病気であることが悪いのではなく、それをほったらかしにするのがいけないのです。病気は誰かのせいではなく、まして本人の責任でもありません。恥ずかしがることはありません。「生活習慣の悪い人」のレッテルを剥がしましょう、生活習慣病とは、生活習慣の改善でコントロールできる病気だと考えましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税( 2021年3月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

ブルーライトは、何が悪い??

眼科2016/06/20

 最近、ブルーライトカット眼鏡が売り出されていますが、ブルーライトとは、LEDをバックライトに使う液晶モニターから多く発せられている光です。

 モニターは明るいほうが見やすいと思われがちですが、明るいとブルーライトがいっぱい入っているので、「眼精疲労」を引き起こします。
また、肌にとっても紫外線同様に悪影響を及ぼし、くすみやクマができると言われています。

 20年前に比べると、LEDディスプレイの普及により、あらゆるデジタル機器からブルーライトを知らぬ間にたくさん見ているので、「①網膜へのダメージ②目の疲れ③目の痛み」などを引き起こします。

 以上のことから「パソコン作業はなるべく長時間しないように控える。
ディスプレイの輝度を調整する。ブルーライトカットのフィルターやメガネを使用する」などして、健康的な生活を送れるように心掛けましょう!!


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2016年6月20日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

まだまだ、しもやけの季節です

皮膚科2017/03/13

 しもやけは寒さによる末端の血行障害で、厳冬期よりも昼夜の温度差が10度以上ある初冬と初春に多いといわれています。
特に足指や耳、頬が赤く腫れ、時に水疱(すいほう)となり、温めると痛みや痒(かゆ)みが強くなります。
治療は血行を促す外用剤を優しくマッサージしながら、1日に数回塗布します。
炎症が強い場合には、ステロイド剤を使用することもあります。
重症の場合はビタミンEや漢方薬を内服することもありますが、症状が出る前の秋から始めると、予防効果があるといわれています。
手洗いや発汗後の水分が蒸発することで熱が奪われ、しもやけになりやすくなりますので、タオルで水分をしっかり拭き取ったり、靴下を交換することが大切です。
発熱や関節痛を伴ったり暖かい時期でも症状が続く場合には、他の疾患のこともありますので、その時は皮膚科受診をお勧めします。


Text by うめき皮膚科 梅木 薫( 2017年3月13日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

爪水虫(つめみずむし)も治る時代になりました

皮膚科2008/08/13

 前回の「水虫」で反響が多かったので、今回は爪の水虫をとり上げました。爪水虫はその名の通り、爪に白癬菌(はくせんきん)という水虫と同じカビがついてしまった状態です。

 爪は皮膚と違いツルツルして厚いので、塗り薬だけでは薬が爪に浸透せず、とても治りにくいのです。放置していると皮膚に感染したり、家族に感染してしまうこともあります。現在の爪水虫の内服薬は、爪の下の皮膚から薬が爪に浸透するので、とても効果が高く、70~80%の治癒が望めます。早い人では半年ほどできれいな爪になるので、今から飲み始めれば、夏にサンダルが裸足で履けるかもしれません。

 ただし肝臓が悪い人や、相性が悪い薬を飲んでいると、内服できないこともありますので、皮膚科を受診の際には、これまでかかった病気や、現在内服中の薬を必ずお知らせ下さい。


Text by うめき皮膚科 梅木 薫(  「」掲載)

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