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メタボリックシンドロームと目

眼科2014/10/27

 食欲の秋、ついつい食べ過ぎてしまう季節になってしまいました。
ところで、最近メタボリックシンドロームという言葉をよく聞くようになりました。
太っている人を見ると「メタボだね」と略して言うこともありますが、では、メタボって何でしょうか?

 肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれが肥満―特に内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満といいます)ーが原因であることが分かってきました。

 このように、内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』といい、何でも横文字にするのは日本人の悪い癖ですが、簡単に訳すと、メタボリック:新陳代謝、シンドローム:症候群(=病気の集まり)という意味です。

 これらの病体は目にもいろいろな病気を引き起こします。
特に眼底に出血を来して、目がかすんで視力が低下してしまうことが多いのです。
例えば、 高血圧では眼底に出血や白斑(白斑=白いしみ)、視神経の浮腫(腫れ)を起こす高血圧網膜症を来たします。
高脂血症は眼底の動脈硬化を来すため隣を走っている静脈を圧迫して血がしみ出してしまう病気:網膜静脈閉塞症(へいそくしょう)を起こすこともあります。
この病気になると、ある日突然視力が低下して、目の前の半分くらいが暗くぼやけるようになってしまいます。
一番怖いのは糖尿病でしょう。糖尿病でもやはり出血や白斑を来しますが、目の中間部に出血する硝子体出血を起こして突然見えなくなったり、網膜の上にクモの巣みたいな膜が張って来ると網膜はく離を起こしたりして放っておくと失明することもある状態にまでなることがあります。

 これらの病気は、眼科だけではなく、内科の先生と連携を取って治療していく必要があります。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2014年10月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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