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人には聞けない『痔(じ)』の話

内科2014/12/22

 冬の寒さが原因で痔が悪化することが多いこの時期ですが、20歳以上の日本人の10人に1人は痔だといわれています。

 痔であることが恥ずかしい、まだ痛くはない、お尻を見せたくないと病院を受診しないため、早期のうちに治療できずに悪化してしまうことが多いようです。

 痔は男性の方が多いイメージがありますが、実際は女性にも多く見られます。
女性が痔になりやすい要因として、便秘があります。女性は便意を我慢したり、生理前に女性ホルモンの影響で便秘を起こしやすくなること、また、出産時に強くいきむことにより痔を発症したり、悪化させたりする方も多く見られます。
これから痔にならないように、またこれ以上悪化させないポイントが三つあります。

①トイレで3分以上いきまない
 トイレに新聞や雑誌を持ち込んでいる方はいませんか?
必要以上に時間をかけていきんでしまうこと、また、ウォシュレットで肛門を刺激して無理に便を出そうとすること、肛門を洗いすぎることも肛門に負担をかける原因になります。
まとめて便を出してしまおうと頑張りすぎないことが大切です。

②便秘や下痢をおこさない食生活・生活習慣を心掛ける
 いつもより、30分早起きをして朝食をしっかりとることも大切です。
朝、空の胃の中に食べ物が入った瞬間に、前日まで腸の中に溜まっていた便が肛門の近くの直腸に下りてきます。
そして、直腸の壁を便が圧迫することによって脳に便意が生じます。
するとほんの少しのいきみで便を出すことができます。
少し早起きをすることで、学校や職場へ行く前に、自宅で排便する時間の余裕が生まれます。

③ゆっくりお風呂に入る
 簡単にシャワーで済ませず、入浴して肛門付近の血行をよくすることも大切です。
痔の治療には、生活習慣の改善、薬物治療、手術がありますが、まずは生活習慣を改善し、痔となった原因を踏まえて治療していくことが重要です。
しかし、肛門からの出血は痔だけが原因とは限りません。
出血の1割は、大腸ポリープや大腸・直腸がんが原因の場合があります。
出血や肛門の異物感などの自覚症状が続く時は、きちんと検査をしましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2014年12月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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