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脳波検査の復権

脳神経外科2015/03/30

 以前、この欄の「脳を鍛える」話で、脳を鍛えるには繰り返すしかないと書きました。
実は、「鍛える」目的でなくても、「繰り返す」ことで「身に付いてしまう」ことがあります。

 脳は何億という神経細胞が電気信号を伝える回路の塊です。
脳の神経細胞の回路は、繰り返し電気信号が流れることにより、信号が流れやすくなります。
これが「繰り返す」ことで、知識や技術が身に付く基本原理です。
ところが、厄介なことに都合の悪い事まで身に付いてしまいます。
その代表が「てんかん」です。
「てんかん」の発作は、脳の一部から異常な電気信号が生じ、それが広がることで、けいれんを起こしたり、意識を失ったりします。
発作を繰り返すほどに出やすくなってしまいます。
この広がりを抑えるのが薬の働きです。
「てんかん」には、ネガティブなイメージがついて回りますが、新薬が次々に開発されている上に、一生薬が必要とは限らないことも、これまでの経験で分かっています。
時には、異常な信号の発生源が特定できて手術で完治することもあります。

 脳の電気活動を見る目的で行われるのが脳波検査ですが、「てんかん」の異常な電気信号を見るのに、この検査が大変役に立ちます。
しかし、近年は、断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)といった形を見る検査方法が発達してきた一方、脳波は判読が難しく、重症の頭部外傷や脳卒中の後遺症を除けば、成人してからの「てんかん」の発症は少ないと考えられていたため、脳波を検査することが減ってきていました。
ところが最近、脳波計もデジタル化して見やすくなり、再び注目されています。
特に成人、それも高齢者では想像以上に、「てんかん」発作が起きていることが分かってきています。
一時的な意識障害、一過性のまひなど、脳卒中の前触れを疑わせるものの中に「てんかん」が潜んでいるらしく、脳疾患急性期の脳波検査が再び注目されています。

CT、MRIで脳の形は見やすくなりましたが、働きを見るには、古くからの脳波検査がまだまだ必要です。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2015年3月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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