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悪い歯並びの『要因』を知ることの大切さ

矯正歯科2015/07/27

 悪い歯並び・かみ合わせは、「遺伝的な要因」と「環境的な要因」によってもたらされます。
「遺伝的な要因」とは、親から受け継ぐ遺伝子が発現することによって生じるもので、親が受け口であれば、お子さんが受け口になる可能性が出てきますし、親がデコボコの歯列なら、お子さんもデコボコの歯列になる可能性があります。

 「環境的な要因」には、生まれた後の生活習慣、食習慣、そしてさまざまな病気などがあります。
例えば、現代人は、昔の人と比較してあまり歯応えのあるものを食さなくなったため、歯を支えている骨(歯槽骨)の発育が抑制され、歯が並ぶスペースが不足し、デコボコになってしまう人が増えているとも指摘されています。
また、アレルギー性鼻炎などがあると、口呼吸が習慣となり、普段、舌の置いておく位置や嚥下する(ものを飲み込む)際の舌の動かし方が悪くなり、歯並び・かみ合わせに悪影響を与えてしまうことが多々みられます。
幼少時代の「おしゃぶり」や「指しゃぶり」なども、歯並びを崩してしまう要因となりますので注意が必要ですし、「歯ぎしり・食いしばり」も非常に悪影響を及ぼします。

 歯列矯正を行う際、まず精密な矯正検査を行い、治療計画を立てますが、何が要因で今の歯並びがもたらされているのかも診断します。
環境的な要因が現時点でも残っていることが確認されれば、それを取り除く指導や治療を行います。
なぜなら、矯正治療時にそのような要因を放置したままだと、歯列矯正の期間が長引いたり、きれいに治らなかったり、治ったとしても歯列の安定が悪かったりするためです。また、遺伝的な要因が認められても、直接的には対応できませんが、それを踏まえて、治療計画を組み立てます。

 歯列矯正とは、単に目の前にあるデコボコの歯並びをまっすぐ整えれば良い、という単純なものではありません。
現時点の歯並び・かみ合わせをもたらしている「要因」を捉えた上で、治療計画を綿密に立て、随時、軌道修正を加えながら治療を進めないと、軽症ならいざ知らず、重い症状ほど対応ができません。


Text by ふるた矯正歯科 古田 樹己( 2015年7月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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