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赤ちゃんの哺乳について

歯科2016/04/26

 10カ月にも及ぶ長い妊娠期が終わって出産を無事に終えた後は、生まれてきた赤ちゃんが健康であることがお母さんの何よりの願いです。
オギャーと泣いて元気な子であることが分かるとお母さんの気持ちはホッとします。
そして、元気にお母さんの乳首を吸っている我が子の姿を見ると、大変だった妊娠期間を忘れさせてくれることと思います。

 生まれたての赤ちゃんは健康であれば、お母さんのおっぱいを吸うことができます。
しかしこの当たり前に思える動作ですが、いつどこで覚えたのでしょうか?
おっぱいを吸う動作は思った以上に複雑なものです。

 赤ちゃんは頬や口唇のあたりを刺激すると、刺激を受けた方向に口唇を向けて乳首を探し、口唇と舌を使ってお口の中に乳首を引っ張ってきます。
これらの動作は反射的に行っており、探索反射および口唇反射といわれております。
赤ちゃんの頬をお母さんの指で触ると、指をパクッとくわえることがあるかと思います。

 この頃の赤ちゃんの上顎の口蓋は真ん中がくぼんでいて、乳首をとらえて吸うために適した形となっております。
舌を前後に動かし、乳首をしごいて乳汁を吸います。
これを吸啜(きゅうてつ)といいます。その後、乳汁を喉の奥(咽頭部)まで送って飲み込みます。
これを嚥下(えんげ)といいます。これらもまた反射により行われます。

 これらの動作は、実はお母さんのお腹の中にいるときからみられるものです。
胎生8週頃には口の周りを触れる刺激を与えると、頭や体を刺激した方へ向ける動作を始め、胎生12週頃には嚥下運動、胎生24週頃には吸啜運動を行い始め、この後には自分の指を吸ったり、羊水を吸引していると考えられています。

 赤ちゃんはお母さんのお腹にいるときから、おっぱいを吸う準備をして、頑張っています。
そう考えるとおっぱいを吸う赤ちゃんの姿は違う形で見えてくるかもしれません。


Text by 北斗歯科クリニック土永 浩史( 2016年3月15日発行 「青いぽすと」掲載)

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