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歯根は虫歯にかかりやすい

歯科2017/04/11

 深い歯周ポケットのある歯周病にかかっていらっしゃる方は、歯の動揺や歯肉の腫れ、歯肉からの出血、お口のネバネバ感などの症状で悩まされているかと思います。
歯科医院で歯周病治療を始め、健康な歯肉を取り戻しつつあると、今まで腫れていた歯肉は引き締まっていきます。
逆に歯と歯の間の隙間が拡がるため、食べ物が挟まりやすくなったり、また歯根の露出量が増えるため、冷たい水でしみる知覚過敏症状が起きることがあります。

 このような症状の他に起きる大きな問題点のひとつとして、根面う触(こんめんうしょく/歯根の部分の虫歯)があります。
この歯根部の虫歯は歯周病の方だけでなく、加齢とともに歯肉が下がった高齢者に発症しやすく、60歳以上では2人に1人の割合で発症しているという報告があります。

 歯冠(歯の上の部分)はエナメル質で覆われていて、PHが約5.5以下になると脱灰されるのに比べ、歯根では象牙質が薄いセメント質に覆われていて、PHは約6.7以下になると脱灰されますので、歯冠よりも歯根の方が虫歯にかかりやすいと言えます。

 根面う触がおきやすくなる原因として、高齢になると歯を虫歯や歯周病から守る唾液の量が減るため口腔乾燥症を起こすことがあげられます。
加えて、降圧薬や利尿薬、坑うつ薬等の多種の薬剤の副作用や、糖尿病やシェーグレン症候群でも口腔乾燥症が生じやすくなります。
また、そもそも歯根の形はくぼんでいる部分もあるためブラッシングしにくく、プラークを残しやすいので虫歯にかかりやすいと言えます。

 根面う触の予防には、フッ化物入りの歯磨剤を用いたブラッシングを行い、歯間ブラシや電動歯ブラシの併用も効果があると思われます。
根面う触に対してフッ化物入り歯磨剤を用いた場合、67%のう触予防効果があったという報告があります。
さらにご自身で清掃が難しい部分を、定期的に歯科医院でケアすることをおすすめします。


Text by 北斗歯科クリニック土永 浩史( 2017年3月17日発行号 「青いぽすと」掲載)

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