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男性の性(22)

泌尿器科2011/05/06

 昔は、高貴な家に生まれた子供は跡継ぎを早く確保するため早婚が一般的でしたが、日本の江戸時代の大奥のような性技指導システムがないところでは、男側がまだ性に目覚めていない時期の早婚が、重大問題に発展することも珍しくありませんでした。 フランス革命で処刑された悲劇の王妃マリー・アントワネットとその夫(ルイ16世)は、14歳と15歳で結婚していますが、結婚後11年間子供が生まれませんでした。
原因としては二人の趣味性格の不一致・不仲説が一般的ですが、実は結婚当初、ルイ16世は性的なことに全く興味を示さず(性に目覚めていなかった?)、狩猟や当時の精密機械である錠前づくりに熱中して、妻のマリー・アントワネットを放任していたそうです。
夫に相手にされないアントワネットは舞踏会や賭博に興じ高価な衣装や装飾品に莫大な浪費を重ねたり、お気に入りの男達を宮廷内で寵愛したため、民衆からの人気は凋落するばかりでした。 その後、やや遅れたとはいえルイ16世もちゃんと性に目覚めたようですが、包茎(おそらく真性)だったせいで、気恥ずかしさからもう存分に女としての魅力を振りまくアントワネットに接することが出来なかった、というのが11年間子供が出来なかった真相のようです。 包茎手術の歴史は古く、ユダヤ教徒の割礼や古代エジプトのパピルスにも当時の手術の模様が描かれています。
当然、ルイ16世の時代でも包茎は外科手術によって治るものでしたが、恐怖心から手術を受けることをためらい国を揺るがす事態にまで発展してしまったのでした。 その後、見るに見かねたアントワネットの兄がオーストリアからフランスを訪れ、手術を受けるようルイ16世を説得し、ルイ16世も手術を受け入れたので、普通の夫婦生活が得られ4人の子供に恵まれましたが、その頃にはフランス革命のまっただ中。
二人はロベスピエールによりギロチン台の夜露と消えてしまったのでした。
4人の子供のうち3人は早死にし、残された一人の王女はオーストリアに逃れました。
歴史の運命は皮肉なものです。(つづく)


Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士( 2011年6月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

二人目以降の赤ちゃんができない場合も不妊治療の対象になります

産科婦人科2008/08/13

 「不妊」は、赤ちゃんが一人も授からない状態と思われがちですが、二人目以降の赤ちゃんがなかなかできない場合も、「続発性不妊」といって、不妊治療の対象となります。
 続発性不妊の場合、ひとりお子さんが授かっていることで、「自分たち夫婦は不妊ではないので、いつかできるだろう」と様子をみるうちに二年、三年と時間が経ってしまうことがあります。しかし、次のお子さんを望み二年経っても妊娠しない場合には、何か不妊の原因が隠れている場合が多いものです。

続発性不妊の原因

ご夫婦によって原因はさまざまですが、次のようなことが考えられます。

●女性側

内分泌・体質の変化による排卵障害

排卵を司るホルモンの分泌は精神的・肉体的ストレスと深く関係しており、子育てによるストレスが関係している場合があります。また、三十代とくに三十五歳以上の方の場合には、年齢的に卵巣機能が低下して、排卵がうまくいっていない場合があります。

卵管や子宮の原因

出産時の子宮・卵管の炎症などにより、卵管の通過障害(卵管因子)が起きたり、子宮内膜の条件が悪くなっていることがあります。あるいは、不妊の原因になる子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜症が進行している場合もあります。

●男性側

精子数の減少

男性の場合、仕事などでの過労や精神的・肉体的ストレスで精子数が減少したり、活動性が低下する場合があります。

 このように、ご夫婦ともに年齢が高くなるほど、赤ちゃんができにくくなる心配があります。二人目以降の赤ちゃんを望んでから一~二年経っても妊娠しない場合には、早めに不妊原因を特定して、治療を受けるに越したことはありません。ぜひ、積極的に不妊外来を受診するようにお勧めします。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史(  「」掲載)

ヒアルロン酸

整形外科2011/09/13

 最近“ヒアルロン酸”という言葉をよく耳にします。
 ヒアルロン酸(ヒアルロナン)はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が繰り返し連結した構造をして数百万の高分子量をもっています。
保水力に優れ、1gで2~6リットルの水を保持します。
また、非常に強い粘性(ねばりけ)と弾性(元の形に戻ろうとする性質)を持っています。 人体の中では関節、へその緒、皮膚、目の硝子体に多く存在しますが、年齢と共に減少します。関節内の関節液、関節軟骨にはヒアルロン酸が多く含まれています。
潤滑作用(滑りをよくして曲げ伸ばしを楽にする)、緩衝作用(クッション)があり関節の働きを助けます。ヒアルロン酸に関する最近の研究で、①軟骨に直接作用して軟骨の破壊進行の抑制や修復・再生に役立つ ②関節液中の炎症物質や軟骨破壊酵素を抑制して間接的に軟骨を保護するなどの働きが明らかになっています。 これらの性質を利用して、我々整形外科では、変形性膝関節症、五十肩、関節リウマチの関節痛の治療に(厚労省の認可した医薬品として)ヒアルロン酸の関節内注射を行っています。
炎症や痛みを和らげたり、変形の進行を抑制する効果があります。関節内に注射されたヒアルロン酸は約48~72時間で関節内から消失してリンパ・循環系を経て肝臓で分解され呼気中に排出されます。
しかし、関節内の滑膜・軟膏・半月板・靭帯などの組織に長時間残存して効果を発揮します。 最近、“飲むヒアルロン酸”に関する質問をよく受けます。
問題は口から摂取したヒアルロン酸が確実に関節の中まで届いて有効に働くかです。
現時点では、痛みの自覚症状が軽くなったという報告は一部あるものの、X線検査や動物実験などの科学的データーに基づいた有効性は(関節内注射薬と違って)まだ明らかではありません。
そのため現在、飲むヒアルロン酸は薬として認可されず、健康食品、サプリメントとして販売されています。
まだまだ今後の研究が必要で、服用に関しては“ご本人の判断におまかせします”というのが現状です。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2011年3月15日 「青いぽすと」掲載)

タコとウオノメについて

皮膚科2010/06/22

 歩く度に足の裏に痛みを感じることはありませんか?今回はタコとウオノメのお話です。 タコもウオノメも皮膚が硬くなってしまう状態です。
医学用語ではタコは胼胝腫(べんちしゅ)、ウオノメは鶏眼(けいがん)といいます。
わたしたちの皮膚は繰り返し圧力がかかると厚くなっていきます。
これは刺激から皮膚やその下の組織を守るための正常な反応です。
たとえばいつもペンや鉛筆を持っていると利き手の中指などが厚く硬くなります。
この状態がタコで通常痛みは伴いません。
ところが、足の裏の皮膚が硬くなってしまうと、歩くたびに押されるため、次第に奥に入り込んでしまい、痛みが出てくるのです。
表面から見ると芯の部分が丸く見えるためウオノメ(魚の目)という名前がついています。 1度ウオノメができると、歩行の度に押されて奥に入ってしまい、次第に強い圧力がかかるようになるため、自然にはなかなか良くなりません。
さらに痛みのある側の足をかばって歩くうちに腰まで痛くなってしまうこともあります。 ウオノメの治療は硬く入り込んでしまった皮膚を専用のハサミで取り除いていく方法です。
一見痛そうですが、通常、ウオノメ自体には神経は来ていないため、治療時の痛みはありません。
ウオノメを柔らかくする絆創膏も市販されていますが、奥の方にはまり込んだ芯は取れにくいですし、ご自分でハサミやナイフなどで削っている方もいらっしゃるようですが、足の裏側というのは意外と手が届きにくく、かえって刃物で怪我をしてしまう恐れもあります。
またウオノメやタコと思っていても実はウィルス性のイボである場合もあり、これは治療法も異なりますので、医療機関で1度御相談されることをおすすめします。


Text by みなとまち皮膚科菊地医院 菊地 誠一( 2010年6月22日 「青いぽすと マイホームドクター」掲載)

第2の心臓と夜間頻尿の関係

泌尿器科2021/12/15

人の体には第2の心臓と呼ばれる部位があります。それはふくらはぎ。

体の中を流れる血液は、心臓のポンプの力で全身に送り届けられます。しかし、心臓から遠い下半身ではその力もおよばず、ここでは第2の心臓であるふくらはぎの収縮力が活躍します。この働きが弱い人やふくらはぎをあまり動かさない人では、下半身の循環が悪くなり足がむくみやすくなります。

夜間頻尿の原因として最も多く見られるものに夜間多尿症があります。日中に十分な尿を作ることができず夜間の尿量が増える病態です。第2の心臓が十分働かず摂取した水分が下半身にたまり日中は尿を作らず、夜になり寝るとたまった水分が上半身へ戻り今度は尿を多く作ってしまいます。

第2の心臓ケアで夜間頻尿の対策

薬局で市販されている弾性ストッキングを朝起きてから夕方まで履き続ける。圧迫の効果で下肢に水分がたまりにくくなり夜間頻尿対策となります。

足を高くして横になる。足の下に柔らかいものを敷き足先が10~15cmくらい上がるようにして寝転がる。夕方に30分くらいが目安。睡眠リズムを崩さぬよう、この時は眠らないこと。

塩分を取り過ぎないようにする。塩分は水分を引き寄せることでむくみを悪化させます。

自宅でできる簡単な体操、カーフレイズ。踵を上げ下げする運動です。どこか安定したところにつかまり立ったままゆっくり踵を上げ下げします。1分間に20~30回くらいのリズムで、はじめは短い時間から始めてみましょう。立って行うのが難しい方は椅子に座ったまま行っても効果があります。

下肢のむくみや頻尿は、第2の心臓と関連のないものもあります。持病のある方や症状が改善しない場合は、主治医やかかりつけ医に相談して下さい。


Text by たんだ泌尿器科 田崎 雅敬( 2021年7月19日 「北海道新聞夕刊」掲載)

歯並び、噛み合せの治療時期について

矯正歯科2008/08/13

 乳歯は、胎生六週ころに歯の芽がおかあさんのおなかの中で、出来始め、子供が生まれてから六ヵ月目で下の前歯が生え始めます。永久歯は、第一大臼歯(だいきゅうし)が胎生三ヵ月ころ歯の芽が出来始め、六歳ころに歯肉をわって口の中に出てきます。そうしてこの歯が根を含めて完全に出来上がるのは、おおよそ十歳です。

 また、親知らずといわれる第三大臼歯を除いたすべての永久歯が生えそろうのは十三歳以降です。従って、永久歯のみを対象にする矯正歯科治療であれば、十三歳以降が望ましいと考えられます。

 しかし、反対咬合(こうごう)や、上顎前突(じょうがくぜんとつ)のうち、歯の向きだけでなく歯が生えて来る土台となる骨に、問題がある場合にはより早い時期から治療が開始されます。つまり、骨がまだ成長している時期より治療が始まり、可能であれば下顎(かがく)前突の場合には、下あごの骨が大きくならないように抑えたり、上顎前突の場合には、より大きくなるようにコントロールを試みます。骨のコントロールは成長している間は、可能であると考えられていますので、七歳ころ前歯が生えそろったころより始まります。

 しかし、その程度が著しく強い場合には、乳歯の時期から始めることもまれですがあります。一般的には以上のとおりですが、バラエティが多いことから、個々の歯列不正を十分把握し、すべての面を可能な限り考慮し、最もよい治療時期を決めることが必要です。また、歯並びの治療は、永久歯が生えそろってしまえば何歳でも治療は可能ですが、美しい笑顔が描かれているポスターには、必ずきれいな歯並びが写っておりますように、審美性も歯科矯正治療の目的の大きな部分を占めております。かつ、この治療は、普通は一生に一度しか受けませんので、治療時期については社会性も考慮にいれ、十分考える必要があります。

 歯科矯正治療を受けられるかどうかは、治療時期を含めて、患者さんが治療後によくなった状態を喜んでいただけるかどうかの価値観によると考えております。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(  「」掲載)

顔の輪郭の若返り/新しいたるみ治療のアプローチ/自分の血液で治療する皮膚再生治療/セルリバイブジータとフォトRF

形成外科2010/04/12

 最近は、顔の若返り治療(顔のしわ・たるみ治療)のセルリバイブ・ジータ(皮膚再生治療)に並行して、頬やあごのたるみにフォトRF(光高周波治療)を行うことでフェイスリフトなどの手術でしかできなかった『顔の輪郭の若返り』が可能になってきました。 セルリバイブ・ジータ(皮膚再生治療)は自分の血液を採って注入まで40分程度で行え、効果持続時間が2~3年と今までのアヒルロン酸やコラーゲン注射(6ヶ月程度)と比べ数倍持続することが特徴で、現在一番よくおこなわれている方法です。
この方法の特徴は2日程度の軽度の赤みはありますが、化粧は施術後2時間後よりできて、日常生活に影響が少なく、腫れも軽く、効果の徐々に現われ、急激な変化による不自然さがなく、自分の血液を使用するため安全性が高い方法です。 セルリバイブ・ジータの中には各種の血小板内の成長因子が存在して、肌のたるみや色つやを改善する作用があるので、化粧をするときに気になる眼の下のくまや頬のたるみの若返り治療に最適です。 またその後にフォトRF(光高周波治療)を行うことで、より一層の頬やあごのたるみ改善『顔の輪郭の若返り』になります。 治療の流れは、まず、施術前に施術後の経過説明を受けて頂き、その後、採血をして頂きます。
そして、施術部位に麻酔ジェルを塗り、15分程度お待ちして頂き、その間に血小板濃縮処置を行います。
麻酔ジェルを拭き取って最後に気になる部位に注入します。
痛みは麻酔ジェルを使用しているため軽度です。
注入時間は範囲によって異なりますが3~10分程度です。
治療と治療行程、経過、効果、今後の予防についてアンチエイジングの立場から説明させて頂きます。 また、フォトRF(光高周波治療)はシミ、シワに有効な『オーロラ』とシワ、タルミに有効な『リファーム』があり、治療を選択することができます。
これらの治療は日常生活に影響がなく安全に受けられる若返り治療です。 治療をお受けになる場合は十分に治療計画をお聞きになり、ご納得した上でお決めください。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二(  「」掲載)

定期巡回・随時対応型訪問介護看護制度

介護2015/08/24

 「施設から在宅へ」という言葉を一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか?

 今後、ますます在宅での介護の重要性が増していくと考えられますが、介護度が高くなればなるほど、1日を通して何回も支援が必要となり、従来の訪問介護制度では対応しきれない部分があります。

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間を通して1日複数回の定期的な巡回と必要時にコールをして対応する随時対応で要介護高齢者の安心と安全を守るサービスです。
利用料は介護度別に月々一定額に設定されており、安否確認等の短時間の訪問も可能な為、その方に合った臨機応変なサービスを行う事ができます。
ただし、要支援1・2の方はこのサービスを利用することはできません。

 利用に際しては、担当のケアマネージャーにご相談下さい。


Text by 定期巡回ステーションあじさい  高杉 朗子( 2015年8月24日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

アトピー性皮膚炎とステロイドについて

皮膚科2008/08/13

アトピー性皮膚炎を代表とする、皮膚疾患の治療において、切っても切り離せない薬に「ステロイド」があります。ステロイドは悪の代名詞のように言われ、その治療を拒否する方も少なくありません。

ステロイドは副腎皮質ホルモンと呼ばれる物質の一種で、血液によって常に体内を循環し、さまざまな臓器や細胞に働きかけ、身体にいろいろなストレスが加わった時に体調を整える重要なホルモンです。このステロイドには炎症や免疫を抑える強い働きがあります。

1952年にステロイドが皮膚疾患にも効果のあることが明らかになり、アメリカで外用剤が開発されました。アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用療法の位置づけは、専門医がきちんと治療すれば副作用を最小限に抑えて最大の効果を発揮できる治療と言えます。しかし根本治療ではなく、あくまでも炎症を抑える対症療法です。

ステロイド外用剤に対する患者さんの最大の不安はその副作用でしょう。ステロイドの内服や注射を全身に長期にわたり大量に使用すると、副腎機能が低下する、糖尿病を悪化させる、骨がもろくなる、風邪などの感染症にかかりやすくなるといった副作用が生じることがあります。

このステロイドの内服や注射による全身的な副作用と外用剤による局所的副作用が混同されているようです。ステロイド外用剤による皮膚における副作用は大きく分けて2つに分かれます。1つはホルモンとして直接皮膚に影響する副作用で、もう1つは炎症や免疫を抑えるために起こる感染症の副作用です。例を挙げると、

(1)毛が増えて多毛になる。
(2)皮膚が赤くなる。
(3)毛細血管が拡張する。
(4)皮膚が萎縮して薄くなる。
(5)ニキビが発生する。
(6)ヘルペスウィルス感染症、水イボが発生する。
(7)水虫やすでにある細菌感染症が悪化する。
などがあります。

但し、これらの局所的副作用はステロイド外用剤を塗ると必ず起こるわけではありません。大量に長期間使用した際に起こる事があるものです。

ではなぜ「ステロイドは怖い」のでしょうか?

以前「ステロイドの何が怖いのか?」という趣旨のアンケートが行われました。その回答はリバウンド、病状が悪化する、効果がなくなる、皮膚の色が黒くなる、ステロイドなしではいられなくなる、子供がアトピーになる、副腎機能が低下する、体に蓄積される、奇形児が生まれる、ムーンフェイスになる、白内障になるなどでした。しかしこれらの回答は患者さんの誤った思い込みなのです。治療目標を達成するためにステロイド外用剤のもつ意義は小さくありません。しかしステロイドはアトピー性皮膚炎を治す特効薬ではありません。あくまでも皮膚の炎症を抑える薬です。うまく薬を使用しながら、症状をコントロールしていく必要があるのです。


Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範(  「」掲載)

胃潰瘍・胃がんの原因は家族内感染?

消化器内科2013/06/03

胃・十二指腸潰瘍、また胃がんの原因の1つとされている「ピロリ菌」。
ピロリ菌の発見から20年以上経過した現在でも、確実な感染経路は特定されていませんが、最近、ピロリ菌感染の予防対策につながる感染経路が、解明されつつあります。
その感染時期の多くは、胃酸の分泌や胃粘膜の免疫機能の働きが不十分な小児期といわれています。
子供の時に飲用していた井戸水も感染源となる可能性があり、上下水道の整備がされていない国や地域では、家族でピロリ菌感染が多いという報告も多数あります。
また、親が噛み砕いたものを子供に与えるような行為を繰り返されると親子感染が起こり、大人になって胃・十二指腸潰瘍、胃がんのリスクを高めているのです。
今までは、胃・十二指腸潰瘍等にしかピロリ菌の除菌治療は、保険での治療は認められていませんでしたが、今年2月、「胃カメラにおいて胃炎の確定診断がなされた患者」にも、保険適用が拡大されました。

親や兄弟に、潰瘍や胃がんの方がいらっしゃる場合、胃・十二指腸潰瘍や胃がんになる前のピロリ菌の検査は、とても重要です。是非、専門医にご相談下さい。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2013年6月3日 「みなみ風」掲載)

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